Athlon 64モデルが新登場――VALUESTAR GタイプTZ(1/3 ページ)

» 2004年06月03日 20時00分 公開
[土田一彰,ITmedia]

水冷モデルがリニューアル

 メーカー製のパソコンでは唯一となる、VALUESTARシリーズの水冷モデルが大幅にリニューアルされた。昨年の5月に登場した初代水冷モデルの「VALUESTAR G タイプTX」(以下、タイプTX)と併せて「VALUESTAR G タイプTZ」(以下、タイプTZ)が新たに加わった。従来のタイプTXと比較すると、タイプTZは筐体から内部システムに至るまで一新されているのが分かる。

 新筐体は、シルバーを基調としたボディにブラックのアクリル製パネルをフロントとトップに装備。さらに高級感が増し、AV機器などとリビングに並べて置いても違和感なくマッチする外観となっている。電源を入れると、フロントに浮き出る青色LEDの“VALUESTAR”ロゴが印象的だ。

VALUESTAR G タイプTZ

 また、タイプTXと同様、水冷用のラジエータを装備するため、背面には出っ張りのある独特の形状となっている。一見すると、壁面などから余分な設置面積が必要にも思えるが、電源ケーブルなどの配線にもある程度スペースが必要となるため、実際にはさほど設置場所を制限することはない。縦長の筐体なので、転倒などを防止するためのスタビライザも付属している。

背面には大型のヒートシンクを搭載するラジエータの出っ張り部分もあるが、ケーブル接続スペースがあるので設置にはさほど影響はない

新設計の静音システムを採用

 水冷システムではファンの数を少なくできるため、稼動音が静かというメリットがあるが、静音性についてはさらに進化している。タイプTZの水冷システムは、CPUの発熱を水冷ジャケットで吸収し、パイプやチューブ内に循環する冷却水で背面のラジエータへ送り、電源ファンで冷やすという仕組みだ。これについては前モデルから変更はないが、本モデルからは、CPUにAMDのAthlon 64が採用されているのがポイントだ。

CPUの発熱を水冷ジャケットで吸収し、パイプやチューブ内に循環する冷却水で背面のラジエータへ送り、電源ファンで冷やしている

 Athlon 64には、CPUの消費電力を低減する独自の「Cool'n'Quietテクノロジ」が搭載されている。これにより、CPUの負荷に応じて動作クロックや電力を制御し、発熱量も抑えられるため、冷却ユニットのポンプ流量やファンの回転も少なくてすむのだ。

 そのほか、低回転でも放熱効果の高い12センチ角の大型電源ファンや、回転制御が可能なDVDドライブ、シーク時のノイズを低減したHDDに加え、ファンレスタイプのグラフィックスカードを選べたりと、随所に静音仕様が採り入れられている。

 NECでは、CPU高負荷時の稼動音も、ささやき声と同じ程度の約30dBの騒音としているが、試した実感としても、ほとんど稼動していることを意識しなくてすむレベルだ。さらに、背面からの放熱がラジエータを介して行われるため、ほとんど熱くならないというのも水冷ならではだ。こうした面でも、リビングに置いてふさわしい仕様と言えるだろう。

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