2009年はSound Blaster X-Fi Titaniumシリーズで音にもこだわる(1/2 ページ)

» 2009年01月20日 16時16分 公開
[嶺川貴夫,ITmedia]

PCI Expressにネイティブで対応したSound Blaster

フラッグシップとなる「PCI Express Sound Blaster X-Fi Titanium Fatal1ty Champion Series」のパッケージ

 クリエイティブメディアからPCI Express対応のサウンドカード、「PCI Express Sound Blaster X-Fi Titanium」シリーズがリリースされた。Titaniumシリーズは全3モデル構成で、価格が高い順にTitanium Fatal1ty Champion Series(直販価格2万2800円)、Titanium Professional Audio(同1万7800円)、そして最下位モデルTitanium(同1万2800円)がラインアップされている。ここでは、最上位のTitanium Fatal1ty Champion Seriesを中心にレビューをお届けしよう。

 Titaniumシリーズのプレスリリースでは、「PCI Express用に新規に設計し直したX-Fiオーディオプロセッサを搭載した、世界初のハードウェアアクセラレーション対応PCI Expressネイティブサウンドカード」とうたわれている。PCI Express対応カードとしては同社はすでに2007年に「PCI Express Sound Blaster X-Fi Xtreme Audio」を発売しているが、こちらはPCI用のチップをブリッジチップによりPCI Expressに接続したものでネイティブ対応ではない。さらに後述の3Dサウンドのハードウェアアクセラレーションのサポートについても機能的にはPCI版のX-Fiシリーズに劣るものとなっていた。一方、今回のTitaniumシリーズではPCI Expressのコントローラを内蔵したX-Fiオーディオプロセッサ「X-Fi Xtreme Fidelity」を搭載し、PCI用のX-Fiシリーズよりも高いパフォーマンスを実現しているという。最新のマザーボードではPCIスロットの数も減少傾向にある中で、サウンドカードのPCI Express対応はまさに望まれていたものだろう。

上位モデルはEMIシールドと豊富な入出力端子を装備

PCI Expressインタフェースを内蔵した「CA20K2」

 それでは製品の外観をチェックしていこう。ブラケット部の入出力は3モデルとも共通だ。上位2モデルはカード全体が「EMIシールド」で覆われており、ノイズ耐性の向上が図られている。スペック的には(チップの性能ではなく)カードレベルで全出力S/N比109デシベルとかなりの高音質だ。実際に試聴してみてもノイズや音の細さといったマイナス要因は感じられなかった。

 フラッグシップのFatal1ty Champion Seriesにのみ付属するのが、「X-Fi I/Oドライブ」と呼ばれるモジュールだ。3.5インチまたは5インチベイに取り付けられるモジュールで、カードとは2本のケーブルで接続される。入出力として、ボイスチャットに便利なマイク入力、ヘッドフォン出力に加え、RCAピンの入力を備える。アナログ出力とマイク入力のボリュームコントローラは押し込むことで、前面をフラットにできる。フロントパネルにカバーが付いているようなPCケースでも問題なく使えるようにという気遣いだ。さらに後述のゲームモードへの切り替えや、X-Fi CMSS-3D/X-Fi Crystalizerのオン/オフスイッチも備える。

最上位モデルにはフロントアクセス用の「X-Fi I/Oドライブ」が付属する
5インチ/3.5インチベイのどちらでも搭載可能だが、RCAピンを使うには5インチベイが必要だ
マイク入力、ヘッドフォン出力(いずれもミニジャック)に加え、ゲームモード切り替え、X-Fi CMSS-3D、X-Fi Crystalizerのスイッチが並ぶ

キャッシュメモリ(X-RAM)は64Mバイトで、Cirrus Logic製のD/Aコンバータ「CS4382」、Wolfson Microelectronics製のA/Dコンバータ「WM8775」を搭載する
背面にミニジャック×5(7.1チャンネル出力+マイク入力)、角形の光デジタルの音声入出力端子が装備される。Windows VistaのUniversal Audio Architecture(UAA)に準拠している
カードには、電磁波を遮断する「EMIシールド」が装着されている

