「VALUESTAR G タイプTZ」(以下、タイプTZ)は水冷システムを採用していたり、地上デジタル放送へも対応するなど、独自性の高い設計や機能を搭載したVALUESTARシリーズのフラグシップモデルだ。CPUには新たにAthlon 64を搭載し、「Cool‘n’Quietテクノロジ」により、さらに稼動音が抑えられた静音設計となるなど、フルリニューアルされている。
本体仕様については、前回紹介しているので、今回は第2弾として、本機の最大の魅力とも言える豊富なAV機能の実践・活用法に焦点を絞って迫ってみたい。
多彩なAV機能を搭載するタイプTZだが、その筆頭は何といってもテレビ視聴・録画だろう。地上アナログ放送に加えて、BSデジタル放送・110度CSデジタル放送、そして地上デジタル放送にも対応している。
セレクションメニューで、すべての放送に対応するように選択した場合は、それぞれ3種類のチューナーカードと、専用の視聴・録画用ソフト「SmartVision」「SmartVision BS」「SmartVision DG」が搭載される。SmartVisionについては、それぞれ若干機能は異なるものの、操作インタフェースは同様だ。
今回は、最も利用頻度の高いと思われる、地上アナログ放送の視聴・録画機能について見ていこう。
地上アナログ放送対応のTVチューナー・キャプチャボードは、3次元Y/C分離回路やゴーストリデューサなどの画質補正機能を搭載するものと、これらの補正機能なしの2種類が用意されている。
3次元Y/C分離は、明るさの「Y」信号とカラーの「C」信号を時間軸も考慮しながら分けることにより、色ノイズやにじみを抑える機能だ。また、ゴーストリデューサは、放送電波がビルなどに反射して受信に遅延が起こったときに生じる、映像の二重映りを低減する。
高画質で録画したい場合や、受信電波の状態が悪い地域などで利用する場合は、これらの補正機能を搭載した上位のTVチューナーがおすすめだ。
録画の画質設定は、高画質モード(720×480ピクセル、8Mbps CBR:固定ビットレート)、標準モード(720×480ピクセル、4Mbps VBR:可変ビットレート)、長時間モード(352×480ピクセル、2Mbps VBR)のプリセット(いずれもMPEG-2形式)が用意されるほか、ユーザー設定で詳細に調整できる。最大では、映像サイズ720×480ピクセル、ビットレート15Mbps(CBR)までの高画質設定も可能だ。
ただし、録画ファイルの容量を考慮すると、8〜10Mbps程度のビットレートを上限と考えたほうがよい。ビットレートは8Mbps程度あれば、動きの速いシーンでも鮮明でスムーズに再生され、画質としては十分なクオリティと言える。
DVD Videoとして保存する場合も、ビットレートが高すぎたり、あまり容量が大きくなると再エンコードする必要があるので、画質とサイズの兼ね合いを考慮したうえで設定しておきたい。
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