お恥ずかしい話だが、私、今までMacを触ったことがほとんどなかった。これまでMacにまったく興味がなかったというわけではない。Windowsユーザーって、口には出さないものの、Macに対してけっこうコンプレックス持っていたりする。憧れの君、と言ってしまってもいいかもしれない。
周りにMacを使っている友人も少なからずいるが、彼らに「もはやMacじゃなければ使えないソフトもほとんどないし、もうそろそろこっちサイドにおいでおいで」と言いつつ、「機会があればそちらの世界にもいってみたい」という想いでいっぱいなのである。
仕事上でMacが必要、ということがなかったのもあって、今ひとつ踏ん切りがつかない、というあたりが「この歳になってMacヴァージン」である理由だったりもする。
なら、さっさと買ってしまえばいいのに、と思ったあなた。それもそうなのだが、それにはやはり先立つものが必要。きちんと使えるものを用意しようと思ったら結構な金額になってしまうのだが、そう簡単に予算を捻出できるわけでもなく、時間だけが流れていった。
そんなこんなで2005年に突入。いきなり強烈なニュースがサンフランシスコから飛び込んできた。「Macworld Conference&Expo San Francisco 2005」で発表された新モデル「Mac mini」だ。
165ミリ角に厚さが50ミリ少々、約1.3kgというの超軽量コンパクト筐体に、PowerPC G4、メモリ、HDD、光学ドライブなど必要な機能がすべて詰め込まれている。サイズからは考えられないほど本格的なマシンだ。
秀逸なデザインはボクのMacコンプレックスをいたく刺激してくれた。無用な装飾は一切なく、サイドはシルバーで統一。天板は白が基調で中央にシルバーでリンゴマーク。各種コネクタが用意されている背面を見なければ、これが“パソコン”だとは誰も思わないようなデザイン。こんなことができるのはアップル以外にないだろう。
たしかに、Mac miniに近い大きさのWindowsマシンも存在する。でも、ここまでのデザインが施されたPCはどこを見渡してもない。この時点で私はMac miniにかなり惹きつけられてしまった。
そう、これこそがWindowsマシンにはないMacの魅力なのだ。もちろん、それは“パソコン”であり、WindowsだろうとMacだろうと、できることに大きな差はない。しかし、物欲というか所有欲というか、心に訴えかけてくる部分には大きな隔たりがある。口ではいろいろ言っていても、WindowsユーザーはMacのこういった部分にコンプレックスを抱いているのである。
しかも、さらに衝撃的なのがその価格。最小構成時で5万8590円とは何という安さ。これまでのMacからは考えられないような価格。これなら私にも十分手が届く範囲だ。そう思うと居ても立ってもいられなくなった。というわけで、根っからのWindowsユーザーでMac初心者のボクがMac miniを手にしてどうなったのか、その顛末を紹介していこう。
はやる気持ちを抑えつつ、パッケージから取り出したMac miniの第一印象は、やはり「うわ、めちゃくちゃ小さいぃ」。もちろん、アップルストアなどでMac miniの実物を見てその小ささは確認済みだったが、やはり何度見てもこのサイズは圧巻だ。
また、シルバーの側面に白の天板、天板の中央にはおなじみのリンゴマーク。今さら言うまでもなく、アップルのデザインセンスはすばらしいが、その中でもMac miniは群を抜いているのではないだろうか。まだ箱から取り出しただけなのに、これだけ気分が高揚するWindowsマシンははっきり言ってない。これがMacを持つという気分なのだろか。
っと、ここでMac mini本体を取り出した箱の底に鎮座する、やけに大きな物体が気にかかる。そこから出てきたのはACアダプタ。やけにでかくないか、これ。Mac mini本体の4分の1ほどの体積があるのでは? ACアダプタは目につくところに置くような物じゃないかもしれないけど、こういった部分までスマートな作りになっていて欲しかったという気がする。
ただ、これだけ小さな本体に電源部分を内蔵させるってわけにもいかないだろうし、安定動作のためにはある程度余裕を持って給電できる必要もあるわけで、しょうがないところか。
パッケージに入っているのは、Mac mini本体とACアダプタ、DVI-VGA変換アダプタ、そしてリカバリ用や「iLife '05」などのディスクが数枚とマニュアルのみでシンプル。キーボードやマウスはもちろん、ディスプレイ接続用のケーブルも用意されていない。
手持ちのキーボードやマウス、ディスプレイは手持ちのものをそのまま使ってください、っていう意味で、まさしくWindowsマシンユーザーを意識したパッケージ内容で、ある意味潔い。
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