 一方、X-Fi I/Oドライブを省いたProfessional Audioも見逃せない特徴がある。それは、カード上にHDMIヘッダー端子を実装し、NVIDIA製のグラフィックスカードに接続することで、グラフィックボードのHDMI出力から映像とオーディオを同時に出力することが可能だ(ただしメーカーのサポート対象外)。

 加えて、高品質なRCAアナログケーブルが4本付属しており、7.1チャンネルの出力だけでなく、アナログソースの録音にも一役買ってくれる。本モデルのみアナログデータをデジタル化する際に役立つ「Creative Media Toolbox」がバンドルされるのも見逃せない。スケジュール録音や自動分割、録音ファイルからのCDDBによる情報取得機能もあるので、レコードやカセットテープなどのアナログソースのデジタル化には最適なパートナーとなりそうだ。

日本専用モデルとなる「PCI Express Sound Blaster X-Fi Titanium Professional Audio」のパッケージ
EMIシールドにより、ノイズの低減を実現。通電時にシールド側面のX-Fiロゴが光るギミックもユニークだ
Professional Audioにのみ、長さ2メートルのアナログミニピン−アナログRCA変換ケーブルが4本付属する

ライン出力はUAA準拠。Windows Vista上でマイクやライン入力の接続が検出される。こちらはFatal1ty Champion Seriesの画面
Professional Audioの画面では、「デジタル出力デバイス(HDMI)」となってアイコンも異なる
ヘッドフォン接続時に自動で背面ライン出力/光デジタル出力をオフにする設定が可能。ただし、Dolby Digital Liveの出力は消音されない

Dolby Digital LiveとDTS Interactiveに対応

 PCI Expressへのネイティブ対応以上の大きなトピックが、Dolby Digital LiveとDTS Interactiveへの対応だろう。

 従来のSound Blasterシリーズでは、ゲームの3Dサウンド(マルチチャンネルオーディオ)の実現には5.1チャンネル時で3本のアナログオーディオケーブルをアンプ/スピーカーシステムに接続する必要があった。この場合、アンプ側には5.1チャンネルのアナログ入力が必要となる。低価格なホームシアターシステムではアナログ入力は2チャンネルしかないものが多く、これには対応できない。サウンドカードのデジタル出力機能は、サラウンドに関しては実質DVD-Videoの再生にしか使えなかったのである。

 Titaniumシリーズでは、マルチチャンネルオーディオを含むすべての出力をDolby Digital/DTS Interactiveにリアルタイムエンコードしてデジタル出力することが可能となった。これにより光ケーブルを1本接続するだけで、低価格のアンプ・スピーカーシステムでもゲームの3Dサウンドが楽しめるわけである。

 AV鑑賞専用として使っていたホームシアターシステムも、ゲーム用として手軽に転用できるのはとても便利だ。2チャンネルのオーディオソースもCMSS-3D機能によりマルチスピーカー再生が可能なので、活躍する場面は多いはずだ。

 ただし、ソフトウェアによるDolby Digital/DTS Interactiveのエンコード、アンプ側でのデコードを経るためか、アナログ再生時に比べてわずかながら発音の遅延が感じられた。これはアンプの処理能力にも左右されるだろう。それほどシビアな発音タイミングが問題となるゲームがあるかは分からないが、気になる人はアナログ出力の併用も考えたほうがいいかもしれない。ちなみに、Titaniumシリーズではヘッドフォン接続でもサラウンドサウンド(CMSS-3Dheadphone)が楽しめる(いわゆるバーチャルサラウンド)ので、アナログケーブル接続が困難な場合は、こちらも試してほしい。

 Dolby Digital Live同様の機能として、DTSへのエンコードを可能にするDTS Connectへも、クリエイティブメディアのWebサイトで配布されている最新ソフトウェアにより対応する。ただし、こちらの対応はWindows Vistaでのみ利用できる。

Dolby Digital LiveとDTS Interactiveの設定画面。製品同梱のソフトウェアではインストール時にインターネット経由のアクティベーションが必要だが、同社サイトで配布される最新版のソフトウェアではアクティベーションは不要だ
Windows Vista使用時は、サウンドのプロパティで「デジタルレシーバによりデコードできる形式を選択」で設定を行う必要がある
X-Fi CMSS-3Dにより、ヘッドフォンでも3Dサウンドが楽しめる。設定画面ではヘリコプターが頭の回りを動くテスト音を出力することも可能だ

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