今回紹介するGA-K8NMF-9はギガバイトのSocket939対応micro ATXマザー。同社のマザーボードに「GA-K8NF-9」という製品があるが、型番から推察できるようにそのmicro ATXバージョンである。
Socket 939対応のmicro ATXマザーというだけでも珍しいのに、GA-K8NMF-9(そしてGA-K8NF-9も)は「nForce4 4X」という耳慣れないチップセットを搭載している。NVIDIAはnForce4 4Xを正式に発表しておらず、公式な詳細スペックは明らかにされていない。
ギガバイトのWebサイトには未だGA-K8NMF-9を紹介するページが用意されていないが、GA-K8NF-9の製品情報によると、Serial ATAインタフェースの転送速度は、nForce4の上位モデルでサポートしてる3.0ギガビット/秒ではなく旧来の1.5ギガビット/秒となり、セキュリティ機能もnForce4上位モデルで実装されている「ActiveArmor」は省かれている(その代わり、GA-K8NMF-9にはNorton Internet Securityが同梱される予定)。
これだけを見ると、既存のnForce4チップセットシリーズのバリューモデル「nForce4」(ノーマル)と同等の機能を有しているように思われる。NVIDIAにもギガバイトにもノーマルのnForce4とnForce4 4Xの違いを記した正式なドキュメントは存在しないが、一説によるとHyperTransportの転送速度がほかのnForce4チップセットが1Gビット/秒であるのに対し、800Mビット/秒と低く設定されているという。これが事実ならばIDEやUSB、IEEE 1394などに接続したデバイスが関係する性能に影響が出る可能性がある。
このように、機能を限定した廉価版チップセットを搭載したmicroATXマザーのGA-K8NMF-9であるが、盛り込まれた機能は準同型マザーのGA-K8NF-9同様充実している。サポートするCPUはSocket939に対応したAthlon 64とAthlon 64 FXで、メモリもこれらのCPUで使えるPC3200に対応。
Serial ATAを4ポート実装し、RAID 0、1、0+1の構築が可能。Ultra ATA/133も2ポート持つ。USB 2.0の端子は4つ(チップセットは6ポートまで対応)用意され、専用のコントローラをオンボードで実装することで、IEEE 1394b、ギガビットイーサにも対応する。
もちろんPCI Expressスロットも用意、グラフィックスカードを実装するPCI Express x16、そしてPCI Express x1をそれぞれ1つ、PCIスロットを2つ設けている。チップセットの冷却をヒートシンクだけで行う「ファンレス仕様」は静音性能を重視するユーザーに注目されている。
PCIスロットの拡張性以外、インタフェースなどのスペックはnForce4上位チップセットを搭載したマザーボードとさほど遜色ない。廉価版チップセットを搭載しているだけあって価格も安いことが予想され(原稿執筆時点ではまだ出荷されていない)、機能だけを考えれば実に魅力的な製品に見える。
となると、懸案になるのがnForce4 4Xと採用したことがパフォーマンスにどれだけ影響してくるのか、ということになる。そこで、同じNVIDIAのnForce4 SLI搭載マザーとベンチマークの結果を比較してみる。
テスト環境 | |
CPU | Athlon 64 3500+ |
メモリ | PC3200 512Mバイト×2 |
ビデオ | GeForce 6600GT |
HDD | 日立GST Deskstar 160Gバイト/7200rpm/Ultra ATA |
OS | Windows XP Professional(英語版) |
ServicePack2、DirectX9c |
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.