ほどよくまとまったマニュアル系700万画素コンパクト――DSC-V3(2/3 ページ)

» 2004年10月07日 16時26分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

扱いやすいジョグダイヤルと大きなモニタ

 撮影モードは上部にあるモードダイヤルで決定する。フルオートの他、P、A、S、Mの各マニュアル系モード、シーンモード、再生モードなどが用意されている。用意されているシーンは、夜景、夜景+人物、ポートレート、風景、スノー、ビーチ、キャンドルの7つだ。

 モードダイヤルの根本にはクリック機能付きのジョグダイヤルを装備。このダイヤルを使ってシャッタースピードや絞り値、露出補正などのコントロールが可能だ。

上面には大きなモードダイヤルと、電源スイッチ、ナイトフレーミング/ナイトショット用のボタンがある
メイン操作部のアップ。モードダイヤルの下にクリック付のジョグダイヤルがある。親指を少し動かせばズーミングもダイヤル操作もできて使いやすい

 それ以外の機能は中央に決定ボタンがある十字キーに発光モード、セルフタイマー、マクロ、クイックレビューが割り当てられており、それ以外の機能はメニュー内にある。

 カスタム設定もできるホワイトバランス、ISO感度、測光パターンの他、連写、さらに彩度、コントラスト、シャープネスの強弱もセット可能だ。

 メニューのデザインは他のサイバーショットと共通のものとなっている。

サイバーショット共通の下の段に一列に項目が並び、選択された項目の選択肢が左に縦に並ぶというメニュー

 液晶モニタは大きな2.5インチ。リアルタイムヒストグラム表示機能も持っている。モニタの上には光学ファインダもあるが、ハイエンド機としては視度補正ダイヤルくらいつけて欲しかったところだ。

 液晶モニタが大きいのは、撮影時とともに再生時も生きてくる。特にV3はジョグダイヤルでコマ送りができる上に表示が高速なので、プレビューの閲覧が快適なのだ。

背面のモニタは2.5インチであり、非常に大きい。CFとメモリースティックの切替スイッチにも注目

 記録メディアはメモリースティックとCFカード(TypeIのみ)のデュアルタイプ。グリップの底に両方のスロットを持っている。両者のメディアは背面のスイッチで切り替えるので、いつでも好きな方に変更できて便利だ。さらにメモリースティックとCFで撮影画像のセッティングを変えられれば、使い分けられてより面白い使い方ができたかもしれない(軽いスナップやメモは300万画素相当でメモリースティックに、気合いを入れた写真は700万画素相当でCFに記録するとか)。

 バッテリーはRタイプのインフォリチウムバッテリーー。画面に残り時間の目安がでるのはありがたいし、決して大きなバッテリーではないのだが、撮影枚数もCIPA基準で約300枚の撮影が可能だ。充電は本体に直接ACアダプタをつないで行う、本体内充電である。

グリップの底には2つのメディアスロットとバッテリースロットが並ぶ

オーソドックスなマニュアル系ハイエンド機としてのまとまりがある

 撮影時重量が約410グラムとやや大ぶりでずっしりしているが、その分グリップもしやすくて安定しており、じっくりと撮影ができるハイエンド機っぽいV3。ソニーは今までもこのクラスのオーソドックスなマニュアル系デジカメを出してきたが、その中でもV3は一番扱いやすく、シャッターも押しやすくてしっかり撮れるモデルだと思う。

 撮影機能はナイトフレーミングやナイトショットを除けば非常にオーソドックスで、もうちょっとデジタルならではの凝った機能(もっと細かい絵作りのカスタマイズや、グリッド表示、ホワイトバランスブラケットなど)があってもいいくらいだけれども、アクセサリシューや外付けストロボをつなげられるACC端子、コンバージョンレンズ対応など拡張性もあり、マニュアル系の撮影も可能な本格的なデジカメが欲しいけれども、2/3インチの800万画素機はちょっと高価で、という人にほどよい、非常にまとまったデジカメだ。

DSC-V3、作例

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2025年12月11日 更新
  1. 無料で使える! ChatGPTで「Photoshop」「Acrobat」「Adobe Express」が利用可能に (2025年12月10日)
  2. Wi-Fiルーター「Aterm」のふるさとはどんな場所? NECプラットフォームズ掛川事業所の歴史に触れる【前編】 (2025年12月09日)
  3. “現行で最も明るく、最も高精細”をうたうサングラス型ディスプレイ「VITURE Luma Ultra」の実力をチェックする (2025年12月09日)
  4. AMDが超解像技術「FSR」を“Redstone”にアップデート フレーム生成やレイトレーシングのパフォーマンス向上を実現 (2025年12月10日)
  5. Wi-Fiルーター「Aterm」のふるさとは先端技術の“試験場” NECプラットフォームズ掛川事業所の中核工場を見てきた【後編】 (2025年12月10日)
  6. 「電卓+ギター」という発想で生まれた電子楽器「KANTAN Play Core」 インスタコード・ゆーいち氏の新作 楽譜が読めなくても“音ゲー”感覚で弾けた (2025年12月11日)
  7. サングラス型ディスプレイ「VITURE Luma Ultra」の周辺デバイスを試す 独自のネックバンド型Androidデバイスや“Switch 2”と接続できるドックで拡張性アップ (2025年12月10日)
  8. マウスコンピューターが「パソコンは早めに買って」とアナウンス Webサイトは接続困難に (2025年12月11日)
  9. 「Plaud Note Pro」実機レビュー 画面搭載で何が変わった? “付ける”NotePinとの決定的な違い (2025年12月11日)
  10. 作品を邪魔しない“黒子”に徹するMRガイドとは? アルテピアッツァ美唄でカディンチェが示した「日本的DX」の形 (2025年12月10日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー