多機能マザーボードの拡張性をフルに利用できる内部スペースは、標準装備のままでは下半分がほとんどガラ空き状態。ブラケットから壁面まで約5センチのスペースがあり、3.5インチベイの両脇も約4センチの空きがある。複数のデバイスを組み込んでも空気の通り道がしっかり確保できるので、安心して増設できる。
ベイは、5インチ4基と3.5インチ6基(うちシャドーベイ4基)の計10基。それぞれDVDドライブとHDDで1基ずつ埋まっているが、それ以外にドライブを追加しても簡単には混雑しないゆとりがある。また、マザーボードからサイドパネルまでに高さ12センチ以上のスペースがあり、ビッグサイズのヒートシンクや、水冷キットなどを試すのにもうってつけといえる。電源はケース付属の350ワットATXタイプとなる。
標準で搭載しているケースファンは、背面の8センチファンのみだが、フロントにも3.5インチベイ前に取り付け口が1基用意されている。背面と同サイズで、8センチタイプが装着できる。
ここには、ねじ穴が2種類開けられており、ひとまわり大きい高出力ファンもアダプターなしで装着可能だ。ただし、フロントの吸気口は、3.5インチベイ2段目の空きベゼルと兼用になっているので、増設時には考慮したい。
3.5インチベイの両サイドにはスペースを空けており、筐体の前後で空気を循環させやすい。とはいえ、フロントの通気口はかなり小さいので、HDDを増設する際には1段おきに設置するのが理想といえる。
搭載するマザーボードのスペックも十分。シリアルATAを2基装備しており、IDEと併せれば4台以上のHDDを接続できる。RAID構成を想定するユーザーには頼もしい限りだ。
また、PCIスロット5本とAGP1基を搭載し、ケースに見合った拡張性を備える。ちょうどAGP上にブラケット一つ分が余る設計で、2段分スロットを占有するグラフィックスカード搭載時にうれしい仕様となっている。
では、基本性能をベンチマークチェックしてみよう。
結果から述べると、a-Best AD2170GT-ITM は、10数万円台のメーカーマシンにも引けをとらない高いスコアをたたき出した。
特に描画性能を測る3DMarkでは、オンボードながらなかなかのパフォーマンスを示す。チップセットとCPUのコンビが性能を支えているので、安価なソフトウェアエンコード対応のTVチューナー付きビデオキャプチャーカードを搭載した場合も、さほどストレスなく作業できるのではないだろうか。
PCMark04のベンチマーク測定結果 | |
HDD Score | 3619 |
Graphics Score | 642 |
Memory Score | 3612 |
CPU Score | 4481 |
PCMark Score | 3544 |
PCMark04のベンチマーク測定結果では、256MバイトのメモリやUltra ATA/100のHDDなど、ややスペックの劣るパーツで構成するものの、PrescottコアPentium 4/3E GHzによって全体のスコアが引き上げられている。3500ポイント以上のスコアを獲得したが、同等のスペックでメモリを512Mバイト搭載すると、メモリの項目だけで30%前後のスコアアップが期待できるはずだ。
256MバイトのPC3200なら、BTOメニューより7000円ほどで追加できるので、パワーアップするなら最初に手を付けておきたいポイントだ。
3D Mark2001SEのベンチマーク測定結果 | |
1024×768 32ビット | 2544 |
1024×768 16ビット | 2542 |
描画機能を測定する3D Mark2001SEでベンチマークを測定したところ、オンボードVGAとしてはまずまずのスコアをたたき出した。ただし、高いスペックを必要とする3Dゲームにはやや性能不足だ。
基本性能だけで十分なパフォーマンスを発揮するマシンで、7万円マシンとしては問題なく合格点だ。これをベースにして、3Dゲームマシンにするもよし、テレビパソコンにするもよし、拡張性の高さが特徴のこのモデルは、ユーザーのカスタマイズしだいでいかようにも進化する魅力的な1台なのではないだろうか。
なお、このITmediaオリジナル7万円モデルと同じものをITmedia読者用にご用意いただいた。そのまま購入していただくもよし、BTOにてもう少しパワーアップするもよし。少しでも「おっ。いいかも」と思った読者は、この機会にぜひともお買い求めいただきたい。(表示価格は税込み)
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