日本ヒューレット・パッカードの個人向けラインアップに店頭販売用のスタンダードなミニタワー型PC「HP Pavilion Desktop PC a6700jp」シリーズが追加された。スペックの違いで3種類が用意されるが、ここではPentium Dual-Core E2200(2.2GHz)を搭載した最廉価モデル「HP Pavilion Desktop PC a6740jp」(以下、a6740jp)を評価する。
a6740jpのボディは、178(幅)×414(奥行き)×387(高さ)ミリで、ハイエンドに位置付けられる「HP Pavilion Desktop PC m9380jp」よりもやや小さく、デザインも簡素化されている。フロントマスクは光沢のあるピアノブラックを基調にし、ベイカバー部分をマットなブラックに仕上げており、HP Imprintによるグラフィックパターンをプリントした中央部のプレートや、ロゴが光るギミックなども省かれている。もっとも、これはこれでシンプルに仕上がっており、見た目の印象はよい。
拡張性については、5インチサイズの光学ドライブと3.5インチHDDを2基ずつ搭載できる(標準でそれぞれ1基ずつ使用済み)ほか、HPオリジナルの拡張ベイとして、2.5インチHDDユニット(別売り)を着脱できる「ポケットメディア・ドライブベイ」(USB接続)を装備する。
また、SDメモリーカードやメモリースティック、xDピクチャカードなど15種類のメモリカードの読み書きに対応した「15in1メディアスロット」も標準で備える。なお、上位のm9380jpには下部右カバー内に「パーソナル・メディア・ドライブベイ」と呼ばれる3.5インチHDDユニットを着脱できるベイを装備していたが、これは省かれた。また、中央カバー内には前面インタフェースとして2基のUSB 2.0ポートとヘッドフォン、マイク端子が格納されている。
m9380jpと同様に、ケース内部はマザーボードを下向きに装着する構造となっており、内部へは右側のサイドカバーを外してアクセスする。サイドカバーは背面のネジ1本で固定されているので簡単に取り外すことができる。m9380jpに比べてギミックが少ないぶん、内部はすっきりしており、各パーツへのアクセスは容易だ。特に5インチベイデバイスは板バネ式のアタッチメントの操作で簡単に着脱できる。
本機は店頭モデルのため、スペックは固定になる。CPUにはコストパフォーマンスの高さで定評のあるPentium Dual-Core E2200(2.2GHz)を採用する。Pentium Dual-CoreはCore 2 Duoの廉価版であり、FSBが800MHzに制限され、2次キャッシュ容量が1Mバイトに減らされてはいるものの、E2200の動作クロックは2.2GHzなので、日常的な用途には十分なパフォーマンスだろう。
システムの中核となるマザーボードは、NVIDIAのGeForce 7100+nForce 630iチップセットを搭載したFOXCONNの製品を採用している。microATXフォームファクタで、PC2-6400対応のDIMMソケットを2本搭載し、最大容量は4Gバイトまで。標準構成では2Gバイトのモジュールが1枚装着されている。なお、チップセットの仕様上、メモリのデュアルチャンネルアクセスには対応しておらず、メモリを2枚搭載した場合もシングルチャンネルアクセスとなる。FSB 800MHzのPentium Dual-Coreとのバランスはとれており、この部分が大きく足を引っ張るということはないはずだ。
拡張スロットは、PCI-Express x16スロットが1本、PCI-Express x1が2本、PCIスロットが1本という構成だ。PCI Express x16スロットにはNVIDIA GeForce 9300GEを搭載したグラフィックスカード(メモリ256Mバイト)が装着済みで、チップセット内蔵のGeForce 7100グラフィックスコアは使用されない。
このグラフィックスカードには、DVI-I出力端子とHDMI端子が装備されているほか、DVI→アナログRGB変換アダプタも付属する。GeForce 9300GEはローエンドのGPUだが、チップセット内蔵グラフィックスコアよりは3D描画性能が高く、ライトなオンラインゲームなどなら十分プレイできるレベルにはある。また、第2世代のPureVideo HDに対応しており、対応ソフトウェアと組み合わせることでHDコンテンツのスムーズな再生も行える。
ストレージとしては、Serial ATA(3Gbps)に対応した回転速度7200rpmの3.5インチHDDを1基内蔵する。容量は320Gバイトと、ローエンドモデルだけにひかえめな内容だが、前面の着脱式ベイ「ポケットメディア・ドライブベイ」用のポータブルHDD(500Gバイト/5400rpm)もオプションで発売される予定だ。一方、光学ドライブとしては、Serial ATAインタフェースを採用したDVDスーパーマルチドライブを5インチベイに備える。こちらはディスクのラベル面にレーザーを使ってイメージをプリントできる「Light Scribe」をサポートしている。
チップセット内蔵機能(+外部PHY)を利用した有線LAN機能は、100BASE-TXまでの対応で、サウンド機能もマザーボードにオンボードされているHD Audio(8ch出力対応)と、このあたりは必要最小限といったところだ。また、プリインストールOSも、Windows Vista Home Basic(SP1)となっている。
※記事初出時、プリインストールOSをWindows Vista Home Editonと誤って記載しておりました。おわびして訂正いたします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.