NEC Directでは、店頭では販売されていないWeb直販の限定モデルも用意されているのは、これまで述べてきたとおりだ。今回紹介する「VALUESTAR G タイプC」(以下、タイプC)は、「VALUESTAR C」シリーズの後継モデルという位置付けだ。VALUESTAR Cは、今年の夏モデルでは店頭販売のラインナップからは外れたが、タイプCとして、Web限定で継続販売されている。
まず、外観から見ていくと、タイプCでは、従来どおりシルバーとブラックのツートンカラーが特徴的な筐体が採用されている。これは、店頭モデルの「VALUESTAR T」や「VALUESTAR G タイプT」(以下、タイプT)と同じものだ。
タイプTとタイプCの内部仕様の違いは、TVチューナー付きビデオキャプチャカードが内蔵されているか否かで、そのほかは共通となっている。つまり、タイプTからTVの視聴・録画機能を省いたのがタイプCというわけだ。
現在、市場では“テレパソ”モデルが人気となっているが、たとえば、パソコンでのTV視聴や録画が必要ないユーザー、またはデジタル録画は家電のHDD/DVDレコーダーでまかなっているという場合、TVチューナーは必要ないというケースもある。こうした場合には、シンプルな構成でコストも抑えられるタイプCがお薦めだ。
タイプCの主な仕様としては、まずチップセットにはIntel 865Gを採用。CPUには、HTテクノロジ対応のPentium4/2.80E GHzまたは3.20E GHzを選択して搭載できる。どちらもCPUコアはPrescottベースで、L2キャッシュ容量が従来のNorthwoodコアPentium 4から倍増された高性能な仕様だ。
メモリはすべてPC3200対応で、デュアルチャンネルをサポートし、256Mバイトから最大2048Mバイトまで搭載できる。同じ容量のメモリを2枚一組で装着するデュアルチャンネル方式の場合は、最大6.4Gバイト/秒の高速データ転送が可能となり、CPUの性能を最大限に引き出すことができる。
例えば512Mバイトを選択する場合、1枚差しでも2枚差しでも価格には違いがないため、パフォーマンス優先のためにも迷うことなく256Mバイト×2のデュアルチャンネル仕様を選択しておきたい。
HDDは、UltraATA/100仕様の約160Gバイト/約200Gバイト/約250Gバイト/約300Gバイトのなかから選択して搭載可能。動画や音楽ファイルなどのマルチメディア関連のデータを扱う場合は、できるだけ大容量を装備しておくのがベターだろう。
グラフィックスについては、ATI Technologiesの「RADEON 9600SE」またはチップセット内蔵を利用するか、のどちらかを選べる。以下は、RADEON 9600SEを搭載したモデル(VALUESTAR T VT700/9D)を使用したベンチマークテスト結果だが、CGを駆使したFINAL FANTASY XIも快適にプレイできる高度な3D描画性能を搭載していることを示している。
ベンチマークテスト結果
PCMark 04 | |
CPU | 4226 |
Memory | 4575 |
Graphics | 1283 |
HDD | 4369 |
3DMark03 | |
1024×768ドット32bit | 1849 |
FINAL FANTASY XI Official BenchMark 2 | |
Lowモード | 4542 |
Highモード | 2649 |
DVDなどのスムーズな映像再生や、3Dゲームでのストレスのないプレイを望むのであれば、RADEON 9600SEを搭載するのが断然有利だ。なお、内蔵グラフィックスを選択した場合でも、DVI-Dインターフェースボードを搭載するため、液晶ディスプレイとのデジタル接続による鮮明な画面表示が可能となっている。
今回ベンチマークテストに使用したのは、店頭モデルの「VALUESTAR T VT700/9D」(Pentium4/2.80E GHz、512Mバイトデュアルチャンネルメモリ、約250GバイトHDD、RADEON 9600SE)だが、グラフィックス以外も軒並み高スコアとなった。
特にCPUは、Prescottコアで、HTテクノロジ対応のPentium4であるため、クロック周波数は2.80E GHzと下位のものだが、結果はVALUESTARシリーズの中でもトップクラスのスコアをたたき出している。ビデオ編集などの負荷の高い作業もスムーズにこなせるハイエンドな仕様といえるだろう。
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