始まる前から腹いっぱい──CES Unveiledを待たずに登場した「次世代Eee PC」2009 International CES(1/3 ページ)

» 2009年01月07日 18時00分 公開
[長浜和也,ITmedia]

 今回、ASUSから紹介された新製品はEee PCシリーズの最上位モデルとなる「Eee PC S121」だ。2008年11月に発表されて、その薄いボディと高級感のあるデザインに注目が集まった「Eee PC S101」のさらに上をいくラインアップとなる。

 Eee PC S101の薄くて軽いデザインの特徴をさらに進化させたEee PC S121は、ボディデザインや主要スペック、そして価格帯までもがもはや「Netbook」「低価格ノートPC 」に収まらないほどに大きく変化した。ASUSの説明によると2009年の1月中にはEee PC S121の出荷が開始される予定で、価格は約1649ドルとなる見込みだ。

 主要スペックで特に注目されるのが512Gバイトという大容量のSSDを搭載したことだ。ほかにも、CPUはEee PC S101のAtom N270からAtom Z520に変更され、液晶ディスプレイは12.2型ワイドと大型になり、ボディサイズは11.7(幅)×8.3(奥行き)×0.9〜1インチとさらに薄くなる。重さは3ポンド。また、バッテリー駆動時間は、約8時間になる見込みでこれもEee PC S101から大幅に伸びた。

 説明会でASUS台湾本社CEOのジェリー・シェン氏が行った説明によると、「起動時間は20%改善され、データ転送速度はほかのSSD搭載モデルより2倍速くなり、スタンダードなHDD搭載モデルより3倍速くなる」ことが期待されている。

会場で確認されたEee PC S121(写真=左)にはWindows 7が導入されていた(写真=中央)。Eee PC S121の主な仕様と期待されるパフォーマンス(写真=右)

Eee PC S121に搭載されているインタフェース。左から背面と右側面(なぜか左側面撮り忘れ)

 プレゼンテーションでは、米Intel 上級副社長兼セールス&マーケットジェネラルマネージャーのシーン・マロニー氏のビデオレターが紹介されたほか、米Microsoft OEMディビジョンマーケティングジェネラルマネージャーのデーブ・フェスター氏が登壇して、Windows Liveを使ったビデオチャットやストリーミング動画の再生、携帯電話との通話デモが「Windows 7を導入した」Eee PC S121を使って紹介された。

米Microsoftのシーン・マロニー氏はEee PC S121を使ってワイヤレス接続で利用できるビデオチャットや動画再生などのデモを行った(写真=左)。たまたま、記者の隣の席でマロニー氏の通信相手になっていたEee PC S121にもWindows 7が導入されていた

Eee PCにもコンパチプルの風が吹く

 続いて紹介されたのは、シェン氏が「次世代のコンピューティングはフレンドリーでなければならない」と説明するPCに求められる「マルチタッチ操作に対応したコンパチブルなNetbook」という条件を満たす「Eee PC T91 Touch Netbook」だ。

 マルチタッチに対応する8.9型ワイドの液晶ディスプレイを裏返してスレートタイプのTablet PCに姿を変えることも可能だ。ボディの厚さは1インチ以下となる計画で、重さは2ポンド。Eee PC T91 Touch NetbookでもCPUはAtom Z520が採用されるほか、テレビチューナーやGPSがオプションで内蔵される。

 なお、説明で示されたスライドにはOSがWindows XP Home Editionとされていた。マルチタッチはWindows 7を導入して可能になるとASUSは説明している。

Eee PCシリーズで初めてとなるコンパチブルスタイルを採用した「Eee PC T91 Touch Netbook」(写真=左)は、液晶ディスプレイを裏返してスレートタイプのTablet PCに変身する(写真=右)。製品名にNetbookと入るのもEee PCシリーズでは初めてではないだろうか

Eee PC T91 Touch Netbookのサンプルに搭載されているインタフェース類。左から左側面、背面、右側面、キーボードと液晶ディスプレイ。なお、説明で示されたスライドには「Eee PC T91 Touch Netbook」と記されていたが、この展示機を説明するボードには「Eee PC T101H」と示されていた。こちらでは、液晶ディスプレイのサイズが10型ワイドとなっている

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