では、Athlon 64とNVIDIA SLIが、いかほどのパフォーマンスを叩き出すのか。CPU、マザー、二枚のグラフィックスカード、といろいろな組み合わせが可能であるので、それぞれの組み合わせでパフォーマンスがどのように変化するのか興味あるところだ。
まずは単純に、Pentium 4で構成できる(価格的に)最もハイエンドなシステムと、Athlon 64で構成できる最もハイエンドなシステムとで、3D描画のパフォーマンスを比較してみよう。
「Pentium 4で構成できる最もハイエンドな」CPUとGPUの組み合わせは、FSB1066MHzに対応するPentium 4 Extreme Edition/3.46GHzとDDR2-533にRADEON X800XT Platinumの組み合わせになるだろう。対するAthlon 64を基幹とするシステムは、Athlon 64 FXシリーズの最上位モデル「Athlon 64 FX-55」とPC3200にGeForce 6800 GTをSLIで二枚組み合わせたシステムになる。
CPUとメモリ、そしてGPUだけの購入価格を見ても、インテルのシステムは12万円+6万円+8万円=26万円。AMDのシステムは10万円+3万円+5万円×2=23万円と、どちらもなかなかの「大人買い」コースになる。この夢のシステムで3Dベンチの定番「3DMark03」「3DMark05」をまわしてみた結果が以下のグラフだ。
ベンチマークシステム環境その1 | |
CPU | Athlon 64 FX-55 |
マザーボード | ASUS A8N-SLI Deluxe |
メモリ | PC3200/512MB×2ch |
HDD | ST3160023AS |
OS | Windows XP Professional +SP2 |
ベンチマークシステム環境その2 | |
CPU | Pentium 4 Extreme Edition/3.46GHz |
マザーボード | Intel D925XECV2 |
メモリ | DDR2-533 512MB×2ch |
HDD | ST3160023AS |
OS | Windows XP Professional +SP2 |
さすがに、Athlon 64 FX-55とGeForce 6800 GT SLIのタッグのパワーは破壊的で、3DMark03では1万6000の大台を突破。3DMark05では、03ほどの差はつかなかったものの、それでもスコアを6000台に載せている。重い重いと思っていた3DMark05が、“sakusaku”動いてしまうのを目の当たりにするのは、ある種「感動」ですらあった。
面白いのは、3DMark03にしろ3DMark05にしろスコアに関係してくるGTテストのそれぞれで、「Pentium 4&RADEON X800XT PT」と「Athlon 64&GeForce 6800GT SLI」の優劣に際立った違いが見られることだ。
3DMark03では、比較的軽めのGT1でPentium 4&RADEON X800XT PTが優位、そして最も複雑なGT4ではAthlon 64&GeForce 6800GT SLIが優勢ながらその差はそれほどでもない。ところが、データ量的に重いとされているGT2とGT3ではAthlon 64&SLIが圧倒的といっていいほどの大差をつけている。
逆に3DMark05では、GameTestのなかで最も軽いとされているGT3でAthlon 64&SLIが圧倒的な優勢を示し、最も重いとされているGT2でほぼ均衡、GT1ではPentium 4&RADEON X800XT PTが優位になっている。
とはいえ、「絶対的パフォーマンス」という観点でAthlon 64&SLIのパワーが絶大であることに、何ら疑問をはさむ余地はないっ、といっていいだろう。
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