今回発表されたFMV-DESKPOWERのラインアップは従来からある「FMV-DESKPOWER LX」「FMV-DESKPOWER CE」「FMV-DESKPOWER H」の3シリーズ。ただし、単なる構成パーツのアップグレードにとどまらず、デジタルコンテンツ機能の強化や、高画質化機能の改善、新デザインの筐体の採用などが行われている。
注目されるのが、「ムーブ」「ダビング」に対応したデジタルコンテンツ関連機能。「ムーブ」機能はHDDに録画されているハイビジョン画質のデータをSD画質(ビットレートは8/4/2Mbps、VBR)に変換し、DVD-RAMに保存するもの(コンテンツ保護機能CPRMに対応)。ムーブ機能の常として、DVD-RAMに保存された時点でHDDにあるハイビジョン画質のデータは消去される。
「ムーブ」はデジタル家電でも対応している、いわばPCが後追いしている機能だが、デジタル放送の録画データを「ダビング」する機能はデジタル家電も含めて、今回登場するDESKPOWERで初めて実装される。
これは、ARIB(電波産業会)がデジタル放送コンテンツを「外部媒体」に保存する方式として認めている「保存されている録画データのうち、1つのコンテンツだけ持つことが許されている“バッファ用”データ」を利用したもの。
もともとこの方式は、外部媒体に保存する処理で「想定外」の事象によってエラーとなった場合に、ユーザーがアクセスできない領域に保存された“バッファ用”データを使ってリカバリーする目的で用意されているが、富士通が今回採用した方法では、このバッファ用データを外部媒体(この場合はDVD-RAM)に保存する。
バッファ用データのオリジナルはHDDに残るため、ユーザーは「ダビング」と同じ使い方ができるようになる。「ユーザーがアクセスできないバッファ用データ」がユーザーの操作で外部媒体に保存できることについて富士通では「ARIBの規約に準拠しており問題ない」と説明している。
「ダビング」できるデジタルコンテンツは、HDDに1つしか保存できず、かつ録画時に前もって指定しておく必要がある。ダビングできるデジタルコンテンツがHDDに存在する限り、新たにダビングできるデジタルコンテンツは録画できない。なお、いったんダビングされると、HDDに残ったオリジナルは「ダビング」できないのはもちろんのこと、「ムーブ」もできなくなる。
富士通では「ムーブ」「ダビング」機能を、すでに販売されているデジタル放送対応モデルにも提供する予定だ。
高画質化機能「Dixelフィルター」は、新たに「明度とコントラストの補正」「彩度の適正化」「特定色の補正」に対応した「ピュアカラーエンハンサ」機能を追加した「DixelフィルターII」が登場。また、アナログ放送では音声付1.5倍速再生「早見再生」と音声付0.8倍速再生「ゆったり再生」に対応。DLNAに正式対応したMyMediaなど、2006年春モデルは、テレビ関連機能が大幅に強化されている。
スタイリッシュな液晶一体型PCのLXシリーズは6モデルが登場。LX90R/Dはデジタル放送とアナログ放送の2番組同時録画が、LX75R、LX55R/S、LX55Rはアナログ放送の2番組同時録画が可能。
LX60RはLXシリーズ初の19インチワイド液晶ディスプレイ搭載モデル。また、全モデルでIEEE 802.11 a/b/g無線LANに対応した。
LX55R/Sは「メディアタンク」セットモデル。PC側のHDD容量が少なくなってきたときに、録画番組をメディアタンクに自動転送する機能をサポートする。
型番 | LX90R/D | LX75R | LX60R |
OS | Windows XP Home Edition SP2 | ||
CPU | Pentium 4 630 | Celeron D 341 | |
チップセット | Intel 915GV | ||
メモリ(最大) | DDR2-533/512Mバイト(最大2Gバイト) | ||
液晶ディスプレイ | 20インチワイド(1366×768ドット) | 19 インチ(1280×1024ドット) | |
グラフィックス | チップセット内蔵 | ||
HDD | 300Gバイト | ||
光学ドライブ | 2層式DVD±R対応DVDスーパーマルチ | ||
ステレオスピーカー | 本体内蔵 | ||
TVキャプチャー | アナログチューナー&デジタル対応チューナー搭載ハードウェアMPEG-2 | アナログチューナー×2搭載ハードウェアMPEG-2 | アナログチューナー搭載ハードウェアMPEG-2 |
ネットワーク | 100BASE-TX/10BASE-T | ||
スロット | PCカードType II×2、SDメモリーカード/メモリースティック/xD兼用 | ||
インタフェース | USB2.0×6、IEEE1394 | ||
サイズ | 幅622×奥行き270×高さ430ミリ | 幅554×奥行き270×高さ477ミリ | |
重量 | 約18.0キロ | 約18.5キロ | |
発売日 | 12月28日 | 12月22日 | |
実売予想価格 | 28万円前後 | 24万円前後 | 21万円前後 |
AV利用を重視したデスクトップPCの「H」シリーズは、H70RW/Cの1モデルが登場。Windows XP Media Center Edition 2005を採用し、インターネットやアナログ放送で供給されるコンテンツをリモコンを使った10フィートUIで楽しめる。
