厚さ28ミリで5倍ズームを持つコンパクトデジカメ――Optio SV(1/3 ページ)

» 2004年11月29日 12時00分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

 あれ? 今度のOptio Sは分厚くなったじゃん。なんで? と思ったら、なんとレンズが5倍ズームになっていた。そんな驚きのデジカメが「Optio SV」だ。カードサイズで超薄型のOptio S5iに比べて幅が7.5ミリ、高さが4ミリ、厚さが7.5ミリ大きくなっただけなのだ。厚さ28ミリで5倍ズームというのはほかにはなく、重さも150グラムと非常に小さい。

 最近のペンタックスは独自性が高いユニークなデジカメを続々と発売しているが、Optio SVもその一つと言っていいだろう。

カードサイズの「OptioS5i」と変わらないサイズで5倍ズームを実現したボディ
正面から見ると超小型カードサイズデジカメ。レンズ脇に黒いラバーがあり、おかげでグリップしたときでも滑らずに安定する

レンズスライディングシステムによる薄型5倍ズーム

 レンズは沈胴式でペンタックスならではの「スライディング・レンズ・システム」によって、沈胴時にレンズ群の一部を縦にスライドさせて逃がすことでこの薄さを実現した。ズーム域は36-180ミリ相当で望遠側がかなり強力になっている。明るさはF2.8-4.7と一般的なコンパクトデジカメのレンジだ。

ボディは28ミリ。そこから3段沈胴式の5倍ズームレンズが伸びてくる。各種コネクタも右サイドにある

 撮影距離はマクロモードで12センチ(ワイド端)から70センチ(テレ端)。さらにスーパーマクロモードにするとワイド端固定になるが3センチまで近寄った撮影が可能だ。面白いのは「フォーカスリミット」機能。普段はオンになっているが、これをオフにすることでシームレスマクロが可能になる。AFにかかる時間がちょっと長くなるが、シームレスになるメリットは大きいのだ。

 CCDは1/2.5インチの有効画素数500万画素で、ISO感度は50-400。画質はCCDが小さいためダイナミックレンジこそ狭めだが、シャープで色がはっきり出ているメリハリ系のタイプ。ノイズもISO200くらいまでなら実用レベルといえそうだ。

 さすがにこのサイズに5倍ズームレンズを納めたため、レンズのクオリティはそう高いとは言えないし、オートホワイトバランスの補正具合がやや不安定なのが気になるくらいだ。いい条件なら非常にクリアな絵が得られるし、多少気になったらISO感度やホワイトバランス(カスタム設定機能もある)、彩度・シャープネス・コントラストを調整することで絵作りもできるし、PICTモードを使ってもいい。

 ただ気になるのは、製品のスペックを見ると「常時携帯できてなおかつ5倍ズームで望遠撮影もOK」という路線だと思うのだが、起動がやや悠長なことだ。実測で約3.8秒。常時携帯系を狙うのならなんとか3秒以下に抑えてほしかった。そこが残念。

小さいけれどもペンタックスらしい豊富な撮影機能

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