メイドさんを操る“怪人”が大阪を侵略 「イイィ!」ショッ○ーではない

» 2007年11月20日 20時30分 公開
[小林哲雄,ITmedia]

 あなたはノートン・ファイターの名を耳にしたことがあるだろうか? 彼はシマンテックが(日本においてインターネットセキュリティ商品を一般向けに宣伝するために)生んだインターネット時代のヒーローだ。

 ノートン・ファイターの詳しい能力は過去記事を見ていただければ分かるが、彼は編集部に突然現れて全ファイルのウイルスチェックを(勝手に)始めたり、秋葉原の量販店で啓蒙活動を行うなど、インターネット上の治安を守るべく日夜戦っている。

過去に行われた秋葉原での戦い。赤や青の“古いセキュリティソフト”がPCを守っているが(写真=左)、おそいかかるウイルス軍団の進化に対応できず(写真=中央)、撃破されてしまった。危うし! ユーザーのPC環境(写真=右)。ちなみに赤と青が具体的に何を指しているのかを考えるのはやめておこう。PC環境だけでなくいろいろなことが危うくなってしまう

 彼の活躍で特に印象的だったのが、エンタープライズ市場向けのセキュリティカンファレンス「Symantec Vision 2007」の基調講演中にサプライズゲストとして登場したときだ。会場を埋め尽くすスーツ姿のビジネスマンとノートン・ファイター、という構図は、文字通りのサプライズを引き起こしたと記憶している。

こちらは11月2日に行われた、Symantec Vision 2007の基調講演途中での出来事。木村社長は黄色い竹刀で対抗するが、囲まれてしまう(写真=左)。そこにノートン・ファイター登場「必殺!360度アターック!」(写真=中央)。「パソコンの平和は私が守る!ノートン・ファイター!!」って、スーツ姿のビジネスマンの前でやられてもなぁ(写真=右)

 そして次の舞台が今回の大阪。関係者筋から入った情報によると、秋葉原の戦いで予告された「悪の5大幹部」(注:筆者命名)の一人である暗躍モンスター「ボットラス」が登場するらしい。

 ノートン・ファイターの公式blogでは、予告動画も掲載しており、シマンテックの“ノリノリ感”が伝わってくる。ただ、彼らがいったいどこへ向かおうとしているのか、筆者は多少不安も感じている。


 今回の大阪で主戦場になったのは、「アメリカ村」にある三角公園だ。事前情報の通り、相手を操って大量のスパムなどを配信させるボットラスが5名の手下とともに登場。サラリーマン風とオタク風の2名が手下のボットを受け入れてしまい、好き勝手にいじられてしまう。そこに駆けつけたのが、いま子供に大人気の、情報化社会の闇に立ち向かう正義のヒーロー(棒読み)、ノートン・ファイターだ。

今回のウイルスのターゲットはこの2人だ(写真=左)。手下とボットラス。「あの2人を操ってしまえ!」「イイィ!」(写真=中央)。あっさりボットに感染し、いいように操られる2人。「踊って見せろ!」(写真=右)

「そこまでだウイルスども!」(写真=左)。インターネットの平和を守るため、懸命に戦うノートン・ファイター(写真=中央)。「2人とも、もう大丈夫だ」とボットを解除(写真=右)

 ノートン・ファイターは、手下を一度は撃退するものの、敵がボットラスによって再び復活。これを必殺技「ノートン360度アタック」で粉砕した。また、ボットラス自身は“消去”よりも重い罰である「ノートンセキュリティレスポンスセンターに隔離、解析」を受け、この激しい戦いは幕を閉じたのであった。

戦いの後になぜか2人でポーズを決めるノートン・ファイターとボットラス。敵同士のはずなのに……ま、まさか!? と、あらぬ疑惑をかけられるのではないか、ちょっと心配だ

 ちなみに、ショーの後に行われた記念撮影は、秋葉原のときよりもノリがよく、多くの聴衆が撮影をしていた。また、イベントが行われた近くの路上をはじめ、心斎橋・難波・日本橋エリアと、広範囲にわたってフライヤーやTシャツなどを配布しており、イベントを見に集まった聴衆の中には、さっそくTシャツを着ている人たちもいた。ただ、Tシャツはなかなか豪勢だと思うのだが、ノートン製品の体験版CDを配らないあたり、目的を見失っているような気がしないでもない。

イベントを見守る関係者一同………ではなく、この黄シャツ軍団はほとんどが一般の聴衆だ(写真=左)。もらったTシャツをすぐに着る親子。さすが大阪、ノリがちがう(写真=中央)。御堂筋でもイベントのフライヤーを配布していた(写真=右)


 その後、日本橋にある老舗メイドカフェ「CCOちゃ」でもゲリライベントが催された(店頭やCCOちゃのblogで当日告知されていたものの時間は不明だった)。こちらは手下軍団によってメイドさんの一人が「メイド手下」に変身させられてしまうという趣向。もうパソコンとか関係ないし。

CCOちゃの店頭には予告ポスターがあったものの、時間はかなりいい加減だ(写真=左)。CCOちゃに乱入したウイルス手下がメイドを拉致し、メイド手下に変身(写真=中央)。「メイド手下! 暴れるのだ!!」「分かりました、ご主人様」(写真=右)。シマンテックはいったいどこへ向かおうとしているのか、不安は増すばかりである

そしてノートン・ファイター乱入。当然のごとくけちらして終了(写真=左)。イベント後スタッフ一同で、はいポーズ。メイドさんはともかく、ノートン・ファイターよりも手下が目立っているのはどうかと思う(写真=中央)。試しにメイド手下への変身前(左)と後(右)で比較してみた。こんなにかわいいメイドさんを、どこに出しても恥ずかしくないほどの不審人物に変えてしまうボットラスの力、恐るべしである(写真=右)


 さて、悪の五大幹部はまだ4名も残っているし、悪の組織のヒエラルキーでは幹部の上に総統がいるのはお約束。「この手のイベントを行うのは業界でも当社だけ!」と妙な気合の入っているシマンテックのこと、きっとノートン・ファイターの活躍はまだまだ続くのだろう、たぶん。

 1つだけ真面目に改善してほしいところを挙げると、ショーの前には十分な事前告知をしてくれたほうがいいと感じた(今回はあまりにもゲリラ的すぎる)。それと、個人的にはもっと観客の平均年齢が低いといいなとも思う。これはこれで、とても面白いヒーローショーなのだから。

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