世界第3位のPCメーカーであるLenovo Groupだが、2月下旬の欧州を皮切りに、世界各地でLenovoブランドのPCを発表している。中国以外でLenovoの名を冠したPCを展開するのは初めてのことだ。投入されるモデルは世界各国の事情に合わせて異なっているが、3月6日に日本で発表されたのはLenovo 3000ファミリーの7モデルとなる。
発表会の冒頭、レノボ・ジャパンの向井代表取締役社長は新ブランドの位置付けとビジネス戦略を述べた。
従来のThinkPadシリーズは、IBMと販売パートナーとの協業で従業員規模が大きい大企業を中心に展開していたが、今回のLenovo 3000ファミリーは従業員が100人以下とし、特に30人以下のSmall Office/Home Office市場にフォーカスして提供する。なぜなら、日本市場では従業員が100人以下の企業でのPCの出荷台数が伸びており、今後も成長が見込めるからだと説明。すでに国内1000社を超えるパートナー販売網を構築しており、これらを中心としてSOHO市場に進出するという。なお、サポート体制はIBMと連携して提供し、電話によるLenovoスマートセンターやLenovo Careと呼ばれるサポートソフトウェアでカバーするとした。
続いて同社執行役員の石田氏が各製品の説明を行なった。世界中のユーザーにLenovoとして期待されているのは低価格PCで、ThinkPadファミリーはIT部門の専任者がいる企業を中心にシェアを確保しているが、Lenovo 3000ファミリーは専任者を持たず、一人で複数の担当をこなしている小規模の企業をターゲットにした。そのような中で、本来のビジネスには必要のないもの(PCの中身やテクノロジーなど)で悩むことなく、PCを使ってほしいという発想に立った。それゆえBTOなどには対応せず、市場調査を行って最も需要の多い「ちょうどいい」構成に絞ってモデルを用意する考えだ。また、ThinkPadとは違って年3回新モデルをリリースし、国内に在庫を持つことで(原則翌営業日に出荷)、市場の要求にいち早く応えられると語る。
デザインも飽きがこないシンプルなものを追求し、シルバーとブラックを基調として遊び心でオレンジ色のワンポイントが入る。これは継続的に次期モデルにも採用されるとのこと。
今後の製品ラインアップも述べ、次の四半期(4〜6月)で14インチおよび15インチのワイド液晶を備えたノートPCを、さらに翌四半期では12インチワイド液晶を搭載した小型PCを投入する予定だ。なお、デスクトップPCではタワー型モデルの追加は考えていないという。
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