ITmedia FMV-LIFEBOOK Qシリーズ(FMV-Q8220)のポジショニングを教えてください。
――FMV-Q8220はモバイルのセグメント、とくに実際に持ち歩いて使用するピュアモバイラーと、PCを業務で必要とするエグゼクティブの両方を狙っています。
FMV-Q8220は光学ドライブを持たない1スピンドル機なので、ビジネスモバイラーがユーザー層の中心になると思います。もちろん、コンシューマをないがしろにしているわけではありません。本機にはDVDスーパーマルチドライブを内蔵したポートリプリケーターをオプションで用意しています。会社や家ではポートリプリケーターに接続してキーボードやマウスを接続して使い、出先ではPCを取り外して持ち出すというスタイルが取れます。FMV-Q8220用のポートリプリケーターは薄くて軽量なため、いざとなれば一緒に持ち歩いても使える大きさにしています。今後はコンシューマもターゲットにしていきたいと考えていますが、まずはコーポレートのビジネスモバイラーを狙っていきたいと思います(パーソナルビジネス本部 モバイルPC事業部 第二技術部 遠山 賢治氏)。
ITmedia ずばり、コンセプトは?
――本機のコンセプトは、エグゼクティブユースとシンプル&スマートというものです。フルWindowsが動くことを前提に、重量や薄さをシュリンクさせるというアプローチを取っています。実際、本機では重量は1キロ以下、フラットな形状で20ミリ以下という目標を立てて開発をスタートしました。
とにかく、薄くスマートにというのを目指したのです。スマートに持つためには、ボディの形状がフラットであるのが重要と考えたからです。これまでの軽量PCは突起が多く、でこぼこしているものが多かったため、わたしたちはフラットにこだわって作りました。もっとも小型な内蔵バッテリーパックでは、本体からバッテリーがはみ出さず、カバンにもすっきりと収まります。一口にモバイルといっても、Point to Pointで持ち歩くかたや出先でもきっちりと使いたいというかたもいるので、さまざまな利用シーンに対応できるよう作りました(遠山 賢治氏)。
ITmedia こだわりのポイントは何でしょう。
――天面に「骨」がないことです。いわゆるボンネット構造をとらずに強度を上げるのがポイントです。もちろん、強度面で妥協はできません。本機の場合は天面部分の全面加圧で200kgfに耐えられます。また、キーボードの刻印にもこだわっています。アルファベットや数字といった白い部分はレーザー刻印にしてはがれにくく、削れにくくなっています。ちなみに、カラー部分は従来のシルク印刷を使って目立たせています。
一方で今回は薄型にこだわったため、メモリスロットはありません。オンボードメモリは512Mバイトと1024Mバイトの2種類から選択できます。Intel Core Solo U1400(1.20GHz)の超低電圧版CPUやIntel 945GMSチップセットの熱はボディ底面に散らしつつ、冷却ファンで排気しています(パーソナルビジネス本部 モバイルPC事業部 第二技術部 栗林 健氏)。
――HDDは1.8インチで、薄型・軽量ファンを左側面に内蔵しています。このファンはフレームにマグネシウム合金を使った特注品です。弊社ではモバイル機では熱源を直接ユーザーに伝えないというポリシーを持っています。本機のような――とりわけ軽量モバイル機ではマグネシウム合金を使ってボディで放熱させ、ファンをできるだけ回転させないとなると、どうしてもヒートスポットができてしまいます。ユーザーに不快な思いをしていただきたくないので、底面にシートをはっています。シートをはることで熱がこもりやすくなるという相反する要素も持っているのですが、そのバランスをとっています(パーソナルビジネス本部 PC事業部 PCデザイン技術部 プロジェクト課長 田中 亘氏)。
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