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独特のボディに高性能を凝縮した4800dpiスキャナ――キヤノン「CanoScan 8600F」(1/2 ページ)

» 2006年10月27日 10時43分 公開
[榊信康,ITmedia]

 キヤノンのCanoScanは、エプソンのカラリオスキャナと並ぶフラットベッドスキャナの一大ブランドだ。今年の夏には、「CanoScan LiDE 600F」のレビュー記事で触れた通り、ラインアップを4モデルに絞り込んでいる。その中で、フラッグシップモデルにあたるのが「CanoScan 8600F」だ。「CanoScan 9950FV」の後継となる9000番台の高級機は姿を消したが、CanoScan 8600Fは従来の8000番台モデルから格段に性能が向上しており、部分的には9000番台を名乗ってもおかしくないほどに進化した。

個性的なボディデザインを採用

CCDセンサ搭載のフラッグシップモデル「CanoScan 8600F」

 その名から知れるように、CanoScan 8600Fは「CanoScan 8400FV」の後継モデルに位置付けられる。ボディは、従来機から変更され、上面に段差を設けた個性的なデザインとなった。本体の高さは120ミリあるが、この段差のおかげで、あまり分厚さを感じないスマートなイメージに仕上がっている。下位モデルとはまったく異なるデザインとすることで、フラッグシップらしい味付けをした形だ。

本体の前面(写真=左)、背面(写真=中央)、右側面(写真=右)。インタフェースはUSB 2.0のみに対応する。右側面には、主電源スイッチがある

 性能面では、光学解像度が3200×6400dpiから4800×9600dpiに向上した点に注目したい。これは、9950FVと同じ値だ。階調は、RGB各色16ビット入出力となっている。スピードについても9950FVとほとんど変わらず、35ミリネガフィルム1枚の4800dpiスキャンで3分23秒と、実用上問題ないレベルだ。もちろん、画質補正技術の「FARE Level 3」も搭載しており、赤外光による高精度なゴミ傷除去に加えて、逆光補正、退色補正、粒状感低減といった機能が利用できる。FARE Level 3適用時の読み取りは、1コマで6〜7分の時間を要するが、スキャン後にフォトレタッチソフトでゴミ傷を除去する手間と時間を考えれば十分我慢できる範囲内だろう。

ベンチマークテスト
反射原稿(A4)
プレビュー 7秒66
300dpi 16秒81
600dpi 29秒23
800dpi 1分44秒07
反射原稿(L判)
300dpi 8秒94
600dpi 14秒94
800dpi 25秒80
フィルム(ネガ/24×36ミリ)
1200dpi 32秒25
2400dpi 1分45秒31
3600dpi 3分24秒35
4800dpi 3分23秒67
4800dpi(FAREオン) 6分56秒68
フィルム(ポジ/24×36ミリ)
1200dpi 30秒87
2400dpi 1分41秒81
3600dpi 3分16秒55
4800dpi 3分23秒10
4800dpi(FAREオン) 6分34秒85

フィルムスキャンは12コマ連続読み取りに対応

 FAU(透過原稿ユニット)は、中央2ラインの小振りなもので、一度にスキャン可能なフィルムは、35ミリスリーブ(ネガ/ポジ)が12コマ、35ミリマウントが4コマだ。最大6×22センチのブローニーにも対応する。9000番台のような原稿台全面スキャンはサポートしないが、フィルムの本スキャンに限れば、これでも問題はない。原稿台全面スキャン対応機のユーザーでも、本スキャンは周辺収差を避けるため、中央部で行っているケースが多いからだ。

 問題はインデックススキャンの利便性が減少することにある。同時に読み取れるのが12コマでは、35ミリフィルム一巻きにも満たない。CanoScanはインデックス作成機能の使い勝手がよいため、フィルム整理に使用している人も多いと聞く。それだけに最大12コマというのは、少々残念だ。また、エプソンのフラッグシップモデル「GT-X900」とは異なり、4×5サイズのスキャンが行えないのは、一部のユーザーにとって惜しいと感じるポイントだろう。4×5対応のニーズは少ないとはいえ、選択肢がないのはやはり寂しい。ただ、CanoScanはこれまでも4×5の対応が二転三転しているので、今後復活しないとも限らない。

FAUはフラッグシップモデルとしては小型で、フィルムホルダーを収納する機構は設けられていない(写真=左)。フィルムホルダーは、35ミリスリーブ用(6コマ×2列)、35ミリマウント用(4コマ)、ブローニー用(6×22センチ)が付属する(写真=右)
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