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独特のボディに高性能を凝縮した4800dpiスキャナ――キヤノン「CanoScan 8600F」(2/2 ページ)

» 2006年10月27日 10時43分 公開
[榊信康,ITmedia]
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ドキュメントスキャンの実力は上々

 ドキュメントスキャナとしての機能は、LiDE 600F同様に充実しており、書類のデータ化、ことにPDF化では、かなりの省力化が期待できる。縦置きスキャンは不可なので薄い原稿のハンドリングではLiDE 600Fが勝るが、逆に厚手の原稿ならば、カバーのヒンジが硬めに調整されていることと、カバー自体に重みがあることから8600Fに分がある。

 PDF作成機能は、最大10度の傾き補正、原稿の方向検知、検索用テキストデータの付加、複数ページの原稿を1つのPDFに集約、ファイルサイズの高圧縮化など、豊富な機能を持つ。本体のワンタッチボタン「EZボタン」も共通化されており、左から順に「カラー原稿」「モノクロ原稿」「お気に入り」「終了」の4つのPDF用ボタンと、「COPY」「PHOTO/FILM」「E-MAIL」の3つのスキャンボタンが用意されている。3つのスキャンボタンは、押した際の動作をカスタマイズすることが可能だ。

本体の上面に7つのEZボタンを搭載(写真=左)。付属ソフトCanoScan Toolbox 5.0で「設定」ボタンを押すと、COPY、PHOTO/FILM、E-MAILの各ボタンを押した際のアクションを指定できる(写真=右)

コントラストを強調したフィルムスキャン画質

 画質は反射原稿に関しては文句がない。一方のフィルムは、デフォルトの設定だとネガ、ポジともハイライトが飛びがち、シャドーが潰れがちになる。かなりトーンカーブのきつい補正をかけているようで、素材作りというよりは、一発で最終的なデータを作ることを目的にしている印象を受けた。これに異を唱える気はないが、それならば、もう少しカスタムカーブを作りやすくして欲しかった。また、フィルムスキャンはフォーカスが少々甘いので、高解像度で取り込んで、アンシャープマスクを用いるのが妥当な使い方だろう。

左から反射原稿(400dpi)/ポジ(4800dpi)/ネガ(4800dpi)のスキャンサンプル。拡大画像は部分切り取り後、PNGファイルで保存したもの(100%表示)

 スキャン時の画像補正については、スキャナドライバのScanGear 12.0で行える。従来機と比較して、彩度とカラーバランス(シアン/マゼンタ/イエロー)をスライドバーで手軽に調整できるようになったのがポイントだ。また、明るさ、コントラスト、ヒストグラム、トーンカーブなどの調整が行える。そのほか、薄い紙の原稿などで発生しやすい裏写りを低減する「裏写り補正」や、見開きページ中央のとじ部分に発生しやすい影を検出して自動補正する「とじ部影補正」も搭載しており、反射原稿を手軽に高画質でスキャンすることが可能だ。

ScanGear 12.0で詳細な設定を行う場合は、「拡張モード」タブを選択する(写真=左)。彩度とカラーバランス、トーンカーブ、ヒストグラムなどの調整が可能だ(写真=右)

 CanoScan 8600Fは、8000番台としては高機能すぎで、9000番台と比べるとわずかに物足りない印象を受けるが、2万5000円前後の実売価格で購入できるのだから文句はない。ハードウェアによるゴミ傷除去機能を搭載し、各種の自動補正機能も網羅している。さらにドキュメントスキャナとしての完成度も高い。汎用性の高い仕上がりなので、反射原稿スキャンとフィルムスキャンの両方にこだわるユーザーにとって、有力な候補になるはずだ。

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