「PC遊び」が帰ってきた? 楽しいEee PC 901-X小寺信良の現象試考(2/3 ページ)

» 2008年09月29日 12時15分 公開
[小寺信良,ITmedia]

OS入れ替えが苦にならない現状

 筆者がLinuxを触ったのは、約10年ぶりのことである。当時のLinuxは、Turbo、Vine、Plamoといったディストリビューションがしのぎをけずっていたが、まだまだハッカーとサーバ管理者のものという傾向が強かった。

 だがこの10年で、ずいぶん事情が変わった。デスクトップOSとしても、充分に魅力的なOSに至ったと思う。以前はコマンドを知らないと基本的な設定やドライバのインストールもままならなかったが、管理ツールはGUI化が進み、自力でいろいろテストしながらの設定も可能になった。

 同時にコマンドラインの動作もそのまま残っているのもいい。サイトの情報を見よう見まねでやる場合は、GUIよりも便利だ。コマンドラインをまるごとコピーして、はり付ければいいからである。

 これらOSのインストールは、ただ入りました、なんか動きました、というだけでは面白くない。実際に仕事で普通に使えるレベルになってこそ、やる意義があるわけである。これまでOSを何度も入れ替えたが、実用上それほど苦にならなかったのは、以前よりもツールやデータの置き場がオンライン化したからだと思う。ローカルで動かすものは標準のもので充分だし、とりあえずFirefoxさえ動けばなんとかなる。

 例えばブックマークは、もともとGoogle Toolbarのブックマークに預けっぱなしだし、メールはGmailにみんなコピーがある。他のPCとのファイル連携は、DropBoxでシンクロできる。スペシャルなアプリケーションを使う仕事は、別途もっとパワフルなマシンでこなせばいい。

 実は使ってみるまで一番心配だったのが、日本語入力である。10年前は、当時標準の日本語入力システムでは変換効率が悪く、別途Wnnを購入してインストールしていたものだ。

 しかし現在は標準的に使われている日本語入力システム「Anthy」もなかなか出来がよく、最初からそれほどハズさない候補があがってくる。キーアサインを多少変更しただけで、昔のように「辞書を鍛える」ような儀式は必要ないのがありがたかった。

 いやもちろんEee PCは、OSの入れ替えだけでなく、ハードウェアの改造も盛んだ。SSDの換装といったオーソドックスなものから、内部にUSBポートを増設してSDカードをストレージとして使うといったものまで、さまざまな試みが成されている。ただここでは詳しくは触れない。

 なぜならばデスクトップPCと違い、ノートPCではバッテリが絡むため、ショートによる発火や破裂などに対して十分な注意が必要だからである。電車の中でカバンからモクモク煙が出てきたら、どう考えてもキミの人生は劇的にマズいことになるだろう。ハードウェア的な改造を施したEee PCを持ち歩くときは、完全にシャットダウンする、バッテリを外すといった対応を取るべきだ。

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