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» 2006年01月11日 20時57分 公開

2006 International CES:Quad SLIの仕組みをNVIDIAに聞いてみました

「家電の祭典」CESだけどPCUPdateはNVIDIAがリリースした「Quad SLI」に注目。Quad SLIに対応した「XPS 600 Renegade」のことをデルに聞いてみたけれど、いまひとつ分からない。ということで、CESの会場でNVIDIAに直接聞いてみることにした。

[長浜和也,ITmedia]

 おなじみのNVIDIA SLIはGPUを2つ組み合わせて3D処理能力を向上させる技術だ。Quad SLIは4つのGPUを組み合わせて3D処理能力を向上させる。

 NVIDIAが示すQuad SLIのスペックには「1.3 Billion Tansistors!」「41 Gigapixcels/sec!」「96 pixel pipes」「2GB on-board graphics memory」「5.2 TFLOPS of total compute power!」と強烈な値が並ぶ。

 しかし、もちろんそれは4つのGPUが扱う値を単純に「合計」したもので、1つあたりのGPU性能は従来の「GeForce 7800 GTX」と変わらない。

96本のピクセルパイプラインに2Gバイトのメモリと豪快な数値が並ぶが、これは4つのGPUを合計した数であるのに注意

 「リリースではGeForce 7800 GTX 512相当のGPUが4つ、ということではなかったか」という指摘は鋭い。実際GPU1つあたりが扱うビデオメモリは512Mバイトである。この件についてNVIDIAは「GPUはGeForce 7800 GTX 512相当であるが、4つのGPUを同期させるため、動作クロックはGeForce 7800 GTXと同じにしている」とコメントしている。

 4つのGPUを組み合わせるQuad SLIであるが、その実装形態はGPUを1つ載せた「1枚のボード」を2枚組み合わせた「グラフィックスカード」2組用意し、それぞれをPCI Express X16スロットに差す、ということになる。

CESのNVIDIAブースで展示されていたQuad SLIの実装形態。組み合わせとしては(GPU_1A+GPU_1B)+(GPU_2A+GPU_2B)=4つのGPU、という形になり、(GPU_1A+GPU_1B)と(GPU_2A+GPU_2B)がそれぞれ一枚のグラフィックスカードとなって、PCI Express X16に差しこまれる。NVIDIA SLIのブリッジが「GPU_1AとGPU_2A」「GPU_1BとGPU_2B」と接続していることに注目

 Quad SLIに対応しているのは、現在のところチップセット「nForce 4 SLI X16 for Intel Editon」搭載マザーのみ(その前日に取材したデルのプライベートブースでは“NVIDIAのチップセットではなくインテルのチップセットだ”と説明されていたが、NVIDIAでは“そんなことはないよ”といわれた)。

 ちなみに、AMDプラットフォームに対応したQuad SLI ready マザーは?の質問に対して、「技術的には可能で、すぐにでも出すことはできる。しかし、今回は、“インテルのCPU”しか採用していないデルの製品でQuad SLIを実現するために、まずはインテル対応プラットフォームで登場させることになった」と説明している。

NVIDIAに取材する前日に訪れたデルのプライベートブースで見たXPS 600 RenegadeにはGeForce 7800 GTX 512が2枚入っていたが、NVIDIAの展示ブース(ちなみにデルの展示ブースでも)では、Quad SLI構成のPCが動態デモを行っていた。背面から出てくる排気はけっこう「ホット」だ

 先ほども説明したように、Quad SLIは2本のPCI Express X16のスロットを使うことになる。しかし、NVIDIAはQuad SLIで「4つのPCI Express X16レーンを使う」とも説明している。これは、どういうことだろうか。

 NVIDIAの説明によると「2つのGPUを実装した1枚のカードは16本のPCI Expressを使う。カードにはPCI Expressのレーンを切り替えるスイッチが実装されていて2つのGPUに16本のPCI Expressレーンを動的に割り当てられる。ゆえにQuad SLIで構成される4つの各GPUは最大16本のPCI Expressレーンを使うことが可能だ」という構造になっているようだ。

 スイッチはグラフィックスカード側に実装されるため、マザーボード側でとくに変更は必要ない。nForce 4 SLI X16 for Intel Editonにかぎらず、nForce 4 SLI X16 for AMD EditronでもそのままQuad SLIに対応できる。ただし、Quad SLIに対応するForceWareがRelease 85からとなる(ということは、デルのQuad SLI対応PC「XPS 600 Renegade」が登場する春にはForceWare 85が登場する、ということか)。

 マザーは即対応可、春には対応した ForceWareのRelease 85登場、となっても、自作ユーザーがすぐQuad SLIを堪能できる可能性は、いまのところ少ない。NVIDIAはQuad SLI対応のグラフィックスカードをリテール向けに出荷することについて、明確な発言をしていない。

 「今回のQuad SLI対応パーツは、デルのPCに組み込む、いわば特別に登場した製品だ」(インタビューに答えてくれた、デスクトップGPUプロダクトマネージャーのジェイソン・ポール氏)ということで、グラフィックスカードベンダーへの供給も現在のところ「考えていない」(ポール氏)ということになっている。

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