では画質はどうだろう。PX-C200Pでは可変ビットレート(VBR)も利用できるが、平均ビットレートを指定しての1Passエンコードのみのため、多くのソフトウェアエンコーダが採用する2passエンコードのような理想的なビットレート配分は望めない。この点がどう画質に影響してくるかが興味ある部分だ。
まずTVチューナーカードや家庭用DVDレコーダーなどで「標準モード」とされているビットレート4Mbpsで比較してみた。テストに用いたのは波が画面になだれ込むシーンのもので、画面全体の変化が激しい部分だ。
オリジナルの雰囲気にもっとも近いのはPX-C200Pのものに感じるが、ブロックノイズの少なさはTMPGEnc 3.0 XpressでVBRでエンコードしたものが優れている。この部分は、さすがに2Passエンコードが優位に働いたといえる。
一方、TMPGEnc 3.0 XpressにてCBRでエンコードしたものがもっともブロックノイズが目立ち、諧調が失われてしまっている。PX-C200Pの結果は、発色傾向がオリジナルにもっとも近い点も考慮しつつ、絶対的なエンコード速度と、若干のブロックノイズとのトレードオフと思えば良好な結果といえるのではないだろうか。
次は一般に「長時間モード」と呼ばれている2Mbpsでの比較だ。TMPGEnc 3.0 Xpressで352×480ピクセル(Half D1)以上の解像度が選択できないため、PX-C200Pでも352×480ピクセルでトランスレートを行った。実際ビットレートとのバランスを考慮すると適切な設定といえるはずだ。
ここでもブロックノイズがもっとも目立ったのがTMPGEnc 3.0 Xpress CBRでエンコードしたもので、画面全体がブロックノイズという感じである。PX-C200PとTMPGEnc 3.0 XpressでVBRエンコードものは微妙な差とだが、PX-C200Pが1Passエンコードという点を考慮すると非常によく頑張っているという見方はできよう。低ビットレートでのエンコードに強いといわれている「XCode II-L」の面目躍如といった感じだ。
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