今回追加されたNetPocketシリーズの新モデルは、「LHD-NAS120V」、「LHD-NAS160V」、「LHD-NAS250V」の3モデル。それぞれの違いは、内蔵されるHDD容量のみで、それ以外の仕様は全て同じとなっている。ちなみに今回試用したLHD-NAS250Vには250GバイトのHDDが内蔵されている。
ネットワーク機能だけでなく、NASのシステム自体も大幅に機能強化されている。従来モデルでは、登録可能ユーザー数が256ユーザー、グループ数が64、最大共有フォルダ数が32となっていたが、新モデルでは登録可能ユーザー数が1024ユーザー、グループ数が1024、最大共有フォルダ数が64と、それぞれ強化された。
これだけのユーザーやグループを管理できるなら、個人やSOHOユースはもちろんのこと、企業ユースにも十分対応可能と言っていい。もちろん、ユーザーやグループごとにアクセス制限をかけたり、利用できる容量の上限などを設定できるため、セキュリティ面も申し分ない。
また、本体前面に登録サーバー名や割り当てられているIPアドレスなどの情報を表示する液晶ディスプレイが新たに用意されている。これにより、複数のNetPocketを設置した場合でも、個別の管理がやりやすくなっている。
さらに、本体背面にはシリアルポートが用意され、UPSを接続して利用可能となった。何らかのトラブルで電源供給が遮断された場合でも、UPSを接続しておけば安全にシャットダウンが行えるため、保存データの安全性も向上する。
管理するユーザーやグループなどが増えたことにより、NASでの処理量も増えることになった。しかし、新モデルのNetPocketでは、搭載するCPUやメモリ量を強化することによって、処理量の増大に対処している。
従来モデルでは、ボックス内に、CPUとしてVIA-C3 533MHzが搭載されたEdenシステムが採用されていたが、新モデルでは、CPUがVIA-C3 800MHzに強化されたEdenシステムが採用されている。ケース内には、Mini-ITX仕様のEdenシステムがそのまま搭載されており、仕様的には小型PCといった雰囲気となっている。
Edenシステムボード上には、CPUやチップセットに加え、メモリスロット、2ポートのIDEポート、PCIスロットなどが用意されている。また、オンボード機能として、グラフィック機能、100BASE-TX対応のLAN機能、サウンド機能なども搭載されている。メモリは、256MバイトのPC2100 DDR SDRAMが搭載されていた。
ちなみに、1000BASE-T対応のネットワーク機能はオンボードでは搭載されておらず、PCIスロットに拡張カードを取り付けた形で実現されていた。利用されているチップはRealtekのRTL8169Sであった。
そして、このEdenシステムには、一般的なPCのマザーボード同様、シリアルポートやパラレルポート、LAN、VGA、USB、PS/2、サウンド関連などの各種コネクタが用意されているが、従来モデルではこのうちのほとんどのコネクタがアクセスできないように隠されていたものの、新モデルでは、内蔵LANおよびPS/2ポート以外は隠されておらずアクセス可能となっている。そして実際に、背面のVGAポートにディスプレイを、USBポートにキーボードを接続して起動してみたところ、一般的なPC同様にBIOS画面が表示され、操作も可能だった。NASとはいえ、その中身は純然たるPCと言うわけだ。
CPUの強化とメモリ搭載量の増量によって、機能が向上したにもかかわらず、前モデル同様の高いパフォーマンスを確保している。ただ、CPUの動作クロックが向上したため、CPUに空冷ファンが取り付けられ、電源の空冷ファンと加え、やや騒音が大きくなっている点だけが少々残念なところだ。
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