セットの液晶ディスプレイは従来より大型の20.1インチのワイドサイズにアップ。最大解像度は1680×1050ドット。スピーカーにはチタン振動板を採用したトランソニックスピーカーを採用。また、スピーカーが設置された場所のさらに外側左右に音場があるように聞こえる「FOCUSテクノロジ」を実装している。
型番 | H70RW/C |
OS | Windows XP Media Center Edition 2005 |
CPU | Pentium D 820 |
チップセット | Intel 945G |
メモリ(最大) | DDR2-533/512Mバイト(2Gバイト) |
液晶ディスプレイ | 20.1インチワイド(1680×1050ドット) |
グラフィックス | チップセット内蔵 |
HDD | 500Gバイト(250Gバイト×2 |
光学ドライブ | 2層式DVD±R対応DVDスーパーマルチ |
ステレオスピーカー | ディスプレイ内蔵 |
TVキャプチャー | アナログチューナー搭載ハードウェアMPEG-2 |
ネットワーク | 1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T |
スロット | PCカードType II×2、SDメモリーカード/メモリースティック/xD兼用 |
主なインタフェース | USB2.0×6、IEEE1394 |
サイズ | 幅466×高さ102×奥行き410ミリ |
重量 | 約12キロ |
発売日 | 1月26日 |
実売予想価格 | 30万円前後 |
EMV-DESKPOWERの主力ラインアップ「CE」シリーズは6モデルが登場。大画面液晶ディスプレイモデル「CE65RW」「CE60RW」は従来モデルからさらにサイズアップした20.1インチワイド液晶ディスプレイがセットに。また、「CE75R7」「CE65RW」「CE55R」はアナログ放送の2番組同時録画同時視聴に対応。
従来は上位モデルのみだったインスタントMyMediaを全モデルで実装。また、ホームワークで使いたいビジネスユーザーのために、Microsoft Office Professional 2003をインストールしたCE50R7Pも新たにラインアップに加わった。
型番 | CE75R7 | CE70R7 | CE65RW |
OS | Windows XP Home Edition SP2 | ||
CPU | Pentium 4 516 | Sempron 3400+ | |
チップセット | Intel 915GV | RADEON XPRESS 200+M1573 | |
メモリ(最大) | DDR2-533/512Mバイト(1Gバイト) | PC3200/512Mバイト(1Gバイト) | |
液晶ディスプレイ | 17インチ(1280×1024ドット) | 20.1インチワイド(1680×1050ドット) | |
グラフィックス | チップセット内蔵 | ||
HDD | 300Gバイト | ||
光学ドライブ | 2層式DVD±R対応DVDスーパーマルチ | ||
ステレオスピーカー | ディスプレイ内蔵 | ||
TVキャプチャー | アナログチューナー×2搭載ハードウェアMPEG-2 | アナログチューナー搭載ハードウェアMPEG-2 | アナログチューナー×2搭載ハードウェアMPEG-2 |
ネットワーク | 1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T | 100BASE-TX/10BASE-T | |
スロット | PCカードType II×2、SDメモリーカード/メモリースティック | ||
主なインタフェース | USB2.0×6、IEEE 1394 | ||
サイズ | 幅89×高さ340×奥行き366ミリ | ||
重量 | 約8.5キロ | ||
発売日 | 12月28日 | 12月22日 | 12月28日 |
実売予想価格 | 24万円前後 | 22万円前後 | 23万円強 |
型番 | CE60RW | CE55RW | CE50R7 |
OS | Windows XP Home Edition SP2 | ||
CPU | Sempron 3400+ | ||
チップセット | RADEON XPRESS 200 | ||
メモリ(最大) | PC3200/512Mバイト(1Gバイト) | ||
液晶ディスプレイ | 20.1インチワイド(1680×1050ドット) | 17インチ(1280×1024ドット) | |
グラフィックス | チップセット内蔵 | ||
HDD | 300Gバイト | 250Gバイト | |
光学ドライブ | 2層式DVD±R対応DVDスーパーマルチ | ||
ステレオスピーカー | ディスプレイ内蔵 | ||
TVキャプチャー | アナログチューナー搭載ハードウェアMPEG-2 | アナログチューナー×2搭載ハードウェアMPEG-2 | アナログチューナー搭載ハードウェアMPEG-2 |
ネットワーク | 100BASE-TX/10BASE-T | ||
スロット | PCカードType II×2、SDメモリーカード/メモリースティック | ||
主なインタフェース | USB2.0×6、IEEE1394 | ||
サイズ | 幅89×高さ340×奥行き366ミリ | ||
重量 | 約8.5キロ | ||
発売日 | 12月22日 | ||
実売予想価格 | 22万円前後 | 21万円強 | 20万円前後 |
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