BTOパソコン最短75分で引渡し――PCデポ、店頭販売型BTO販売方法を展開

» 2004年04月06日 22時00分 公開
[岩城俊介,ITmedia]

 大型PC販売店「PC DEPOT」を展開するピーシーデポコーポレーション(以下、PCデポ)は4月6日、店頭にて選択・注文・製品引渡しまでを最短75分でBTOパソコンを購入可能にし、購入後のメンテナンスまでを一貫展開する「店頭ダイレクトBTO」、および専用BTO(用語参照)パソコンブランド「O'ZZIO(オッジオ)」の設立を発表した。各「PC DEPOT」店舗にて4月23日より展開を開始する。

 「店頭ダイレクトBTO」は、BTO型Web販売の特徴はそのままに、全国39店舗(2004年4月現在)で展開する店頭での販売を核に、“店員によるコンサルティング”→“その場で注文”→“店頭で製造・組み立て”→“引き渡し”→“アフターメンテナンス”までを一貫して行う手法となる。メーカー製PCにはない好みのBTOモデルの注文が、店頭で実際触りながら、あるいは店員に質問しながら選べるのがメリットとなる。

 これにより、今までの販売形態では難しいとされてきた販売員の教育や、納期の短縮、アフターケアなどを、全店舗店員対象のトレーニングプログラム実施や集中部品管理センターの設置により、ユーザーへの利便性や満足度を向上させるとともに、メンテナンスコスト低減を可能とするという。

 また、HDDやマザーボードなどBTO可能なパーツには、各種容量や種類はもちろんのこと、OSやOfficeなどをあらかじめインストールしたり、マザーボードには各種CPUを搭載したものを用意しておくなど、ファミリーレストランのセントラルキッチン方式のような“一次加工”をあらかじめ施した状態で在庫することで、注文から引渡しまで最短75分でBTOパソコンの引渡しを可能にしているとのこと。

 このほか、細かい仕様ごとのPC完成品在庫をかかえることも軽減されるため、コスト減が期待できるとし「同様仕様のPCと比べて最大約10%の安価さを実現した」(PCデポ)という。

「(店頭販売は)一見手間がかかるように見えるが、ユーザー満足度期待はもちろん、移送コストや作業完了時間が大幅に軽減・短縮される」ピーシーデポコーポレーション代表取締役社長 野島隆久氏

 細かいBTO注文にて販売するスタイルのデルコンピュータやHPなど大手メーカーは、現状、Web販売市場が大きなウエイトを占めている。

 郊外に大型店舗とその販売場所を多数持つPCデポでは、このWeb販売市場に反発するかのような対面販売方法によっても、多彩なユーザーニーズ――特にWeb通販に抵抗感を持つような初心者層――を獲得しようとしているわけだ。

 店頭にて注文から引き渡しまでをまかなうのは、特に郊外の大型店舗を利用するユーザーにとってかなり合理的であり、いままでは秋葉原などの専門PCパーツショップなどでしか実現しなかった対面フルオーダーでのBTOパソコンが、量販店で注文できるようになるのは興味深い。

 ただしそのような初心者層が「CPUはこれ」「HDDは何Gバイトの何回転のもの」とはっきり自分の意志にてスペックを指定して注文するのは難しい。店頭ダイレクトBTOの初回メニューである“店員によるコンサルティング”時に、店員がどれだけ効率のよい説明ができるかが、ユーザー満足度はもちろん、全体的なコストまでを含め、ひとつのポイントになってくるだろう。

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2024年04月26日 更新
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