PC用の小物パーツでお馴染みのGroovyから登場したちょっと変わったUSB2.0対応ドライブケースが「Groovy DVDCUBE(GR-DVX001)」(以下、DVDCUBE)。単体でビデオやオーディオ再生機能を持ち、5インチベイを備えるのでHDDに加えてDVDドライブなども内蔵できる。マルチメディアコンテンツをPCでダイレクトに書込み、そのままリビングに持ち込んでAV機器で再生するとといった面白い使い方ができるのが特徴となっている。
再生可能なフォーマットはMPEG-1/2、MP3、WMAとなっており、DVD-VideoやVideo CD、音楽CDの再生にも対応する。MPEG-4再生はサポートしていないが、姉妹製品としてMPEG-4再生対応の「DVDCUBE+MPEG4」も9月に発売が予定されている。
5インチドライブを内蔵可能ということもあり、外付けドライブケースとしてはちょっと大きめ。本体の高さは5インチドライブの約1.5倍ほどとなるが、この背の高い部分にAVプレーヤー機能の基板が収められている。ただし、幅はほぼ5インチドライブサイズなので、設置に困るといったサイズではない。縦置きは配慮されていないが、構造的には問題なさそうだ。
ドライブの組み込みはちょっとばかり面倒。底面カバーを外してドライブを組込みんで固定するわけだが、電源ケーブルやIDEケーブルは本体側の基板から出ている。つまりドライブを底面カバーに固定して、本体と合体させつつケーブルの接続を行う必要がある。単なるドライブケースとは異なり、内部基板が大きい都合なのだろうが、もうひと工夫欲しいところだ。
ドライブを組込んだら、あとはPCとUSB接続して電源を入れればドライバレスで(Windows 98SE以降)、USBマスストレージクラスとして認識される。ちなみにDVDドライブなどを組込んで外付けドライブとして利用している時も、付属するリモコンでトレーの開閉ができるのはちょっと便利かもしれない。
せっかくの5インチベイなのでまずはDVDドライブを組込んでみようと、組込んでみたのが、カートリッジタイプDVD-RAM対応のスーパーマルチドライブ、松下電器産業「LF-M721JD」(ITmedia Shoppingで価格をチェックする)だ。家庭用DVD-RAMビデオレコーダーで録画したDVD-RAMが再生できれば結構便利かも、という目論見付きである。
しかしこの期待はあっさり裏切られてしまった。どうもDVD-VRには対応していないらしい。DVD-VRで録画したDVD-RAMやDVD-RWメディアを挿入すると「DVD-VRですよ」とご丁寧に画面表示してメディアを排出してくれる。DVD-VRであることまで認識しているのに、ちょっともったいない。
もっともDVD-Videoはもちろん、MPEG-1/2ファイルをそのままレコーダブルDVDメディアに書込んだファイルは問題なく再生可能で、いわゆる「生PEGプレーヤー」として利用できる。2/4/6/8/16倍速での早見、早戻しが可能で、最速の16倍再生でも内容の確認は十分できる。スロー再生やコマ送りもサポートしている。
筆者はPCで録画したものは、DivXにエンコードしてビデオサーバに保存、オリジナルのMPEGファイルは安価なDVD-Rにバックアップするという使い方もしているので、そのDVD-Rから生PEG再生ができるのはかなり便利である。もちろん、DVD-Video化しておけば汎用性はあるのだが、DVDへの書き込みが高速化した昨今は、DVD-Rへの書込み時間よりDVD-Videoへのオーサリングに時間を要してしまうので、MPEGファイルのまま記録し、そのまま再生できるのであればそれが手っ取り早いことは間違いない。そのため、生PEGの再生機能はかなり重宝するユーザーは多いだろう。
PCにUSB接続すると、DVDドライブとして問題なく認識、ライティングソフトからも問題なく認識された。また、DVD-Rへ8倍速記録を行ってみたが、書き込み速度も内蔵した場合とほとんど変わらない。DVDCUBEは、レコーダブルDVDドライブの外付けケースとしても安心して使えそうだ。
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