Eye-Q 5062AFのレンズは小さく、パンフォーカスカメラのようだが、オートフォーカスレンズを搭載している。電源をオンにするとレンズカバーが自動的に開き、電源をオフにするとレンズカバーが閉じる。さらにレンズ周りがやや盛り上がっているので、レンズに直接触れてしまうことも少ないだろう。
また、製品には専用のケースが付属しているので、持ち運び時に本体に傷を付けてしまうことも少ない。
オートフォーカスのフォーカスが合う時間は、おおよそ0.3〜0.4秒程度である。多少動いている程度の被写体や、やや暗い場所の撮影でも安定していて、フォーカスの合う速度はほとんど変わらなかった。暗い場所ではLEDの補助光も出るのでフォーカス精度も悪くない。ただ夜景撮影では、フォーカスを合わせられないこともあった。
オートフォーカスは、中央に合わせる「中央スポット」と、中央とその付近の5点から自動的に決定される「マルチゾーン」の2種類が用意されている。自動的にフォーカスを合わせる場所を決めるモードを搭載するカメラでは、自分の合わせたい場所と異なる場所にフォーカスが合ってしまうことがある。
しかし、Eye-Q 5062AFではフォーカスを合わせる5点がいずれも中央付近のためか、ほぼ意志通りにフォーカス合わせができる。被写体を中央に持ってくれば、たいていは5点すべてが被写体と重なるので、どこにフォーカスが合っても適正のフォーカスなのだ。あまり意味はないようだが、フォーカスを合わせる位置が違ってイライラすることはなかった。
撮影モードは通常撮影のほかに「連続撮影」や「スポーツ撮影」、そしてシーンモードも用意されている。シーンモードは「花火」、「夜景」、「パーティ/室内」、「海辺」、「雪景色」、「夕焼け」の6種類だ。なぜか連続撮影やスポーツ撮影がシーンモードではなく、撮影モードに入ってるが、そのために「花火」+「連続撮影」といった撮影が可能である。ただし、「スポーツ撮影」はシーンモードとは組み合わせができなかった。「スポーツ+連続撮影」は撮影モードで設定可能だ。
ホワイトバランスはオートのほかに「晴天」、「蛍光灯」、「電球」の3種類がある。たいていはオートで問題ないが、できれば「曇天」か「日陰」があるとより状況に合わせた撮影ができただろう。
マクロモードは約15センチからと、最近のデジタルカメラとしてはそれほどよい性能とは言えない。しかし、レンズが35ミリ換算で48ミリ相当なので、思った以上に接写できる印象だ。名刺を画面いっぱいに撮影できる程度の性能はあるので、接写できなくて困るという状況はそれほどないだろう。ちなみにマクロ撮影中はデジタルズームが使用できない。
Eye-Q 5062AFの全体的な動作はそれほど遅いと感じることもなく、一般的といえるだろう。ただ、バッテリー持続時間はやや気になる。メーカー公称値では約100枚となっているが、松下電池工業のアルカリ乾電池で約50枚、やや使い込んだ2000mAhの単三形ニッケル水素充電池でも40〜50枚程度であった。電源のオン/オフや画像再生を多用したのが原因かもしれないが、最近のデジタルカメラとしてはやや不安が残る。
また、電源をオフにしていてもバッテリーを消費しているようで、何日か使わずにおいておくとバッテリーが少なくなっているのが確認できた。バッテリーを外しておけばよいが、そうすると電源を入れた際に日時を設定し直す必要があって面倒である。
単三形乾電池2本で500万画素のデジタルカメラを動作させるので、バッテリー持続時間が短いのはある程度仕方ないが、もう少し対策を取ってあるとよかっただろう。普段はニッケル水素充電池を4本程度持ち歩き、状況によってアルカリ乾電池を併用すれば、それほどお金がかからずに済むかもしれない。
低価格デジタルカメラは画質や機能に致命的な問題がある製品が多く、万人にオススメできる製品が少ないのが現状だが、その中でもEye-Q 5062AFは比較的バランスのとれた製品と言える。国内の有力メーカー製高級機には及ばないものの、この価格でこの仕上がりならば納得がいく。用途と予算によっては十分使える製品だ。
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