先日レビューを掲載したGeForce 8600 GTSは実売価格3万円台前後と、一般的なユーザーからすれば「ミドルレンジからちょっと上」という認識になる。「真のミドルレンジGPU」となると実売価格が2万円前半になっている「GeForce 8600 GT」が本命になる。GeForce 7600 GT以来の「真のミドルレンジGPU」ということでボリュームゾーンのPCユーザーに待望されていたGPUが、GeForce 8800 GTX/GTSからほぼ半年を経てようやく市場に姿を現したしたことになる。
今回は、GeForce 8600 GTSに引き続いて、XFXのGeForce 8600 GT搭載を使ってそのパフォーマンスを見てみたい。すでに報じているように、XFXのGeForce 8600 GT搭載製品には定格動作の「XFX GeForce 8600GT 256MB DDR3」のほかに、そのオーバークロック版となる「XFX GeForce 8600GT 600M 256MB DDR3 XXX」が用意されている。オーバークロック版の型番末尾に「XXX」がつくのは上位モデルのGeForce 8600 GTS搭載製品と同様になる。評価用機材として入手したのは、このオーバークロック版の「XXX」だが、定格動作におけるGeForce 8600 GTのパフォーマンスと比較するために、Forcewareでコアクロックとメモリクロックを定格に設定した状態でもベンチマークを測定している。
定格動作におけるGeForce 8600 GTの動作クロックは「コアクロック=540MHz」「メモリクロック=700MHz」(データ転送レートで1.4Gbps相当)であるが、XFXのオーバークロック版では「コアクロック=620MHz」「メモリクロック=800MHz」となっている。定格状態と比べると、それぞれ15%前後のクロックアップというかなり高速な状態で動いていることになる。
また、今回はGeForce 8シリーズのバリュークラスGPUでGeForce 8600 GTS、GeForce 8600 GTと同時に登場した「GeForce 8500」についてもXFXの製品「XFX GeForce 8500GT 256MB DDR2」を用いてベンチマークを測定している。このクラスになると、パフォーマンスよりは価格と実装されている機能が重要になってくるが、GeForce 8シリーズにおけるパフォーマンスの位置付けを参考までに示しておくことにする(ただし、XFXの製品はGeForce 8500搭載カードとしては、「興味深い形態」をしているため、この件については後日掲載する別記事にて紹介したい)。
比較対照としては、「もっとも成功したGPU」とNVIDIAも評価している従来のミドルレンジGPU「GeForce 7600 GT」を搭載したリファレンスカードを用意した。実装する機能はカタログで並べると見劣りするかもしれないが、GeForce 7600 GTのコアクロックは560MHz、メモリクロックが700MHz(データ転送レートで1.4Gbps相当)とほぼ似通った値になっている(メモリバス幅も128ビットと同じ)。GeForce 7600 GTの「バーテックスシェーダユニット×5、ピクセルシェーダユニット×12」とGeForce 8600 GTの「統合型シェーダユニット×32」が現時点のベンチマークソフトや市販ゲームでどれだけ性能に影響するのか興味深い。
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