デュアルコアを“沈黙”させる水冷PC──NEC「VALUESTAR X VX980/DD」(2/2 ページ)

» 2005年09月06日 17時38分 公開
[八木慎伍,ITmedia]
前のページへ 1|2       

水冷だけで“静か”になるわけではない。

 「水冷であること」以外にも、静音性能に対する配慮は数多い。第2の発熱源であるグラフィックスカードにGeForce6200 wTCを採用しているが、大型のヒートシンクを搭載してファンレスを実現していたり、マザーボード上のチップセットやCPUの電源周りも、大きめのヒートシンクを使うなど、筐体内部からファンを省く工夫がされている。

 また、DVDスーパーマルチドライブも、低回転ですむ音楽CDやDVD-Videoの再生時はもちろん、データ転送時も不愉快な唸りを上げることはなかった。敢えて従来の水冷機種と比較した違いを言うと、HDDのシーク音が以前よりも聞こえやすかった。それもそのはず、本機はHDDを3機も搭載し、RAID5の標準設定で出荷されているのだ。もちろんHDDも発熱源で、その温度が寿命に影響するので、冷やすために密閉することはできないのだが、側面の吸気口は、内部の板金によりHDDの音を直接外に逃がさない。何も知らずに使えば、これが3つもHDDを搭載しているマシンだと気がつかないだろう。

 評価機はMaxtorのDiamondMax10が3台搭載されていた。おそらく最初からサイレントモードで設定されているのだろう。また、HDDベイはもう1台追加できるスペースと電源、SATAケーブルがあらかじめ用意されている。増設して4台RAID 5にするのも面白いだろう。

 標準出荷設定がRAID5になっているのは、「ホームサーバ」としてのコンセプトを重視しているため。3台HDDを搭載しながら実質容量は2台分。さらに書き込み速度は単独のHDDよりも遅くなる欠点もあるにも関わらず、信頼性優先のRAID5を採用したのは、写真やビデオ、音楽など、増える一方の自分だけのデータ守る大切さを知っているからだろう。

ホームサーバとしての完成度の向上に期待

 もちろん、保存するだけではサーバではない。以前からVALUESTARで採用している「MediaGarage」を使って、ホームネットワーク上のPCや、徐々に出始めたDLNA機器へAVコンテンツを配信できるが、実際使ってみると「手軽に使う」までの道のりは手軽ではない。まずほかの機器にAVコンテンツを配信するには

(1)MediaGarageのサーバ部であるDigiOn DiXiM Media Serverの「公開」設定

(2)プリインストールされたMcAfee Personal firewallのLAN使用の設定

 が必要。ここまでで、DLNAに対応した機器でVALUESTARをDLNAサーバとして接続することができる。(筆者のテストではソニーのルームリンクでVALUESTARのコンテンツを再生することができた)

 また、クライアントとなるPCでコンテンツを再生するには

(3)MediaGarageのインストール

 に加え、VALUESTAR側のテレビチューナーをネットワーク経由で見たり、より高度にコントロールするには

(4)SmartVision Playerのインストール

 が必要だ。両方とも、インストーラーがサーバ(VALUESTAR)側に用意されているが、マニュアルを読み解き、これらをすべて完了するのは、初心者はおろか、上級者でも「簡単に」とはいかない。ネット接続のセキュリティーが重視され、Windows XP SP2でFirewallが標準になった昨今では「UPnPで、つないですぐに使える」は難しいのは理解するが、もう少し工夫が欲しいところ。少なくともサーバ設定はウィザード形式にまとめるなり、クライアントソフトのインストーラも一本化するぐらいの工夫はすぐにでもできるはずだ。現状の「できる人はどうぞ」では、利用するユーザーはかなり限られるだろう。

 大容量・高信頼性のストレージだけでなく、バックグラウンドで動作するサーバソフトはデュアルコアCPUの利点を享受できるソフトの1つ。設定の問題だけでなく、デジタル放送コンテンツは配信できないなどの制限や、ほかのDLNA準拠機器との使い勝手(MediaGarageはSmartVisionで録画したMPEG-2以外は早送り再生することができない)など、まだまだ課題は山積みだが、ハードウエアの完成度が高い本機の今後の方向性を占う試金石になるソリューションなのだから、今後の使い勝手がさらに進歩することを望みたい。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月29日 更新
  1. Apple、M6チップの新型「iMac」発表 CPU/GPUを最大12コアに強化、AI処理はM4の最大5倍 24万9800円から (2026年10月27日)
  2. M6チップの新型「14インチMacBook Pro」登場 CPUとGPUが12コアに、バッテリー駆動はMac史上最長の24時間 (2026年10月27日)
  3. 有機ELの新型「iPad mini」発表 A20 Pro、IP67対応、8.5型に大型化して11万9800円から (2026年10月26日)
  4. サンワ、計160W給電+デュアル4K出力に対応したType-C接続対応の多機能拡張ドック (2026年10月27日)
  5. Google「Fitbit Edge」先行レビュー Fitbit AirやPixel Watch 5との違いと選び方を解説 (2026年10月27日)
  6. 機能は同じでも印象はガラリ カメラなしスマートグラス「Even G2」にべっ甲柄の新色 新しい偏光サングラスクリップやチェーンも登場 (2026年10月27日)
  7. ゴジラ襲来の避難検証からマンドレイクの試食まで! 「CEATEC 2026」で見つけた驚きの技術5選 (2026年10月28日)
  8. 「LAVIE Tab」の8型スタンダードモデルと12型クリエイティブモデルをマイナーチェンジ 想定ユーザー層を踏まえたスペック変更 (2026年10月27日)
  9. 「Recall」の反省を生かした手動型? Windowsの新AI機能「Project Pantheon」とは (2026年10月28日)
  10. ESET、個人向けセキュリティソフト「ESET HOMEセキュリティ」最新版“V20”を発表 AIエージェントの監視機能を実装 (2026年10月28日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー