景気低迷が叫ばれる昨今、新製品パーツの予算をねん出するのが難しくなっている人もいるだろう。そこで狙い目なのが中古買い取りショップだ。自作PCが組めるパーツ一式を売りに出すと、ものによっては4〜5万円になることもある。この臨時収入を足せば、Netbookを買う程度の予算を用意するだけでハイスペックなマシンが組めるのだ。
PCパーツの売り手ばかりが溢れている状況では割高な買い取りは望めないが、ソフマップ秋葉原買取センターは「ちょうどサブプライムローン問題が本格的に上陸した2008年秋口くらいから、中古パーツの販売が急激に伸びています。その一方で買い取りのペースが追いついておらず、モノ不足の傾向にありますね」と語っている。中古買い取りと販売を行うじゃんぱら秋葉原本店からも同様のコメントを得た。PCパーツの買い取りに関しては“ウェルカム状態”にあるショップが多いのだ。
それでは、どのようなパーツに高値が付けられるのだろう。じゃんぱら秋葉原本店は「CPUやマザーボードならSocket 478やSocket 939タイプなど、少し古めのパーツですね。HDDなら同じ容量でもSerial ATAタイプよりIDEタイプのほうが高い場合が多いです。同様に、グラフィックスカードはAGPタイプが狙い目。特にGeForce 6000シリーズのAGPモノは需要が多いので、在庫が入るとすぐに売れるような状況です」という。
つまりは、新品では入手しづらくなっているものの、現役で十分に使えるような“ちょいレガシー”なパーツなら高く売れる可能性が高い、というわけだ。「中古ショップには、現在使用中のマシンの一部が壊れてその代用パーツを探しに来るという人が多いです。このため、新品では換えが探せなくなったパーツは常に一定の人気があるんですよ」(同ショップ)。
一方で、最新の人気パーツも高値を付ける傾向にある。「中古市場ではCore i7はまだ数量が少ない状況です。中古ショップで最新パーツを探す人は少なくないので、割高で買い取らせていただくことになりますね」(ソフマップ秋葉原買取センター)とのこと。なお、登場したばかりのCPUは、複数個購入してオーバークロック耐性の高い個体だけ残し、残りを中古ショップに売るというユーザーが古くから確認されているが、「確かに登場してまもなくのうちに複数個まとめて売りに来られる人はいます。ただ、全体の需要を満たすほどの数にはなりません」(同ショップ)という。
具体的な買い取り価格は、各ショップのWebサイトで上限金額を確認することができる。例えば「Pentium4 3.06GHz」の買い取り価格は、ソフマップとじゃんぱらの両店で3500円(2月8日時点)。じゃんぱら秋葉原本店の場合、400GバイトのHDDはSerial ATA接続で2200円、IDE接続で3500円(2月6日時点)となるそうだ。ただし、これらは買い取り上限金額になるうえ、「週一以上のペースで何かしらのパーツの査定が更新されます」という点に注意したい。
より高く買い取ってもらうためには「付属品やパッケージはきれいに保存してください。例えばマザーボードの場合、本体だけが完動品でもほかに何もないと2割減となってしまいます」(じゃんぱら秋葉原本店)という。また、「CPUクーラーなどは掃除してから査定してもらうのがオススメ。もちろん買い取り後にこちらで掃除しますが、あまりに汚れているとさすがに査定に響きますね」(ソフマップ秋葉原買取センター)とのアドバイスももらった。
昔のパーツを「いつか使うかもしれないし」と押し入れに眠らせておくよりは、こうした買い取りセンターを利用するほうが、自分のためにもパーツのためにも、そして見知らぬ自作ユーザーのためにもなりそうだ。
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