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より速く、より強くなった「VAIO type G」を検証するVAIO堅牢モバイルの進化型(2/3 ページ)

» 2009年01月28日 11時00分 公開
[鈴木雅暢,ITmedia]

チップセット内蔵グラフィックス機能は2世代進化

 GS45内蔵のグライックスコア「Intel GMA 4500MHD」は、DirectX 10に対応している。2世代前のコアにあたる従来のGMA950に比べれば3D描画性能は進歩しており、グラフィックスメモリとしてメインメモリの一部を利用するため、対応メモリがDDR3-800になったことも性能アップにつながっている。

 また、MPEG-2、MPEG-4 AVC/H.264、VC-1のハードウェアデコードを含む動画再生支援機能を搭載し、対応ソフトと組み合わせることでBlu-ray DiscタイトルなどのHDコンテンツを少ないCPU負荷で再生することができるのも強みだ。VGN-G3KANBの光学ドライブはDVDスーパーマルチドライブなので、すぐにメリットを実感する機会はないかもしれないが、今後はビジネスでもHDデジタルビデオカメラの撮影データなどを扱う機会も増えてくると思われるだけに、心強い機能といえるだろう。

 メインストレージには、容量120Gバイトの1.8インチHDD(Serial ATA/回転速度5400rpm)を採用する。1.8インチHDDは2.5インチHDDより性能面で劣るものの、従来機と比べて回転速度が4200rpmから5400rpmにアップしたことで、かなり性能が改善されている。

右側面にDVD±R DL書き込み対応のDVDスーパーマルチドライブを備えている

 光学ドライブは右側面にDVDスーパーマルチドライブを標準で内蔵している。ソニースタイルではこのドライブ構成を柔軟にカスタマイズすることができ、1.8インチHDDを最大256GバイトのSSD(128GバイトSSD×2基によるRAID 0構成)や、128GバイトSSD(64GバイトSSD×2基によるRAID 0構成)、64GバイトSSD(64GバイトSSD×1)に変更できるほか、光学ドライブのスペースに最大320Gバイトの2.5インチHDDを搭載することも可能だ。光学ドライブを省き、SSDのみの軽量かつ堅牢性の高いゼロスピンドル構成とすることもできる。

 端子類の配置は従来機を踏襲しているが、左側面のUSB 2.0ポートが2基に増え、左右合計で3基となった。左側面にはPCカードスロットも引き続き装備し、そのほかにメモリースティックPROスロットとSDHC対応SDメモリーカードスロットを前面に搭載している。ディスプレイ出力としては右側面の奥にアナログRGB出力を備える。

 ほかでは、従来左側面の手前側にあった盗難防止用ロック取り付け穴(通称:ケンジントンロック)が奥側に配置されたことも歓迎したい。ビジネス向けを意識した内容のためインタフェースに先進性はないが、着実に改良され、使い勝手が増している。通信機能としては、ギガビットLAN対応の有線LANのほか、IEEE 802.11a/b/g/n(11nドラフト準拠)の無線LAN、Bluetooth 2.1+EDR、モデムも備えている。

前面にメモリースティックPROスロットとSDHC対応SDメモリーカードスロット、ヘッドフォン、マイクの端子を用意(写真=左)。背面はバッテリーパックで占有されている(写真=右)

左側面に盗難防止用ロック取り付け穴、ACアダプタ接続用のDC入力、有線LAN、通風口、TypeII×1のPCカードスロット、2基のUSB 2.0が並ぶ(写真=左)。右側面にはアナログRGB出力、モデム、1基のUSB 2.0、DVDスーパーマルチドライブを搭載する(写真=右)

ビジネス向けに特化したディスプレイ&入力環境

ビジネスを意識した1024×768ドット表示の12.1型スクエア液晶ディスプレイを装備

 LEDバックライトを採用したスクエア液晶ディスプレイのサイズは12.1型で、従来通りワイドではないスクエア(4:3)画面を採用しており、画面解像度は1024×768ドット(XGA)となっている。表面は非光沢仕上げで、ひっかき傷を防止するハードコートが導入されている。液晶ディスプレイの画質にこだわりが強いVAIOノートとしては、輝度、発色ともに特筆することのない地味な印象の液晶で、視野角も広くないが、ビジネス向けPCとして必要十分な視認性は確保している。

 また、内蔵の照度センサーで周囲の明るさを検知して自動的に輝度を調整する「自動輝度調整」のほか、静止画や動画を自然な色で表示する「静止画色補正」「動画色補正」といった機能を備えている。液晶ディスプレイの開く角度は140度前後で、段階的にトルクを上げることで少ない力でスムースな開閉が行えるよう可変トルクヒンジが新たに採用された。天板の剛性が増して、ディスプレイ部のしなりが抑えられたことも加え、開閉はスムーズに行える。

液晶ディスプレイの輝度調整や色補正の機能は「VAIOの設定」から行える。このVAIOの設定では、省電力機能やHDD保護設定、セキュリティなどの設定も一括して管理できて利便性が高い

従来機よりパームレストが広がり入力しやすくなったキーボード

 キーボードはコンシューマー向けVAIOでおなじみとなったアイソレーションキーボードではなく、従来機同様のごくノーマルなものとなっている。主要キーのキーピッチが約17ミリ、キーストロークが約2ミリというスペックは従来機と同じだ。タッチ感も大差ない印象で、強くタイプするとわずかにたわむ感触はあるが、軽くタイプするなら気にならないだろう。従来はバッテリー位置の関係でパームレストが狭かったが、今回はパームレストを広くとるよう変更され、全体的な打ちやすさは向上している。

 2ボタンタイプのタッチパッドは、パッドの右辺と下辺を利用してのスクロールなどが可能だ。従来機と比べるとボタンが大きく押しやすくなっている。また、キーボードの左奥には、ワイヤレス通信のスイッチと指紋センサー、右奥に電源ボタンと光学メディアのイジェクトボタン、ワンタッチボタン(プログラマブル)を備え、右パームレスト部分にはFeliCa 2.0ポートを搭載している。こういった配置も従来機を踏襲したものとなっている。

VGN-G3KANBのデバイスマネージャ画面

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