空冷水冷ハイブリッド冷却を採用した地デジ対応PC──NEC VALUESTAR VX980/AE(2/2 ページ)

» 2004年09月09日 08時00分 公開
[小林哲雄,ITmedia]
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地上波チューナーがアナログ/デジタル共用に

 VALUESTAR TXは地上アナログ放送/衛星デジタル(BS/CS)放送に加え、地上デジタル放送にも対応した3チューナー構成で話題を集めたが、すべてのチューナーが別々のキャプチャーカードに実装されていたため、地上波の分配器が必須となっていた。

 VX980/AEでは、地上波対応キャプチャーカードがアナログ/デジタル両対応になったおかげで、別途分配器を用意することがなくなった。さらに、PCIスロットに増設用の空きができたことも見逃せない。

 評価機には含まれていなかったが、製品にはB-CASカードが付属しており、デジタル放送も問題なく視聴できる。ただし、PCI Express対応チップセットとは言え、キャプチャーカードは従来どおりPCI接続だ。

 キャプチャーコントロールソフトの「Smart Vision」も従来と同じく、地上アナログ、衛星、地上デジタルと、それぞれ分かれた構成になっている。使い勝手の面ではまだ改善の余地があるといえるだろう。

 とはいうもののSmartVisionは、さかのぼり録画やEPGを使用したおまかせ録画に対応しているだけでなく、統合メニューソフト「MediaGarage」の強化も行われているなど、テレビ視聴や録画の機能は進歩している。

これまで3枚に分かれていたキャプチャーカードは機能が統合されて2枚に減らされ、PCIカード一枚分の拡張枠が確保されている。背面上部には水冷クーラーのラジエータユニットが突き出している

23インチ液晶TVもさらなる高画質に

 昨今では、リビングでも使える大型液晶ディスプレイとセットのPCが人気を呼んでおり、NECもすでに23インチワイド液晶という、家庭用としては最大級のディプレイと組み合わせた製品を投入しているが、これが秋モデルではさらなるパワーアップしている。

 まずは、色温度の向上。従来の8000℃だったダイナミックモードは、14000℃と大幅に向上させることで、鮮やかな白を実現している。また、「ACC」(Adaptive Contrast Control)により、暗いシーン、明るいシーンのそれぞれで、黒つぶれや白飛びの起こりにくい画像が得られる。

 MPEG特有のブロックノイズを軽減する「M-NR」(MPEG Noise Reduction)も用意し、視聴するユーザーの環境要因にあわせて、鮮やかなダイナミックや標準的なスタンダード、長時間落ち着いて見れるシネマと、ユーザー自身がモードを選べるようになった。もちろん、地上アナログチューナーを含んでおり、外部入力端子にはD4端子が用意されている。

 また、NEC独特機能である、液晶パネル前面のアクリル板がスピーカーとなる「SoundVu液晶」(出力5+5ワット)の採用によるスッキリとした外観や、サブウーファー(同じく6ワット)を含んだ迫力あるサウンドもリビング利用を意識した仕様だ。

 VX980/AEはフラッグシップマシンにふさわしい豪華なパーツ構成と、それに見合ったパフォーマンスを発揮するだけでなく、TV利用でも地上デジタル放送に対応した現在考えうる最も高機能のデスクトップPCといってもいいだろう。地上デジタル放送に関しては、今後大都市圏での放送域が拡大していく予定で興味は尽きない。リビングに豪華なマシンを求めるユーザーに、VX980/AEはうってつけのマシンとなるだろう。

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