iPodのなかで音声データは次のように入っている(「エキソニモ」などはアーティスト名、その前の番号は展示番号)。
アーティストの数だけのプレイリストがあって、それぞれの中に、そのアーティストの音声データが1つずつ入っているという形だ。
最初に、エキソニモさんのガイドを聞こうと思ったら、トップメニューからプレイリストを選んで、その中から「01エキソニモ」を選んで、さらに「エキソニモ」を選ぶという手続きが必要になる。
次にタナカカツキさんを聞こうと思ったら、一度プレイリストまで2階層戻って、また「02タナカカツキ」を選んで「タナカカツキ」という2階層進んでって作業がいる(*2)。
作品を見ながらこんなことをするのは、とても煩わしいです(*3)。
時間に追われてたせいもあるけど、作品を見ているのかiPodを操作しているのかわからなくなる。後半になってくると、音声ガイドのないアーティストの作品だと返ってホッとしたりするように感じたりした。
一つのプレイリストに、全ファイルを放り込んでしまえば、「1曲送り」「1曲戻し」ボタンでナビゲートできるのにと思って聞いたんだけど、それだと、一つのトークの再生が終わったら、すぐに次のトークが始まってしまう。それは困るという話だった。なるほど(*4)。
また、赤外線を使ったような、従来型のナビゲーションツールにしなかったわけも聞いたんだけど、あれは、その場所に行くと(聞きたくなくても)勝手に音声が流れてしまうってことがある。それがイヤだったということなんだそうだ。
また、iPodを前提にしておくと、それに入れるデータを作るのが簡単だし、メンテナンスも楽だってこともある。まだガイドのないアーティストのデータを追加するのも簡単だ(生意気のデータもぜひ!)。
それから、iPodは、付属の純正ケースに入れて貸してくれた。でもこのケースは付けたまま本体の操作ができないのだ。あれは音楽をずーっと流しっぱなしで聴くときに使うもので、今回のように頻繁な操作が必要なときに使うものじゃない。サードパーティのケースがあるのにって言ったら、予算の問題だったんだそうだ。それは仕方ないですね。
展覧会のナビゲーションツールとしてのiPodってのは、いいアイデアだと思う。でも、今のままでは、まだまだ使いにくい。今回はその意味で「実験」なんだろう。これがうまくいって、iPodの展示会用ファームウェアなんてのができるようになったら、面白いんだけど(*5)。
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