ソーテック、法人向けPCに本格参入

» 2006年01月25日 17時41分 公開
[ITmedia]

 ソーテックは1月25日、法人向けPC事業に本格参入すると発表した。中堅以下の企業をターゲットに新ブランドを立ち上げ、自社ラインによるBTO(受注生産)対応のB5モバイルノートとデスクトップPCを発売するほか、シンクライアント製品も3月に投入する計画。法人事業で2008年度に50億円の売り上げを目指す。

photo 新ブランド第1弾となるスリムデスクトップ「e-three HC300」
photo B5モバイル「e-three HS300」(左)とシンクライアント「e-three TS201」

 新ブランド名は「e-three」(イースリー)。企業(enterprise)向け製品が持つ「コストパフォーマンス」「高品質」「充実したサポート」という3つのコンセプトを表した。

 第1弾はノート「HS300」(税込み15万6450円〜)とデスクトップ「HC300」(同6万3000円〜)。HS300は2スピンドルで重さ約1.58キロのモバイルノート。Pentium M 735を搭載し、標準バッテリーで約4.5時間の駆動が可能という。HC300は、最大2Gバイトのメモリや最大200GバイトのHDDなど、必要に応じたスペックのカスタマイズ性の高さが売り。それぞれ標準で3年間の保証を付ける。

 法人市場への参入に当たり、子会社・ソーテック・イー・サービス内の組み立てラインを強化。国内で最終組み立てを行うことで細かなBTOに対応できる態勢を整えた。例えばドライブ類を省いたり、各種インタフェースを物理的に使用できない状態で出荷する、といったセキュリティ上の要望にも細かく応える。受注から納品までの期間を3〜6日に短縮できるSCM(Supply Chain Management)も構築する。

 セキュリティ需要の拡大に対応し、HDDを内蔵しないB5ノート型シンクライアント「TS201」(予価14万1900円)も3月に投入する。オープンインタフェース子会社でシンクライアント専業のネクスタームと業務提携し、Windows XP Embeddedのカスタマイズ提供や顧客サポートなどで協力する。

 販売はWebサイトからの直販に加え、セキュリティ関連に強いSI事業者などの開拓を進める。法人事業全体で2006年度にまず売上高24億8000万円が目標。2007年度には38億円、2008年度には50億円に拡大する計画だ。

“モノづくり”で“無責任”から決別

 「同じ年に創業した米Dellは世界的企業になったが、ソーテックは4期連続で赤字となり、売り上げはピーク時の4分の1に減った」──ソーテックの山田健介社長は同社の現状を説明しつつ、「ソーテックはPC市場の40%程度の個人向けがメインで、法人向けはほとんど手付かず。個人向けだけで利益を上げられる会社にするのは難しい」と法人事業への参入理由を説明した。

photo 山田社長

 昨年、創業者の大邊創一会長らが業績不振の責任を取る形で退任し、シャープで常務を務めた経験を持つ山田社長が就任した。法人事業への参入は就任直後から社内にプロジェクトチームを作って検討を開始。BTO体制とSCMの構築は「今後はファブレスではなく、モノづくりを軸足にしたい」という山田社長の考えだ。

 山田社長は同社のこれまでについて、「ファブレスはモノづくりを他人任せにしているだけに腹が据わらず、株主や顧客などのステークホルダーに対し誠意ある経営をしない、無責任な文化が根付いてしまった」と率直に反省。「こうした文化と決別するためにモノづくりに取り組んでいく」と話した。

 モノづくり企業として取り組むもう1つの新ビジネスがPC周辺機器。液晶ディスプレイや無線LAN機器、外付けストレージ、ルータなどPC事業と相乗効果が見込める製品の販売に乗り出す。2006年は他社調達で展開し、2007年以降はオリジナル製品で本格参入する計画だ。

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