IntelのデュアルコアCPUは「Pentium D」に

» 2005年03月02日 09時34分 公開
[IDG Japan]
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 Intel自慢の「Pentium 4」のブランド名は2000年以来、同社の主力デスクトッププロセッサの名前として使われてきたが、同社初のデュアルコアデスクトッププロセッサの立ち上げにより引退することになる。Intelが3月1日、Intel Developer Forum(IDF)で明らかにした。同社はまた、マスコミ・アナリスト向けブリーフィングで第1弾のデュアルコアプロセッサの一部機能を概説した。

 Intelは今年後半にデュアルコアプロセッサ「Pentium D」を投入する。このプロセッサはコードネームで「Smithfield」と呼ばれていたもので、1個のプロセッサ上にPentium 4コアを2つ搭載すると、Intelデジタルエンタープライズ部門副社長兼ジェネラルマネジャー、ステファン・スミス氏は語った。

 2004年半ば以来、Intelは複数の処理コアを1個のシリコンチップに搭載したプロセッサを投入するという全社的な戦略に着手してきた。このように、シングルコアプロセッサのクロックスピードを着実に高める方針から転換することで、同社は高クロックのシングルコアプロセッサに伴う熱問題を克服せずともプロセッサの性能を高めることができる。

 マルチコアプロセッサを搭載したPCやサーバは、複数の命令を並行して実行できるとスミス氏。これは、ウイルススキャン、ビデオ編集、マルチメディアストリーミングなど複数のアプリケーションを同時に動かすデジタルホーム・デジタルオフィス向け次世代PCにとって極めて重要だとも同氏は語った。

 Pentium Dは今年後半にIntelチップセット技術とともに登場する予定。スミス氏によると、複数の命令スレッドを同時に実行するハイパースレッディング技術は、第1陣のPentium Dには搭載されないという。

 Pentium Dは2つの実行コアを搭載し、2次キャッシュには1Mバイトのバンクを2つ備えると同氏は説明する。2つの実行コアは、1つの800MHzのフロントサイドバスを共有する。

 また既報の通り、Intelはデュアルコアの「Pentium Extreme Edition 840」を4〜6月期にリリースする。このプロセッサは、Intelの最も高額なデスクトッププロセッサに進んで高い金を払うゲーマーをターゲットとしており、クロックは3.2GHz、それぞれのコアが1Mバイトの2次キャッシュを持つ。

 Intelは最初の65ナノデスクトッププロセッサ(コードネーム「Cedar Mill」)では、シングルコアに戻る予定だ。Cedar Millは65ナノプロセス技術で製造される2番目のIntelプロセッサとなる。最初の65ナノプロセッサは、以前に発表されたデュアルコアモバイルプロセッサ「Yonah」で、2005年10〜12月期にリリースされる。

 2006年前半にはCedar MillとともにPreslerが登場する。Preslerも65ナノプロセッサだが、2つのCedar Millプロセッサを1つのパッケージに搭載する。Pentium Dのように1つのプロセッサ上に実行コアを密に統合するのとは違ったものになる。

 サーバ方面では、最初のデュアルコアXeon(コードネーム「Dempsey」)が2006年1〜3月期に出荷開始される。Dempseyは65ナノプロセス技術で製造されるとスミス氏。

 4ウェイ以上のプロセッサ向けの初のデュアルコアXeon MPは、「Paxville」というコードネームで呼ばれている。サーバ市場のハイエンドの方では比較的緩やかなペースで変更が行われ、Intelは既存の90ナノプロセス技術でPaxvilleを製造する予定だ。このプロセッサは2006年1〜3月期に登場する見込み。初の65ナノXeon MP(コードネーム「Whitefield」)は2007年の投入を目指しており、同時期に投入予定のItanium 2「Tukwilla」と同じチップセット技術を利用できる。

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