もう1つの魅力として、S50 ultra smallと同じく工具が一切いらない「ツールレス」筐体になっている点が挙げられる。試しに中身を開けてみたが、両脇のボタンを押しつつ持ち上げるだけで簡単に筐体内部にアクセスできた。ネジの取り外しなどを一切せずに筐体の開閉ができる点は、HDD交換やメモリ増設などを大量に求められる企業のPC管理セクションにとってメリットが大きい。
なお、このコンパクトボディは、当然のことながら拡張性に関してはかなり厳しい。現実的ではない、という言葉が正しいかもしれない。一応、PCIスロットが1つ空いているが、その位置は電源ユニットの上部にあって、取り付けられるのはハーフサイズカードしかない。
スペース的にも厳しいし、ノイズが大量に発生する電源ユニットのすぐ上にキャプチャーカードを増設する気にもならないので、コンシューマーでは「増設はできない」と割り切るのが賢明だろう。HDDについても3.5インチのドライブベイは1基のみなので換装はできでも増設は行えない。
コンパクトな筐体にハイパワーなCPUを組み込んでいるので、冷却性能が気になる。M51 Ultra SmallのCPU冷却機構は、まずケース前面に6センチ径の吸気ファンを搭載。CPUを冷却するヒートシンクには4センチ径のファン、さらにケース背面には6センチ径の排気ファンを備える。
これらのファンとヒートシンクがすべて1直線に並んでおり、外気がCPUを冷却し、その熱をそのままストレートに外部に排出できる作りになっている。各種ファンのサイズが小さいので、ファンの回転音が鳴り響くかと予想したが、実際のところはそれほど感じられなかった。ただ、起動時やCPUパワーをフルに使用している場合などは、それなりの騒音になるので留意しておきたい。
ThinkCentre M51 Ultra Smallはビジネス利用を強く意識したデスクトップPCではあるが、これを家庭でホビーユースに使った場合、どのように評価できるだろうか。マルチスレッドを要求するパフォーマンスでは最新のPentium D搭載PCなどにはかなわないし、グラフィックスカードの増設もできないので、ゲームを快適に楽しむのも厳しい。
やはり、オフィスソフトでビジネスデータを処理させたり、Webサイトを閲覧したり、メールを見たりする「家庭内オフィス」ユーザーにこそ使ってほしいデスクトップPCだ。指紋認証による安全性の高さは、最近何かと危険が伴うネットの暴威からライトユーザーを守ってくれるちょっとした防風林になるだろう。
PCMark04 | PCMark | 4083 |
CPU | 4880 | |
Memory | 4078 | |
Graphics | 991 | |
HDD | 4207 | |
3DMark03(1024×768ドット,nonAA,Tri) | 3DMarks | 947 |
Business Disk WinMark 99 | 5140 | |
High-End Disk WinMark 99 | 22300 |
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