「DVD MovieWriter」には、書き込みに使用する録画データのファイルサイズがDVDのディスク容量を超えている場合でも、一枚のディスクに収められる「ジャストダビング機能」が搭載されている。この場合は、自動的にディスク容量に合わせてファイルが再エンコードされるため、映像の変換にある程度の時間はかかるが、手動でファイルサイズを計算しながらビットレートなどを調整する手間がないので操作は楽になる。
もちろん、通常のオーサリングも可能で、エクスポート選択メニューで「DVDメニューつき書き込み」を選択すれば、メニューやチャプター、テキストや各種効果を挿入してオリジナリティの高いDVD Videoを作成できる。
なお、ファイルのエクスポートメニュー画面では、DVD書き込みのほかに、ファイルの分割や変換も選べる。ファイル分割は、MPEG形式のまま、再エンコードなしに画質を落とさず指定したサイズに分割できる。スポーツ中継や特別番組など、長時間録画してファイル容量が大きくなった場合に、DVD一枚分のサイズに指定して、複数枚のディスクに分けて収録するといったことなどが可能だ。
また、WMV形式への変換機能もあり、PocketPCでの再生に合わせた変換やビットレートなどを任意に指定してファイルを書き出すこともできる。WMV形式へ変換したデータはファイルサイズも大幅に小さくなるので、メモリーカードなどを介してPocketPCなどへ移せば、PCで録画した番組を移動中や外出先でエアチェックするといった使い方もできる。
このようにSmartVisionでは、テレビの視聴・録画から簡易編集、ファイル変換までを一元操作できるほか、DVD MovieWriterと連携してDVD書き込みまでをシームレスに行えるのが魅力となっている。わずか2ステップでDVD書き込みまでできる簡便な操作性に加えて、ユーザー設定で詳細に項目を指定できるため、目的や用途、またユーザーのスキルに応じて幅広く利用できるはずだ。
すべてを紹介しきれないが、このほかにも、タイムシフトや追っかけ再生、最大50倍速までの早送り/巻き戻し再生や最大2倍速の音声付き再生、ネットワークTV配信機能など多彩な機能を搭載している。基本的な操作はリモコンでもできるので、家電に近い感覚で利用できるのも魅力だろう。
また、テレビの視聴や録画などには、マルチメディア関連のファイルを一括操作できる同社独自のソフトも利用できる。中でも、シンプルなインタフェースで家電ライクに操作できるのが「MediaGarage」だ。TV視聴、録画、音楽、静止画、動画、スライドショー再生など、AVコンテンツを一元管理・操作でき、ローカルディスク上のファイルのみでなく、ネットワーク上のPC内のファイルも同様に扱えるのが特徴となっている。
シリーズ共通で用意されている「SmartHobby」も、同様にマルチメディア関連のソフト。MediaGarageが、視聴や再生が主な用途であるのに対し、こちらはコンテンツの作成がメインだ。
トップ画面で、DVD作成やアナログ機器からのデータ取り込みなどを行えば、SmartHobbyだけでも編集が可能だし、それ以外に専用ソフトと連携してシームレスに作業を完結することもできる。用途や目的ありきで、マルチメディア関連のデータを作成できるので、分かりやすい。
これらはVALUESTAR GおよびLaVie Gシリーズ共通のソフトだが、本機のAV機能をさらに使いやすくする必要不可欠なソフトとも言えるだろう。標準ソフトウェアパックにバンドルされるので、セレクションメニューでぜひとも選んでおきたいところだ。
VALUESTAR GタイプTZは、フラグシップモデルとして、これまで見てきたようなAV機能を快適に利用するために、最高クラスのハードウェア性能を装備している。ディスプレイの選択肢も豊富で、その多くは高輝度タイプの液晶を搭載し、迫力の音場を実現する「SoundVu」にも対応するなど、映像や音声の高品質な再生が可能だ。大画面のディスプレイと組み合わせて、最強のAV環境を構築してほしい。
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