中国の娯楽中心的ゲーセン事情(1/2 ページ)

» 2005年08月01日 17時00分 公開
[山谷剛史,ITmedia]

中国女性にモテたいならゲームマスターを目指すのじゃ

 “遊戯中心”またの名を“電玩”とも呼ぶゲームセンターは中国のどこの街にもある。上海や北京といった国際的大都市だけでなく、地方の各省都やそれこそ人口2万人くらいの町にだってある。日本でいうところの「過疎地」のような寒村ですら見かけることがある。多くの中国国民にとって、ネットカフェよりもゲームセンターのほうがより日常的な存在なのだ。

 ゲームセンターの「基本料金」は1ゲーム5角(0.5元=約7円)。中国庶民の所得水準から考えれば「1ゲーム50円」の感覚になる。沿岸部と内陸部における所得差が激しい、といわれる中国だが、これなら内陸部の学生でもお手軽な額だ。

「われら青春!」が集うゲーセン

 しかし、よくよく考えれば、1回遊んでゲームオーバーとなればその台に投入したお金はそれっきり、となるゲームセンターは、30分1元を払えは時間内ずっとPCゲームで遊べるネットカフェより高くつく。

 しかし、それでもファミコン互換機に始まる歴史を持つコンシューマーゲーム機よりは安く遊べるわけで、コストパフォーマンスが何よりも大事と考える中国人にとって、中国におけるゲームセンターのポジションは、ネットカフェとコンシューマーゲームの中間にある。

ちなみにPCゲームは雷電だらけ。こんなに雷電あったか?

 では、どんな人々がゲームセンターへ向かうのか?ゲームセンターに足を運んでつぶさに観察してみると、男女問わず青春真っ盛りな若者でごった返しているのは日本と同じだが、意外にも女性が多いことに驚くだろう。その女性の外見をさらに観察してみると、東京で言えば、渋谷や原宿にいそうな女性も秋葉原にいそうな女性も同じゲームセンターで楽しんでいるのに気が付く。

 中国のゲームセンターには、機械にもプレイにも金がかかりそうな体感ゲームがほとんどなく、多くは格闘ゲームばかり。その雰囲気は「日本の著名プレイスポットにある大掛かりなゲームセンター」ではなく「高校生や大学生が遊んでいる町のゲームセンター」だ。

 そんな雰囲気のゲームセンターに最先端ファッションを身にまとった女性が集うのだから興味深い。しかも、日本でありがちの「彼氏に無理やり連れてこられて、とっても暇でつまんないから帰りたい女」ではなく、自らスティックを握りボタンを連打する、なかなかのファイターだったりする。

 このように「われら青春!」といった男女がこれほどにも集い、みな夢中になるのは理由がある。なんといっても「ほかの娯楽」があまりにも金がかかりすぎるのだ。日本だったら飲み会の後の2次会やイベントの打ち上げにカラオケに行くことも多々あるだろう。

 もちろん中国にもカラオケはあり、若者ウケする曲が用意されているが、1回利用しようものなら「おひとりさま100元」(日本の感覚で1万円以上)かかるなんてこともザラ。だからゲームセンターは安い娯楽の場として若者に人気のスポットとなる。ゲームがうまければうまいほどその場は盛り上がるし、なんといってもお金がかからない。中国の都会ではゲームがうまい男が女性にモテる、なんてことが十分ありうるのだ。

NEOGEO信者(?)な中国ゲーセンゲーマー

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