NT9000proを最初に手にして思うことは、その機能に反して意外と思えるほど筐体がコンパクトで軽量であることだ。もちろん常時屋外に持ち出すようなサイズと重量ではないが、この程度の機能を持たせたノートPCは大抵4キロ前後であるのに対してNT9000proは3.1キロであるし、筐体の厚さも35ミリとスリムだ。同社のB5モバイルノートであるNT340の厚さが最厚部で31ミリなのだから、機能を比較するとNT9000proが35ミリであることは驚きでもある。
高い剛性も評価したいポイントの1つ。開いた状態でもパームレスト部やキーボード部にまったくたわみは感じないし、開いたまま片手でパームレスト部を持ち上げるような、少々無理な力が掛かるようにしてもきしむことはない。
大型のノートPCは頻繁に持ち運ぶことを考慮していないためか、意外なほど剛性に不安を感じる製品が多いのだが、NT9000proには当てはまらない。安心感と共に所有欲を満たすという意味でもこういった点は重要だ。
横幅が一般的なA4ノートより長いもあって、キーボードは19ミリピッチを余裕で確保している。[Enter][BackSpace][SHIFT]といった利用頻度の高そうなキーもデスクトップPC向けのキーボードと同等のサイズだし、カーソルキーも逆T字配列で最前列のほかのキーよりわずか前方に引き出すことで独立性も確保している。少々窮屈なピッチになっているが、右側にも[ALT][CTRL]キーが配置されている。
キーボードで気になったのは、十分にスペースが確保できるはずなのに[Fn]キーの併用が多いことだ。ディスプレイの明るさ調整やボリューム操作などの特殊機能はともかく、このサイズのノートPCならば[Home][End][PgUp][PgDn]といったキーは独立させて欲しい。また3ミリと十分なストロークを確保しているが、少々がさつなタッチのようにも感じた。
フラットパッドはパームレスト部に対してわずかに低くなっており、タイピング中に指がパッドに触れてしまうのを防止してくれるデザインだ。またワイドディスプレイモデルに合わせてか、パットが横長なのも面白い。
このサイズのノートPCにはめずらしく、インタフェースは完全にレガシーフリーされており、シリアルポートはもちろんパラレルポートも持たない。
今となってはこのことを問題視する人は少ないと思うが(パラレルポートを使うドングルはほとんど見かけなくなった)、USBポートが正面から見て背面左寄りに4つ、左側面に1つというレイアウトにはちょっと使いにくい。DTRとして利用するユーザーはマウスの利用頻度も高いので、右側面にもUSBポートが1つは欲しいところだ。
カードスロットに関して不満はない。PCカードスロット(type II)に加え、SD、MMC、メモリースティック(PRO対応)に対応する3メディア共用のメモリカードスロットも備える。これに加えてExpressカードスロットも備えており、将来的な拡張性も確保されている。
NT9000proの魅力を簡単にまとめるなら、まずは高精細ディスプレイとスリムボディを外すことはできないだろう。このクラスのノートPCにとってスリムであることにどれだけのメリットがあるかどうかは難しいかもしれないが、それでも、見た目の美しさに繋がるのだし、筐体デザインのために機能のなにかを犠牲にしていることもない。
剛性の高さ、ひいては作りのよさも魅力。実のところスリムで(つまり無駄に大きく重くない)ことが結果的に剛性の高さを生んでいる感もある。そういう意味ではNT9000proのスリムさは機能美といえなくもないだろう。
エプソンダイレクトらしい自由なカスタマイズも健在で、超高解像度ディスプレイを選択してほかは最小構成で、といった構成も可能だ。機能面を重視してノートPCの購入を考慮している人には、購入候補に上げてほしい1台が登場したと言えそうだ。
PCMark04 Results | |
PCMark | 3946 |
CPU | 3836.0 |
Memory | 3254.0 |
Graphics | 2447.0 |
HDD | 3204.0 |
WMV Video Compression | 46.0 |
DivX Video Compression | 57.0 |
3DMark05 Score | |
1024×768ドット、nonAA、nonAniso | 1744 |
1024×768ドット、4xAA、8xAniso | 1377 |
1600×1024ドット、nonAA、nonAniso | 1275 |
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