MSIの新製品マザーが盛りだくさん──MSIがIntel 3シリーズマザーを多数紹介(1/2 ページ)

» 2007年07月02日 15時00分 公開
[寺崎基生,ITmedia]

 6月30日、秋葉原のUDXビルのAKIBA SQUAREにおいて、MSIのイベント「MSI Ready for PC2008 P35夏祭り」が開催された。別記事でも紹介されているように、会場には「インテル 3シリーズ」チップセットを搭載したマザーボードが集結。ユーザー向けのプレゼンテーションや、インテルのシニア・フィールド・アプリケーション・エンジニア天野氏の講演だけでなく、金魚すくいやスーパーボールすくい、じゃんけん大会など、まさしく「お祭り!」なイベントとなった。

 イベントの最後は報道向けの新製品発表会が行われ、新作マザー6月に台湾で開催されたCOMPUTEX TAIPEI 2007のMSIブースで展示されていた製品の仕様と出荷予定時期が紹介された。

この夏主力は「Intel P35」マザー

 多くの展示スペースに展示されていたのがIntel P35マザーを搭載した製品群だ。MSI製マザーボードを採用したショップブランドPCの展示では、九十九電機、T-ZONE、サードウェーブ、マウスコンピュータ、フロンティア神代などが並び、ほとんどのモデルが、Intel P35を搭載する「P35 Neo-F」を採用していた。

 来場者の注目を集めたのは、インテル3シリーズの最上位モデルとなるIntel X38搭載の「X38 Diamond Combo」である。Intel X38搭載マザーが、国内で一般向けに展示されるのはこれがおそらく初めてとなる。チップセット用ヒートシンクなどは、まだ暫定的なものが取り付けられているなど製品版とまったく同じ仕様ではないが、非常に興味深い仕様になっている。

 イベントで紹介されたX38 Diamond Comboの仕様を詳しく見ていくと、電源回路は8フェーズで、コンデンサはすべて固体電解コンデンサ採用とハイエンドにたがわぬつくりになっている。POSTコードを表示するLEDもオンボードで搭載する。対応メモリは、DDR2とDDR3の両方が使用可能なコンボモデル(それぞれに専用のメモリスロットを搭載する)となっており、はじめはDDR2メモリで使用し、後からDDR3メモリへとグレードアップすることが可能となる。ただし、チップセットの制約から、同時使用は無理で排他利用となる。また、PCI-Express x16スロットが4本搭載されており、どのような使い方ができるのか、とても興味深い。X38 Diamond Comboは、8月初旬に発売される予定だ。

X38 Diamond Combo。出荷時にはCIRCU-PIPEが搭載されるとは思うが展示品は通常のヒートシンクのみ。PCI-Express X16スロットが4本も用意される
Intel P35チップセットを搭載したハイグレードモデル。CIRCU-PIPEが搭載され、メモリもDDR2とDDR3のどちらかが使える

 この夏の主力ラインアップともいえる、インテル3シリーズのメインストリームモデル「Intel P35」を搭載したハイグレードモデル「P35 Platinum Combo」は、すでに発表されているモデルだが、搭載された複雑な形のチップセットヒートシンクが注目を集めていた。このヒートシンクは「CIRCU-PIPE」という名称で、インテル3シリーズチップセット搭載の“Platinum”モデル以上のグレードに採用されるニューアイテムだ。

 最近のマザーボードでは、チップセットと電源回路のレギュレーターにヒートシンクをつけ、それらをヒートパイプで繋ぐという方式が多く見られる。こうすることで、CPUソケットをヒートシンクで囲むことになり、CPUクーラーの風を利用して冷却が可能になるという仕組みだ。だが、CIRCU-PIPEのヒートパイプは、各部を繋ぐだけでなく、ノースブリッジの上で宙返りコースターのように輪を描いているのが特徴だ。ヒートパイプを引き回す場合、密閉された気体の移動を考えると急激なカーブは厳禁である。環状にすることで、パイプ自身を長くし、その部分をヒートシンクとして利用することができるため、従来のヒートパイプシステムよりも冷却効率が高いそうである。

 デザインとしてもかなり目を引くが、角のないCIRCU-PIPEの宙返りコースター構造は理にかなった形でもあるのだ。

 P35 Platinum Comboは、X38 Diamond Comboと同様に、DDR2とDDR3に対応する“Combo”モデルとなっているが、微妙な違いがある。X38 Diamond Comboでは、DDR2スロットが2本、DDR3スロットが4本という構成だったが、P35 Platinum Comboでは、DDR2スロット4本、DDR3スロット2本という組み合わせとなっている。MSIは両マザーボードのユーザーの指向の違いを考慮して仕様を変えてあると述べている。P35 Platinum Comboでは、電源回路もX38 Diamondの半分である4フェーズとなっている。ただし、高効率回路を使用しているため負荷の影響を受けることが少なく安定した電源供給が可能で、オーバークロックにおける動作も十分安定するとMSI説明している。出荷は8月中旬の予定となっている。

2回転宙返りコースターのようなヒートパイプで構成されるCIRCU-PIPE。ヒートパイプにも放熱フィンをつけて効率的に冷却できる構造になっている
Comboモデルは製品によってDDR2スロットとDDR3スロットの組み合わせが変わる。X38 Diamond Combo(右)はP35 Platinum Combo(左)よりDDR3スロットが多い

 そのほか、Intel G33チップセット搭載の「G33 Platinum」「G33 Platinum Combo」や、microATXマザーの「G33M FI」、“SantaRosa”に対応したMini-ITXマザー「Fuzzy GM965」などの出荷時期も紹介され、G33 Platinum Comboの出荷は8月、G33M F1は7月下旬〜8月初旬の出荷が予定されている。また、Fuzzy GM965は、比較的早く、7月中の出荷となりそうとのこと。

 なお、バリューレンジを狙うIntel G31チップセット搭載モデルとなる「G31M」「G31MV」なども展示されていたが、製品発表会では「発売時期はまだ未定」と紹介されていた。

グラフィックスコア内蔵のミドルレンジマザーとなるG33 Platinum Comboは、8月中旬発売予定。CIRCU-PIPEヒートシンクが採用されている。DDR2×4、DDR3×2というメモリ構成。DDR2とDDR3は排他利用となる
G33M FIは、グラフィックスコアを内蔵するIntel G33チップセットを搭載するmicro ATXマザーボード。7月中には発売される予定。メモリはDDR2のみの対応

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