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» 2005年01月09日 11時50分 公開

日本市場に合ったWindowsプラットフォームを〜MS古川氏が改善を明言〜2005 International CES(2/3 ページ)

[本田雅一,ITmedia]

 「三つの分野に関して専任者を置いて取り組んでいます。ひとつはPCベンダーが、なぜMCEを採用してくれなかったのか。きちんとPCベンダーからの意見を吸い上げて対応していくためです。

 もうひとつは、テレビ局や放送関係のビジネスをしている人たちとの意見交換を十分に行わなかった。最後に販売店やエンドユーザーが、MCEについてどのように感じているのか。何を必要としているのか。これまで漠然と捉えて進めてきた部分にきちんと対応していくことで、製品を改善しようとしています」。

 「具体的な開発体制も変わります。これまで日本語版MCEの開発は、1〜2人の担当者が必死で英語版のローカライズを行っていました。これをきちんとしたチーム体制を行うため、やる気のある人間を社内から集めているところです」。

MCEのユーザーインタフェースを再考する

――日本のメーカーが、MCEに真剣に取り組まなかった理由は何だと思いますか?

 「それは、リモコンユーザーインタフェースやメディアのネットワーク配信などの機能を、(各メーカーが)製品を差別化する要素として捉えていたためでしょう。MCEを採用すると、他社と同じになってしまいます。逆に、より良いものを作れば、首位に立つこともできる。かつてのワープロ専用機と同様の状況です。

 しかしワープロ専用機は、ユーザーインタフェースやファイル形式、周辺機器が各社ごとに違うといった問題もありました。MCEの持つ機能も、各社独自に実装するべきか、それともOSに内包して仕様の統一を行う方がいいのか。それは、今後、お客さんが判断していくことになるでしょう」。

 「また、MCEのユーザーインタフェースが優れているといっても、トータルのユーザー体験がハイレベルかと言えば、そうではない部分もあります。たとえばDVDの作成をしたいと思えば、オプションでDVD記録用プラグインを買わねばならず、しかも最大4倍速でしか書き込めない。今時、4倍速記録しか出来ないのではパソコンのDVD作成機能として明らかに不十分です。MCEの開発部隊は、日本のユーザーをなめすぎていました」。

――日本のメーカーが独自に実装した機能やユーザーインタフェースは、ソフトウェアの品質として必ずしも高くなかった。おそらく、そのことはメーカー自身も気付いているでしょう。MCE 2005ではマイクロソフトもかなり努力の成果を見せたと思いますが、それでも彼らはMCEを使わない。この状況をどのように分析していますか?

 「独自に作って、それでうまく行かないと気付いたけれども、今さらMCEに向かうことは出来ず、デジオンのDiXiMの採用に向かっているというのが現状でしょう。今では、ほとんどのメーカーがDiXiMベースになってしまいました。中身はほぼそのままで、表層部分の薄皮を一枚カスタマイズしただけの実装も多い。このことにわれわれが学ぶことも多いと思います」。

 「たとえばMCEに関して、マイクロソフトはユーザーインタフェースデザインの変更を一切認めてきませんでした。背景が青であることも、その上に表示されるボタンが緑であることも、すべて必須で変更できません。果たしてそうした方針が正しいのか。われわれはもう一度、学ばなければなりません。

 同様に、日本の家電製品の、デジタルチューナーとの連携やかゆいところに手の届くような機能の実装についても、もっと自分たちの製品に取り込むべきところが多くあると思います」。

 「さらに、マイクロソフトに対して辛口でMCEを評価するならば、映像や音などのAV品質面で、日本の家電メーカーが求める水準に達していなかったという面もあります」。

――MCEも2005になり、接続するディスプレイやプロジェクタをキャリブレートする機能を付加したり、あるいはビデオ表示にVMR(Video Mixing Renderer)を利用するなど、映像品質を高めるための“基盤”は用意されました。その上で、まだ何か必要なことがあるとお考えですか?

 「たとえば、高品質のビデオレンダリングを行うドライバのリファレンスをマイクロソフトが提供するなどして、PCの映像品質全体を底上げするなどの努力が必要だと考えています。また、さまざまな技術を整理、統合して単一のユーザーインタフェースや使い勝手、接続性を提供するように改善しなければなりません」。

敵対関係ではなく協力関係を

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