このdx2000 STは、第2回目で取り上げたdx6100の下位モデルにあたり、日本HPのデスクトップPCではエントリー向けの製品に位置づけられる。CTO(注文仕様生産)に対応しているので購入時にスペックの変更が可能だが、最小構成の価格で57,540円と非常に安価なのが魅力だ。実際、同社製PCの中で最も人気が高いモデルで、出荷台数も多いという。
低価格なエントリー機というと、どうしても安かろう悪かろうというイメージがつきまとうが、本機の場合はどうだろうか。
まず注目したいのは、細部まで作り込まれたスリムタイプのボディーだ。外装は黒と銀色のツートーンカラーで彩られており、丸みを帯びた前面のデザインは落ち着いた印象を受ける。ケースの剛性は十分で、質感も悪くない。
特筆したいのはメンテナンス性の高さで、サイドカバーはレバー操作だけで取り外せ、内部へのアクセスも容易に行なえる。また、拡張カードやドライブ類はいうに及ばず、マザーボードも工具を使わずに着脱できるのがポイントだ。これにより、個人ユーザーにはパーツの増設・交換といった作業が簡単にすむというメリットが、ビジネスユーザーには、万が一内部のパーツが故障した際も修理の時間が短くてすむため、業務に支障をきたさないという利点が生まれる。
日本HPのデスクトップPCは全モデルでツールレス設計を導入ずみだが、エントリー機でも手を抜かないこだわりは高く評価したい。そのぶん、容積は約13リットルと目を引くほど小型ではないが、省スペース性に不満はない。ただ、底面がなだらかな丸みを帯びているため、縦置き時はスタンドが必須となる点は覚えておきたい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.