最近流行りのキューブ型はPentium Mに対応したタイプ。テスクトップPC向けCPUにくらべて動作クロックは低いものの、パフォーマンスは負けず劣らず。クロックが低いということは熱が出ない、熱が出ないということは音も静か、と小さいキューブ型PCに組み込むにはもってこいのCPUであるのは、多くのユーザーが理解しているところ。
もともと、ノートPC向けCPUであるPentium Mだが、デスクトップPCでも使えるように、Socket479とノートPC用チップセットを搭載したATX/micro ATXマザーが昨年から登場して、静音性能を重視する自作ユーザーに注目されてきた。
最初は工業用の値の張る製品がごく少数店頭に並ぶだけだったのが、昨年末にAOpenとDFIからコンシューマー向けの低価格マザー(とはいっても3万円近くする)が登場するなど、Pentium Mを組み込んだPCをより多くのユーザーが利用できる状況になりつつある。
いち早く低価格Pentium Mマザーを投入したAOpenは、もっと早い時期からPentium Mに対応したベアボーンキットを市場に投入している。デスクトップ向けパーツを組み込んだノートPCベアボーンを積極的に展開しているAOpenが、ノートPC向けパーツを利用したデスクトップ(キューブ)PCベアボーンも積極的に取り組んでいるのは面白いところ。
ちなみに、Pentium M対応ベアボーンとコンシューマー向けマザーボードは日本からの強烈な働きかけによって実現したものと聞く。「日本の特殊なPC事情になかなか耳を傾けてくれない」と日本スタッフが嘆いてしまう台湾ベンダーが多いなか、日本の意見を採用して製品化するAOpenは「なかなか分かる」ということだろうか。
さて、こうして盛り上がりつつあるPentium Mの自作事情だが、肝心のPentium Mは2005年になって新世代ともいうべきFSB 533MHz対応が登場した。チップセットもPCI Express対応のIntel 915Mファミリーが登場して、バス、メモリ、そして統合するグラフックスコアなど新しい規格に対応するようになった。
今のところ、Pentium Mを搭載できるデスクトップPC向けコンシューマーマザーは従来モデルのIntel 855GME搭載のものがほとんど(AOpenのIntel 915GMを搭載したATXマザー「i915GMm-HFS」の展示は始まっているいるのだが……、執筆時点で発売はまだ)。
Intel 855/852マザーでは、FSB 400MHzに対応した従来のCPUしか搭載できない。しかし、マザーボードベンダーは「独自の技術」によって、Intel 855/852を搭載したまま、BIOSの改良などでFSB 533MHzに対応する製品を登場させている。
AOpenからも、FSB 400MHz対応マザー「i855GMEm-LFS」の後継として同じIntel 855GMEとICH-4Mを搭載したi855GMEm-LFS(533)が登場。そしてベアボーンでもIntel 855GMEマザー「UX855GME」を組み込んだEZ855の後継として「EZ855-II」を発表。ようやく店頭にも姿を見せ始めている。
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