デルの30インチワイド液晶ディスプレイ「3007WFP」は「大画面サイズの液晶ディスプレイをできる限り低価格で提供する」製品だ。このぐらいのサイズになると、普通はAV利用を重視した高画質高機能、そして高価格という、そのメーカーのディスプレイラインアップでフラグシップとなりうる製品になるが、デルにおいては、そういう意味のフラグシップは先日発表されたばかりの「2707WFP」といえるかもしれない。
2707WFPは画面サイズ27インチワイドに最大解像度1920×1200ドットと、この数値だけ比べれば3007WFPよりひと回り下ということになる。しかし、画像入力インタフェースにHDCP対応のDVI-D、コンポーネント、コンポジット、S-Videoなどを用意するなど、AVコンテンツの視聴を想定した機能が用意されているのに対して、3007WFPでは、HDCPに対応したDVI-Dは用意されているものの、そのほかのインタフェースは搭載していない(今ではそれほど重要ではないがアナログRGBも3007WFPは持っていない。ちなみに2707WFPは搭載している)。
3007WFPは、輝度400カンデラ/平方メートル、視野角上下方向左右方向ともに178度、コントラスト比700:1、応答時間(黒から白で)14ミリ秒、(グレーからグレーで)11ミリ秒というスペックを有する。この値を最新の2707WFPと比べると、視野角は同等ながらも輝度、応答速度、コントラスト比は2707WFPが優れていることになる。3007WFPが2005年の12月に登場した製品で2707WFPが2007年に登場した製品という「世代の差」と「液晶パネルのサイズからくる限界」という事情はもちろんあると思うが、しかし、エントリークラスの2407WEPのインタフェースにもコンポジット、S-Video、コンポーネントが用意されていることから考えれば、3007WFPが「大画面をできるだけ手ごろな価格で」という目的を重視しているのは容易に想像できると思う(ちなみに輝度、コントラスト比、応答速度も2404WFPが優れている)。
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