打ち上げ花火もいいけど、こじんまりと楽しむ線香花火というのも捨てがたい。暑い夜でもコンビニで花火セットでも買ってくればすぐに楽しめる。小さな手持ちの花火でも上手に撮ればいい雰囲気の写真になるのだ。
花火もそれを持っている人物もきれいに撮る。これが一番のテーマ。
まずは三脚を用意すること。これは必須だ。そしてできるだけ近寄って撮ること。火花が小さいので離れちゃうと何を撮ったのかわからなくなる。
次に重要なのはピント。夜は暗いのでピントが合いづらいのだ。花火自体は明るいので、花火に合わせてピントを合わせてもいいし、まず明るいものを手にもってもらって(ケータイを開いて手に持ってもらうといい。あれはかなり明るいので、そこでピントを合わせられるのだ)、ピントを固定してから(AFロック)撮る、というのも手。
では撮ってみよう。3枚用意してみた。
1枚目はフルオートでそのまま撮った場合。これだと人物はきれいに撮れるけど、花火がほとんど写らない。フラッシュの光が強い上にシャッタースピードが早くなっちゃうので、火花の広がりがわからないのだ。よほどいいタイミングで撮らないと寂しい写真になってしまう。
2枚目はストロボを焚かないで撮った場合。見てわかるように線香花火はきれいに撮れたけど、肝心の人物は花火の明かりで赤くぼーっと写っているだけ。これはこれで風情があってその場の雰囲気が出ていていいけれども、ちょっと全体に暗い。シャッタースピードは1秒でF2.8。カメラによってこういうシチュエーションでシャッタースピードがどこまで遅くなるかは違うのでなんともいえないが、フラッシュを使わないできれいに撮るのはそれなりに難しいのだ。
3枚目がストロボをスローシンクロにして撮った場合。「夜景+人物モード」があるデジカメなら、それで撮ってもOK。すると、ストロボの光で人物がきれいに写り、さらにスローシャッターで花火もきれいに撮れる。彼女をきれいに、花火もきれいにと欲張りたいときはスローシンクロ撮影をうまく使うべし。
線香花火はシャッタースピード1秒で撮った。1秒あればいろんなことができる。例えばこんな写真も簡単だ。
写真の基本は「明るいものは写るけど暗いものは写らない」ということ。当たり前なんだけれども、そのおかげでこういう写真を撮れるのだ。ストロボで女の子を撮り、スローシャッターで花火の軌跡を撮るのである。
慣れてくれば空中に花火で文字を書くなんてこともできる。
せっかくの花火なのだから、いろんな楽しい写真を撮って残しておこう。
(モデル:織原裕)
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