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» 2004年04月16日 23時13分 公開

インタビュー:TV生活を変えるハイブリッドレコーダーAX300〜開発者インタビュー (1/2)

群雄割拠する昨今のハイブリッドレコーダーの中で、NECのAX300は異彩を放つマシンだ。凡百のハイブリッドレコーダーより高性能でいて、PCの周辺機器という立場も保つ。AXシリーズの歩いてきた道、そしてAX300の魅力を、開発担当者の根岸尚史氏に聞く。

[大出裕之,ITmedia]

あくまでもAV特化型、PC機能はPCにルータはルータに

――AX10、AX20と続いた3代目は、桁番が上がったAX300だった。どのような経緯で開発が続いていたのだろうか。

 2002年10月からAX10を商品化しました。最初のコンセプトは、PCをリビングへ進出させるためのネットワーク端末として、リビングのTV台の下におけるものがないか、ということです。

 AV機器を作ろうというわけではなく、できるだけ安価で家電ライクなデザインでAVラックの中に入ってもらって、そこでTV関連のコンテンツは全て蓄積していただいて、あとはネットワークでどこにでも持っていきましょう、という考えでした。

 当時、ホームネットワークという話題が盛り上がっていた時代でしたので他社からも出されていましたが、他社さんはルータが入っているですとかオールインワンで出されていた。弊社としてはAV特化型でAVはAXに、そのほかの部分については、ルータはルータに任せて、PCの機能はもちろんPCに任せ、それぞれが役割を担ったネットワーク構成というものを、作りましょうというのがもともとの発端です。

 AV特化型ですから、3D Y/C分離・DNR・ゴーストリデューサー・外部TV出力など、弊社のPC用キャプチャカードSmartVision HG/Vのレベルのものにしています。

 実はAX10のときはまだ中身はPCライクでして、中にはPCIのTVチューナーボードをライザーカードに挿しているようなカタチでした。ただ、全てリモコンでオペレーティングできるのがPCとの違いです。

 2003年の5月くらいに出したAX20はあまりAX10と差はなく、7月に出したファームウェアのアップデートで、音楽サーバ機能などを追加しています。

 ですがAX20は光学ドライブをつけていなかったため、音楽データをAX20のみでは取り込めなかったなど、十分な機能を実装できてはいませんでした。またAX20をNAS(Network Attached Strage)ストレージとしてみればどんなデータでも入っていいのですが、PCと繋がない単体機として見たときTVで音楽を聴くという利用シーンがあまり一般的ではないと思われたことから、サーバ特化型の商品というよりも、汎用型レコーダーの方向性がやはりいいだろう、と考えるようになり、AX300では映像に特化した仕様にしました。

 また外部要因として、ハイブリッドレコーダー市場がどんどん盛り上がってくるようになり、他社さんはDVDプラスHDDという状況になってきていた。そこでユーザー様に手にとってもらい、比較対象にしてもらうためにはどうしたらいいか、ということで、まずDVDをつけましょう、ということになったのが、AX300開発の発端です。

 HDDのレコーディングという部分はもともと弊社のPCでも力を入れており、タイムシフトなどの機能は他社に負けない自信はありました。

 ただ最近の家電レコーダーにもEthernet端子が付き始めています。また、自社の家電同士をつなげてほかの機器とリンクさせようという動きがあるので、そういう意味では単体で完結するというよりも、広げたいけれどもまだ広げられていない、というのが家電レコーダーの状況だと思います。

 そういった意味では弊社は家電のしがらみがありませんので、もっと先に先行して、他の機器との連携や使用方法などで、ネットワークの強みを生かし、家電ではできない部分を訴求していきたい、と思っています。

NECパーソナルプロダクツ・PC事業本部・デジタルアプライアンス事業部の根岸尚史氏

完全に指名買いされるAX300の魅力

――家電メーカーのハイブリッドレコーダーではなく、NECのAX300を選択するということは、それなりの理由がある場合が多いのではないだろうか。AX300のユーザー像はどうなっているのだろう。

 AX300の利用者は、自作機ユーザーであったり、スキル的に高いユーザー様が多いです。PCとつながってこその機能というのもいくつかありますので、AVに特化したPC周辺機器としてのAX300の側面を評価いただいているようです。

 購入いただいたユーザー様としては、2極化しているようです。まず、ぎりぎりのスペックの方が、結構いらっしゃいました。Pentium IIIで600GHzくらいとか、古いノートPCなどです。またそれと対極に、ハイパースレッディングクラスの高性能マシンのユーザーも結構いらっしゃいました。

 ハイエンドPCを持っているかたですと、PCとの連携を前提とした使用形態で、実は、PCでしかTVを見ていない、というユーザー様もいらっしゃるようです。外部チューナーユニットのような使い方ですね。

 ぎりぎりのスペックのPCで使用されているかたの使い方としては、AX300が高機能だからという点があります。自分のPCのスペックを確認した後でAX300を購入されています。

 ですのでほぼ完全に、指名買いです。PCユーザー様が多いので、やはり、PCへのダビング機能という点を評価していただいているようです。また、DVD-RAMにコピーしてPCへ持っていくなどしなくても、素のデータをそのままEthernet経由で持って来れます。その後はDivXなどで加工されるのかもしれませんが。

 とはいえ、LaVieやVALUESTARを買っていただいている多くのライトユーザー様に使っていただく際には、家電的に“ハイブリッドレコーダーです”と考えていただいていいと思います。

DVDドライブはVHSの置き換えでしかない。HDDこそが生活を変革する

――ハイブリッドレコーダーとは何か? という問いが、実は重要であるような気がする。この問いこそが、ハイブリッドレコーダー選択の基準となるからだ。ハイブリッドレコーダーを買って何がしたいのか、何ができるのか、そして生活はどう変わるのだろうか。

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2005年4月16日