Athlon X2 7000シリーズはK10のアーキテクチャを採用したデュアルコアCPUだ。ラインアップは2つあり、上位モデルが動作クロック2.7GHzの「Athlon X2 7750 Black Edition」で、もう1つが動作クロック2.5GHzの「Athlon X2 7550」だ。モデルナンバー表記もPhenom世代に沿ったもので、クアッドコアが9000番台、トリプルコアが8000番台ならデュアルコアは7000番台ということになるため、従来のAthlon X2とはモデルナンバーを単純に比較できない。
“kuma”こと、K10世代のデュアルコアCPU「Athlon X2 7750 Black Edition」 日本AMDによると“kuma”Athlon X2がリテールとして販売されるのは日本に限られるという。OPNは“AD775ZWCJ2BGH”| 製品名 | コアクロック | HTバスクロック | 1次キャッシュ | 2次キャッシュ | 3次キャッシュ | メモリサポート |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Athlon X2 7750 BlackEdition | 2.7GHz | 3.6GHz | 128KB(64KB+64KB)×2 | 512KB×2(1MB) | 2MB | PC2-8500(DDR2-1066) |
| Athlon X2 7550 | 2.5GHz | 3.6GHz | 128KB(64KB+64KB)×2 | 512KB×2(1MB) | 2MB | PC2-8500(DDR2-1066) |
| Athlon X2 5200+相当 | 2.7GHz | 2GHz | 128KB(64KB+64KB)×2 | 512KB×2(1MB) | − | PC2-6400(DDR2-800) |
| Athlon X2 4800+ | 2.5GHz | 2GHz | 128KB(64KB+64KB)×2 | 512KB×2(1MB) | − | PC2-6400(DDR2-800) |
| Phenom X4 9350e | 2.0GHz | 3.6GHz | 128KB(64KB+64KB)×4 | 512KB×4(2MB) | 2MB | PC2-8500(DDR2-1066) |
| 製品名 | プロセスルール | トランジスタ数 | ダイサイズ | TDP | Max.TEMP | コア電圧 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Athlon X2 7750 BlackEdition | 65ナノ | 4億5000万 | 285平方ミリ | 95ワット | 73度 | 1.2〜1.25ボルト |
| Athlon X2 7550 | 65ナノ | 4億5000万 | 285平方ミリ | 95ワット | 73度 | 1.2〜1.25ボルト |
| Athlon X2 5200+相当 | 65ナノ | 2億2100万 | 126平方ミリ | 65ワット | 55-68度 | 1.325〜1.375ボルト |
| Athlon X2 4800+ | 65ナノ | 2億2100万 | 126平方ミリ | 65ワット | 55-72度 | 1.25〜1.35ボルト |
| Phenom X4 9350e | 65ナノ | 4億5000万 | 285平方ミリ | 65ワット | 70度 | 1.0〜1.125ボルト |
まずは、スペックからAthlon X2 7000シリーズと従来のAthlon X2を比較してみよう。製造プロセスが65ナノメートルプロセスルールという点は共通だ。さらに1次キャッシュメモリと2次キャッシュメモリの容量も同じ。異なるのは3次キャッシュメモリで、Phenomの流れをくむAthlon X2 7000シリーズは2Mバイトの3次キャッシュメモリを搭載している点が、従来モデルに対するアドバンテージとなる。また、2Mバイトという容量はPhenom X4/同 X3と同じだ。HyperTransportのリンククロックは従来の2GHzから3.6GHzへと上がっている。さらに、CPUに内蔵するメモリコントローラも従来のAthlon X2とは異なりDDR2-1066までサポートする。

Athlon X2 7750 Black EditionのCPU-Z、CPU項目(写真=左)。Athlon X2 4800+のCPU-Z、CPU項目(写真=右)。なお、コア電圧に関してはAMDが明らかにしているスペックとは異なる値が示されていた次はCPU-ZのCPUタブから確認してみる。先に挙げた相違のほかにも、Athlon X2 7750 Black Editionは命令セットのSSE 4Aに対応していることが従来のAthlon X2と異なる。また、メモリの実動作クロックにも差がある。PC2-6400メモリを組み込んでCPU-ZのMemoryタブを確認してみると、Athlon X2 7750 Black Editionは400MHz動作、Athlon X2 4800+は360MHz動作、2.7GHz駆動させたAthlon X2 5000+ Black Editionでは387MHz動作となっている。


CPU-ZのMemory項目。Athlon X2 7750 Black Edition(写真=左)。Athlon X2 4800+(写真=中央)。2.7GHz(200MHz×13.5倍)で動作させたAthlon X2 5000+(写真=右)今回の評価作業で用いたAthlon X2 7750 Black Editionは、これまでのBlack Editionと同様に倍率変更が可能なので、倍率を変更することで動作クロックを2.5GHzにして、Athlon X2 7550相当の状態でも測定を行っている。また、それ以外にも同クロックのK8世代デュアルコアCPUとして、2.7GHz動作となるように倍率を変更したAthlon X2 5000+ Black Edition(Athlon X2 5200+相当)と2.5GHz駆動のAthlon X2 4800+を用意し、加えて、K10世代のバリュークラスのCPUとしてPhenom X4 9350e(2.0GHz)を用意してみた。
| テスト環境 | System1 | System2 | System3 | System4 | System5 |
|---|---|---|---|---|---|
| CPU | Athlon X2 7750 BE(2.7GHz) | Athlon X2 7550(2.5GHz) | Athlon X2 5200+相当(2.7GHz) | Athlon X2 4800+(2.5GHz) | Phenom X4 9350e(2.0GHz) |
| マザーボード | ASUS M3A78-T | ||||
| チップセット | AMD 790GX+SB750 | ||||
| メモリ | DDR2-800(2Gバイト×2/5-5-5-12) | ||||
| グラフィックスカード | Leadtek WinFast PX9600 GT(GeForce 9600 GT) | ||||
| グラフィックスドライバ | Forceware 180.34 | ||||
| HDD | WD WD3200AAJS-B4A(320GB/7200rpm/8MB) | ||||
| OS | Windows Vista Ultimate (SP1) 32ビット英語版 | ||||
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