いくらセキュリティ性を高めても、その中に使いやすさがなければ利用者に苦痛を強いるばかりになってしまう。特にネットワーク絡みの設定は、かなり面倒な作業を伴うため、初心者などはかなり戸惑ってしまう。
そこで用意されているのが「ConfigFree」というアプリケーションだ。従来のdynabookシリーズでもおなじみのユーティリティだが、新型dynabook SSシリーズには、新機能を追加した最新バージョンがインストールされている。
従来モデルにインストールされているConfigFreeと同様に、有線LANや無線LANの自動切り替えはもちろん、利用環境に応じたプロファイルを用意することで、簡単にネットワークの設定を変更できる。
また、ネットワークに正常に接続できない場合に、どこに問題があるのかを検証し、ウィザード形式でトラブルへの対処法をアドバイスしてくれる機能も用意されている。
この辺りは従来バージョンにも用意されている機能だが、最新バージョンではユーザーインタフェースが一新され、より使いやすくなった。新機能も追加されている。それが「SUMMIT」だ。
SUMMITは、ローカルネットワークに接続されているユーザー間で簡単にファイルをやりとりできるようにする簡易P2P機能。P2Pは、インターネットを介した違法ファイルのやりとりなどばかりにスポットライトが当たり、ダークなイメージがつきまとっているが、実際には非常に便利な機能である。社内でのファイル転送やファイル共有などに利用すれば、作業効率を大いに高められるはずだ。しかも、P2Pソフトやメッセージングソフトを別途インストールする必要がないという点は、企業ユースにおいては見逃せないポイントではないだろうか。
非常に高い携帯性に加え、デスクトップPC並のスペックと高いセキュリティ性も兼ね備える新型dynabook SSシリーズは、モバイル用途はもちろん、メインマシンとしても十分活用できる。オフィスでは机上のメインマシンとして利用しつつ、外出や社内の会議室・他部署での打ち合わせなどにも躊躇なく持って行こうと思えるマシンだ。
だが、オフィスでメインマシンとして利用するケースでは、ACアダプタはもちろん、LANケーブルや外付けマウス、外部ディスプレイなど、さまざまなケーブルや周辺機器を接続する場合が多い。このため、モバイル用途に活用しようとするたびごとに、各種のケーブルを抜き差しするという面倒な作業が待っている。
これを回避するためにオプションで用意されているのが、「アドバンスト・ポートリプリケータIII」だ。ポートリプリケータIIIには、シリアルやパラレル、USB、LAN、RGBおよびDVI(使用の可否は接続するノートPCに依存)、PS/2、ACアダプタなど、必要な端子のほぼすべてが用意されている。このため新型dynabook SSシリーズにポートリプリケータIIIをドッキングすれば、デスクトップPCと同様の使い勝手が実現できる。
もちろんポートリプリケータIIIの着脱は、PCの電源が入ったままでも可能だ。つまり、オフィスの机上で利用する場合に接続するケーブル類すべてをポートリプリケータIIIに接続しておけば、ポートリプリケータIIIを外すだけでモバイルできるようになり、機動性が飛躍的に高まる。ビジネスシーンでは必需品と言ってもよいだろう。
モバイルノートPCを選択する場合、本体の機能や携帯性ばかりに目が向いてしまうが、高いセキュリティ性や、付属ユーティリティやオプション類を利用した利便性も非常に重要なポイントとなる。いくら本体の完成度が高くても、セキュリティ性や実際に使う上での利便性が考慮されていないようでは、モバイルノートPCとしての魅力は半減してしまう。
新型dynabook SSシリーズは、そういった部分までしっかりと考慮されている。特にビジネス用途で利用するマシンとしては、他を圧倒する魅力があると言っても過言ではないだろう。
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