あなたはノートン・ファイターの名を耳にしたことがあるだろうか? 彼はシマンテックが(日本においてインターネットセキュリティ商品を一般向けに宣伝するために)生んだインターネット時代のヒーローだ。
ノートン・ファイターの詳しい能力は過去記事を見ていただければ分かるが、彼は編集部に突然現れて全ファイルのウイルスチェックを(勝手に)始めたり、秋葉原の量販店で啓蒙活動を行うなど、インターネット上の治安を守るべく日夜戦っている。
彼の活躍で特に印象的だったのが、エンタープライズ市場向けのセキュリティカンファレンス「Symantec Vision 2007」の基調講演中にサプライズゲストとして登場したときだ。会場を埋め尽くすスーツ姿のビジネスマンとノートン・ファイター、という構図は、文字通りのサプライズを引き起こしたと記憶している。
そして次の舞台が今回の大阪。関係者筋から入った情報によると、秋葉原の戦いで予告された「悪の5大幹部」(注:筆者命名)の一人である暗躍モンスター「ボットラス」が登場するらしい。
ノートン・ファイターの公式blogでは、予告動画も掲載しており、シマンテックの“ノリノリ感”が伝わってくる。ただ、彼らがいったいどこへ向かおうとしているのか、筆者は多少不安も感じている。
今回の大阪で主戦場になったのは、「アメリカ村」にある三角公園だ。事前情報の通り、相手を操って大量のスパムなどを配信させるボットラスが5名の手下とともに登場。サラリーマン風とオタク風の2名が手下のボットを受け入れてしまい、好き勝手にいじられてしまう。そこに駆けつけたのが、いま子供に大人気の、情報化社会の闇に立ち向かう正義のヒーロー(棒読み)、ノートン・ファイターだ。
ノートン・ファイターは、手下を一度は撃退するものの、敵がボットラスによって再び復活。これを必殺技「ノートン360度アタック」で粉砕した。また、ボットラス自身は“消去”よりも重い罰である「ノートンセキュリティレスポンスセンターに隔離、解析」を受け、この激しい戦いは幕を閉じたのであった。
ちなみに、ショーの後に行われた記念撮影は、秋葉原のときよりもノリがよく、多くの聴衆が撮影をしていた。また、イベントが行われた近くの路上をはじめ、心斎橋・難波・日本橋エリアと、広範囲にわたってフライヤーやTシャツなどを配布しており、イベントを見に集まった聴衆の中には、さっそくTシャツを着ている人たちもいた。ただ、Tシャツはなかなか豪勢だと思うのだが、ノートン製品の体験版CDを配らないあたり、目的を見失っているような気がしないでもない。
その後、日本橋にある老舗メイドカフェ「CCOちゃ」でもゲリライベントが催された(店頭やCCOちゃのblogで当日告知されていたものの時間は不明だった)。こちらは手下軍団によってメイドさんの一人が「メイド手下」に変身させられてしまうという趣向。もうパソコンとか関係ないし。
さて、悪の五大幹部はまだ4名も残っているし、悪の組織のヒエラルキーでは幹部の上に総統がいるのはお約束。「この手のイベントを行うのは業界でも当社だけ!」と妙な気合の入っているシマンテックのこと、きっとノートン・ファイターの活躍はまだまだ続くのだろう、たぶん。
1つだけ真面目に改善してほしいところを挙げると、ショーの前には十分な事前告知をしてくれたほうがいいと感じた(今回はあまりにもゲリラ的すぎる)。それと、個人的にはもっと観客の平均年齢が低いといいなとも思う。これはこれで、とても面白いヒーローショーなのだから。
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