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» 2004年04月08日 06時38分 公開

IDF Japanが開幕――基調講演で通信とコンピューティングの融合をアピール (1/2)

インテルが主催する開発者向け会議、IDF Japan Spring 2004が7日、千葉・舞浜のホテルで開幕した。初日の基調講演では、通信インフラ、携帯機器、モバイルPCの3分野における同社技術の可能性をアピールした。

[本田雅一,ITmedia]

 ハードウェア開発者向け会議のIntel Developer Forum Japan Spring 2004(IDF-J Spring 2004)が開幕。その初日基調講演は、通信インフラ、携帯機器、モバイルPCの3分野において、インテルがこれまで提唱してきた通信とコンピューティングの融合が進み、新しいビジネスの可能性に向け、業界全体が前進していることを開発者たちにアピールした。

あらゆる分野で通信とコンピューティングの融合が進行

 インテル主席副社長兼インテルコミュニケーションズ事業本部長のショーン・マローニ氏は、ワイヤレス通信技術がさまざまなコンピューティングの分野と結びつき、それぞれに大きな可能性を見せていることに言及した。このテーマは、ここ数年のインテルが発してきたメッセージの集大成でもある。

 インテルは7年前、将来は10億台のPCがネットワークで繋がると予言し、4年前は10億台のPCに加えて10億台の携帯電話がインターネットで結ばれると話していた。しかし、マローニ氏は、コンピューティング分野と通信の融合は、そのときにインテルが予測した以上の成果を挙げているという。PCおよび携帯電話がインターネットとの接続性を持つことは、今や“常識”となってしまった。

ショーン・マローニ氏 主席副社長兼インテルコミュニケーションズ事業本部長のショーン・マローニ氏

 「今後、2010年にはブロードバンドに接続されたPCと高性能ハンドセットが増加しているだろう。15億台のブロードバンドPCと、25億台の高性能ハンドセットが繋がっているハズだ」とマローニ氏。

 インテル自身、1年前にはBluetoothをオンチップに内蔵させたXScaleベースの携帯電話向けチップや、PCプラットフォームに802.11b無線LANを融合させたCentrinoを登場させた。今日、GSM圏におけるBluetoothの普及や、PCへの無線LAN機能標準搭載といった形で、コンピューティングと通信の融合を進めている。

 ではこうしたことが、テクノロジ業界にどのような影響を及ぼしたのか?

 マローニ氏は、Wi-Fiによって簡単にワイヤレスでネットワークに接続可能になったこと、それが家庭においても普及し、ネットワーク化された“デジタルホーム”を実現させようとしていること。UWBを用いた近距離型の広帯域ワイヤレス通信機能のWireless USBが開発中であることに言及。

 昨年、インテル、ソニー、マイクロソフトなどが中心になって結成されたデジタルホーム実現のための業界組織DHWG(Digital Home Working Group)によって、デジタルホームにおける機器の相互接続規格標準化が進められている。6月に最初の仕様が決定され、年末から来年にかけ、DHWG対応の相互接続可能な家電製品が登場する見込みだ。

 モバイルクライアント、即ち携帯電話や無線LAN内蔵ノートPCに関しても、Centrinoの成功はもちろん、携帯電話においても技術革新に継続して取り組んでいることを強調する。たとえばインテルの次世代携帯電話向けチップには、Bluetoothに加えて無線LAN機能が統合される見込みだ。

 このほか、通信技術の発展に見合うだけの進化をインテルのサーバ製品が支えていること。通信インフラの背景で、オープンなハードウェア規格であるAdvanced TCAが大きな役割を果たし、毎週のように新製品が登場していること。また、IEEE802.16、別名WiMAXで知られるマイクロ波を利用した長距離型のワイヤレスブロードバンド技術が「今後2年のうちに、業界にとって重要になる」と述べた(2月20日の記事参照)。

W-CDMA対応の携帯電話向けシングルチップ製品をアナウンス

 「携帯電話の機能は、今後さらにデジタル部分の比率が増えていく。これまでアナログチップで行っていた部分も、デジタル化が行われ、ムーアの法則に基づいた集積化が進む」デジタル無線の集積化が進む。さらにこの2〜3年、インテルはMEMS技術にも力を入れて取り組んできた。MEMSを用いることで、あらゆる要素をひとつのチップに統合した製品を作る。2008年ごろには、すべてのシステムをオンチップに実装し、必要な要素の98%がデジタルになる」と話をしたマローニ氏を受け、インテルコミュニケーションズ事業本部副社長兼セルラー&ハンドヘルド事業部長のサム・アルディティ氏は、現在開発中の新携帯電話チップ「Harmon」を紹介した。

サム・アルディティ氏 高機能の携帯電話向けチップ「Harmon」を紹介したコミュニケーションズ事業本部副社長兼セルラー&ハンドヘルド事業部長のサム・アルディティ氏

 HarmonにはWireless MMX対応のXScaleコアとともに3Dグラフィック機能、動画再生機能が内蔵され、3DゲームやDVD並の高画質動画を再生可能という。W-CDMAとBluetoothをサポートし、動画や静止画の取り込み機能も持つ。フラッシュメモリも組み込まれており、高機能な3G携帯電話を構築するために必要な要素がすべて詰め込まれている上、電力消費はきわめて少ないという。日本ではご存じのようにNTTドコモとボーダフォンがW-CDMAを採用しており、これまでのインテル製チップとは異なり、日本向け携帯電話にも強い影響を与える可能性がある。

 加えてインテル最近、90ナノメートルプロセスで作った初めてのNOR型フラッシュメモリを発表していた。130ナノから90ナノに製造プロセスが微細化することで、容量は1.5倍に増加する。さらに1セルで2値を保持可能なストラタ・フラッシュも同プロセスで利用可能なため、トータル3倍のフラッシュメモリ容量を実現できる(2月20日の記事参照)。

 このような要素が組み合わさることでパフォーマンスが向上していけば、ネットワーククライアントとしての携帯電話は、大きくその能力や応用範囲を広げることになるかもしれない。

2003年の成果と2004年の飛躍を誓うCentrino

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