初心者向けから上級者用まで、使いやすいセキュリティソフトはどれ?ミニPCに最適なセキュリティソフトを選ぶ 第2回(2/3 ページ)

» 2008年08月15日 20時00分 公開
[瓜生聖,ITmedia]

ウイルスバスター2008――トレンドマイクロ

 シマンテック、マカフィーに並ぶ、いわゆるセキュリティソフト御三家の1つ。「ウイルスバスター2007」では、プログラムがインターネットにアクセスするたびに問い合わせのポップアップが出てくるような印象があったが、現在の「ウイルスバスター2008」では大幅に改善され、ほとんどポップアップが出てこなくなった。

 また、新機能にメモリ使用量50%以上の削減がうたわれているのも見逃せない特徴だ。これは以前のウイルス対策エンジン、スパイウェア対策エンジン、ルートキット対策ドライバを統合することでリソース効率が改善されたため。ただ、Windows XPの場合のメモリ要件が、ウイルスバスター2007では256Mバイト以上であったのに対して、ウイルスバスター2008では512Mバイト以上が推奨されているのは気になるところだ。なお、設定画面にはルートキットに関する記述がまったくないないが、実際には対応しているので安心してほしい。

ウイルスバスター2008のメイン画面。トップ部分の赤はプロダクトカラーであって、危険を表わしているのではない

 ウイルスバスター2008のインタフェースはオーソドックスなタイプだ。メイン画面には保護状況を示す大きめのアイコン、それに手動検索とアップデートのボタンがあり、左側にはウイルス/スパイウェア対策、不正侵入対策/ネットワーク管理など、カテゴリ別のボタンが並ぶ。カテゴリ選択後、右画面から設定などのボタンをクリックすると別ダイアログが表示されるが、そこには必ず「この画面の説明」というヘルプへのリンクボタンが用意されており、状況に応じたヘルプにアクセスできる。ヘルプは単なる画面の説明だけではなく、調べたいこと、探している情報が列挙されており、分かりやすさを念頭においた非常に充実したものになっている。

 そのほか、3クリックでインストール、必要な設定は1つのみ、という簡単な導入手順、すでに他社製セキュリティソフトがインストールされていた場合には自動的にアンインストールするという徹底ぶりも乗り換えの面倒さにしり込みするユーザーにはうれしい機能だろう。

詳細設定画面。ヒューリスティックスキャンの有効/無効などの選択肢はない(画面=左)。ヘルプはユーザーの立場で作られた、非常に分かりやすいものと言える。アイコンが多く使用されておりカラフルだ(画面=中央)。無線LANパトロールは無線アクセスポイントへのただ乗りを検知する。実際には無線に限定されない(画面=右)

カスペルスキーインターネットセキュリティ7.0――ジャストシステム

 カスペルスキーは1時間ごとのパターンファイル更新、“世界最高峰”の検出率で知られる製品だ。ウイルスコレクターのあいだではカスペルスキーに準拠してウイルスの分類がなされるほど、検出率と網羅性が高い。日本国内では2007年に販売元がジャストシステムになり、一気に知名度を上げて“新定番”の座を獲得した。

 カスペルスキーの特徴はなんといってもその性能であり、かつ細かい設定ができる点だ。ただしその半面、初心者には使い勝手で難解な部分が多く、これまで上級者向けの印象が強かった。前バージョンの「カスペルスキーインターネットセキュリティ6.0」(以下、カスペルスキー6)では「インターネットを毎日2時間以上使うあなたに。」というコピーがつけられていたが、新バージョンの「カスペルスキーインターネットセキュリティ7.0」(以下、カスペルスキー7)では「インターネットで大切な個人情報を扱うあなたに。」に変化しており、より一般的なユーザーもターゲットにしているようだ。

カスペルスキー7のメイン画面。トップの色で安全性を表現している。設定項目は非常に詳細だ

 実際、インタフェースはメイン画面のトップ部分に安全性を緑・黄・赤で表示する分かりやすいものになっている。これはNIS2008などでも採用されている方法だが、カスペルスキー7の場合はプロダクトカラーが緑であることもあって、安全を示す緑でない場合はユーザーがすぐに危険だと判断できるうまい仕組みだ。ヘルプも充実しており、特定機能へのショートカットも用意されているものの、説明が文字ばかりである点は惜しいところだ。

 カスペルスキー7には、プロアクティブディフェンスとして、アプリケーションの動作を監視するアプリケーションアクティビティアナライザ、アプリケーションの改ざんを監視するアプリケーションインテグリティコントローラ、システムレジストリの監視を行うレジストリガードがあるが、このうちアプリケーションインテグリティコントローラとレジストリガードは初期状態でオフになっている。そのほか、ファイルアンチウイルスのヒューリスティックアナライザもオフだ(メールやウェブに関してはオン)。

 これはヘルプに「カスペルスキーラブスでは、ヒューリスティックアナライザで検知した新たな脅威を迅速に分析し、定義データベースの更新時にその駆除方法を追加します。したがって、定義データベースを定期的に更新しコンピュータの保護レベルを最適化しておけば、ヒューリスティックアナライザを定期的に使う必要はありません。」という注意書きがある。

 カスペルスキーは1時間に1度程度の高頻度のパターンファイルアップデートが特徴であるため、その自信の表れだともとれるが、その定義データベースに追加される「ヒューリスティックアナライザで新たな脅威を検知する」ためには、なるべく多くの人がヒューリスティックアナライザを定期的に使うべきであるようにも思える。ユーザーは製品情報や機能紹介で挙げられている機能のすべてが初期状態で有効であると早合点してしまわないよう意識しておく必要があるだろう。

 もっとも、このような設定は一般ユーザーが直面する脅威の可能性とパフォーマンスの低下のバランスを考慮した、カスペルスキーの推奨設定でもあり、一般ユーザーであればそこまで気にする必要はないのかもしれない。

 価格に関しては新規1年/1ユーザのダウンロード版が8900円と、1ライセンスで3ユーザまで利用可能な製品が主流となりつつある現在では高価な印象があるが、他社製セキュリティソフトやジャストシステム製ソフトの利用者を対象とした優待版が1年/1ユーザーで4914円で提供されている。

ヒューリスティックスキャンはファイル、メール、WWWと、それぞれに対して有効/無効を設定できる。初期状態ではファイルに対するヒューリスティックスキャンは無効になっている(画面=左)。カスペルスキー7には本来チェックできないWWWの暗号通信(HTTPS)をチェックするユニークな機能がある。ただし、この機能を使うと証明のパスが無効になる(画面=中央/右)

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