なぜMac OS Xを使うようになったのか:元麻布春男のWatchTower(1/2 ページ)

» 2008年01月15日 11時15分 公開
[元麻布春男,ITmedia]

 これまで何回かに渡ってMac OS X 10.5「Leopard」のさまざまな点について見てきたが、1つ大きな疑問を無視してきた。それは、なぜMac OS Xを使うのか、特にWindowsを使っているユーザーにとってMac OS Xの魅力は何なのか、ということだ。これはとりもなおさず、なぜ筆者がWindowsとMacを併用するようになったか、という理由でもある。

Mac標準のWebブラウザ「Safari」

 世の中には、「PCなんてメールが読み書きできて、Webブラウザが動けば何でもよい」などという人がいる。いくらなんでもこれは乱暴すぎると思うが、多くの人にとってメールとWebブラウザが最も頻繁に利用するアプリケーションであることは間違いないだろう。逆に、この2つを利用しないPCユーザーというのは、まず考えられない。そしてMacに標準でバンドルされているWebブラウザとメールソフトが、なかなかよくできている。

Leopardの標準ブラウザSafari 3.0(左)とWindows XPの標準ブラウザIE 6(右)

 Mac OS XのWebブラウザといえばSafariだ。Safariのどこがよいのか。それをいちいち言葉で説明するより、まずは画面を見てもらった方が話が早い。右の画面は、Mac OS X Leopardのデスクトップ上に、Leopardに添付されているSafari 3.02と、Parallelsの仮想環境を用いてWindows XP上のInternet Explorer 6を並べたものだ。こうやって比べて見ると、IE6の文字(デフォルトのMS Pゴシック)はジャギーな上、線が細くて読みにくい。英語だとなおさらだ。ひょっとすると、1日で最も長時間利用するアプリケーションの表示が美しいかどうか、というのはかなり大きな要素ではないかと思う。

 Internet Explorer以外のブラウザというと、互換性を心配する人も多いだろう。確かに世の中にはIE以外のブラウザを考慮していないようなページも存在する。またページとしての表示は可能でも、コンテンツやDRMがWindowsに依存しているため、利用できないことも少なからずある。Safariでこういったページを利用することは難しいが、そうした特殊なページやコンテンツでなければ、たいていの場合、問題なく表示が可能だ。筆者の経験としては、Windows上のFirefoxでうまく表示できなかったページを、Leopard上のSafari 3.0で表示できたこともある。

左上から時計回りに、Safari 3.02、IE6(Windows XP)、Firefox 2.0.0.11(Windows XP)によるAcid2テストの実行結果。Safari以外はスマイリーの表示が崩れているのが分かる

 逆にSafariが先んじているのは、W3Cの標準勧告への準拠度を測るAcid2テストに、製品としてリリースされたブラウザとして、初めてパスした、ということが挙げられる(Safari Ver.2.02以降)。W3Cは、Webで利用されるさまざまな技術の標準化を目指している非営利団体であり、その勧告に強制力があるわけではないし、Webの世界にはほかにも多様な標準が存在するが、標準に関する1つの尺度であることは間違いない。実際、Microsoftも開発中のIE8でAcid2テストをパスしたことを明らかにしているくらいだ。

 Leopardに添付されるSafari 3.0の新機能として挙げておきたいのは、Webクリップと呼ばれる機能だ。文字通り、ブラウザで表示しているWebページの一部を切り出して、Dashboardウィジェットとして保存しておく機能だが、単なるメモ代わりになるだけでなく、Webサイトの更新に合わせて、ウィジェットも更新される。リンクなども生きたままだから、ウィジェット上でクリックすると、ブラウザが起動し、そのリンクが表示される。DashboardやWindows Vistaのサイドバーガジェットに、こういった機能を持つものは少なくないが、Webページの任意の部分をマウス操作だけでウィジェットが作れるのは便利だ。

SafariのツールバーにあるWebクリップのボタンを押すと、Safariで表示している任意の矩形エリアをガジェットに切り出すことができる(写真=左)。ガジェットに切り抜かれたコンテンツは、Webページの更新に合わせて更新される(写真=右)

使い勝手が秀逸なMailのData Detectors

Leopard標準のメーラ「Mail」。メール本文中でマウスカーソルを場所の上に移動すると、自動的にデータが認識される

 一方のメールだが、こちらにはSafariのような名前はなく、単にMailと呼ばれており、最新版はMail 3.1である。まずMailが優れているのはGmail(Google Mail)の設定が楽なこと。自分のアカウント(メールアドレスとパスワード)さえ入力すれば、必要な設定(サーバ名、SSL設定、ポート番号など)はすべてMailが行ってくれる。

 もちろん、こうした自動設定が行えるメールアカウントは限られており、Yahoo! Mailの場合も@yahoo.comは自動設定可能なものの、@yahoo.co.jpは手動で設定しなければならない。日本のメールアカウントにはほとんど対応していないようだが、日本でも利用者の多いGmailの設定が自動化されているだけでもありがたい。

 Mailのインテリジェントな機能で気に入っているのは、「Data Detectors」と呼ばれるものだ。メールの本文中で、場所、電話番号、日時といったデータをMailが自動判別し、ほかのアプリケーションと連携することができる。

 例えば、日時の上にマウスカーソルを運ぶと、日時が自動的にボックスで囲まれ、ワンタッチでその日時をカレンダー(スケジュール管理)ソフトであるiCalのイベントとして登録することが可能だ。登録を選ぶと、必要なデータとして日時が登録されているだけでなく、イベント名にはメールの見出しが、場所にはメールの本文から抽出した住所が自動的に登録されており、ユーザーが入力する手間を最小限にしてくれる。惜しいのは、ホテル名や宴会場名、会議室名を場所として認識してくれないことで、ぜひ次のバージョンでは対応してほしいところだ。

 同様に、最初に場所か電話番号を選択すると、データをワンタッチでアドレスブックに登録することができる。この時、アドレスブックには住所、名前(メールの送り手の名前)、メールアドレス、電話番号を拾い出して自動登録しておいてくれるのが便利だ。また、場所からワンクリックでGoogle Mapの地図表示を行うこともできる。このくらい自動化されていれば、これまで面倒くさくてコンピュータによるスケジュール管理やアドレス管理をあきらめてきた人も、もう1度挑戦してみる気になるかもしれない。

 そこまでちゃんとしたデータ管理をこころがけなくても、ちょっとした用事やメモなら、メモやTo Doリストの形で残しておくこともできる(To DoリストはiCalにも反映される)。付せん紙タイプのメモは以前からMac OSにあったものだが、メールと統合することでデータに残しやすく、探しやすくなった。To Doも、従来からiCalの中に用意されていたが、メールと統合されることで、より便利になったように思う。

新規iCalイベント作成を行うと、自動的にイベント情報が生成される(写真=左)。作成したイベントは、スケジューラのiCalに自動的に登録される(写真=中央)。メールからメモを作成することも可能だ(写真=右)

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