予算は6万円。mini-ITXでホームサーバマシンを作っておくれ:ショップのダメ出し!T-ZONE編(1/2 ページ)

» 2010年04月15日 11時45分 公開
[古田雄介&小幡哲史,ITmedia]

5万円台で2Tバイトマシンが組める。それゆえに改善の余地あり

険しい表情で構成表を掲げる森田氏

 事前に作成したパーツ構成表を持ち込み、アキバのショップ店員さんに“ダメ出し”してもらうこの連載。第2回は「低価格で小型マシンを組む」をテーマに、T-ZONE.PC DIY SHOPを訪ねた。

 同店はPCパーツショップ密集エリアに建つ3フロア構成の大型店舗。モニターやPCソフトまで扱うほか、サーバやワークステーション向けパーツの品ぞろえも充実している。担当してもらったのは、「スーファミPC」などの超小型マシンの自作で知られる森田氏だ。小型マシンのエキスパートという顔も持つ同氏に、厳しいダメ出しを受けたいと思う。

 いま小型マシンといえば、mini-ITXマシンが定番だ。mini-ITXマザーといっても、消費電力の低いCPU「Atom」をオンボードしたタイプから、HD動画の再生まで安定してこなせるグラフィックス性能の高いIONマザー、Socket AM2/3やLGA775/1156を搭載したハイスペックタイプまで多種多様。選択肢が増えるなか、今回はホームサーバマシンとリビングで大画面テレビの脇に置けるようなAVマシンを組む構成を考えた。

 前編は「6万円以内で、ずっと放置しておけるホームサーバマシンが組みたい」という願望を胸に、以下のような構成を考えてみた。なお、価格はT-ZONE online Shopの4月上旬時点の価格を参考にしている。

予算6万円でホームサーバ(修正前)
パーツ 製品名 価格
CPU Atom D510(マザーに備え付け) −
マザーボード インテル「D510MO」 8480円
メモリ マスタードシード「UMAX Pulsar DCSSDDR2-2GB-800」 5754円
HDD ウェスタンデジタル「WD Caviar Green WD10EARS」×2台 1万4560円
光学ドライブ なし −
グラフィックスカード なし(CPU統合) −
PCケース マスタードシード「JMAX JX-FX300B」 1万1800円
電源 220ワット電源(ケースに付属) −
OS マイクロソフト「Windows Home Server Power Pack 3 DSP版」※USB増設カードとセット 1万6800円
合計金額 5万7394円

 最初に選んだのはマザーボードだ。デュアルコアの新型Atomをオンボードで備える「D510MO」は、アナログRGB出力ながらグラフィックス機能も備えており、9000円以下の安さでCPUとマザー、グラフィックスカードの機能がまかなえてしまうお得なモデルである。データ管理を目的としたサーバマシンには高度な描画機能や処理能力は必要ないので、最低限の仕事をしてくれればそれでいい。ただし、D510MOはSATAポートを2基しか備えていないので、光学ドライブをあきらめて、1TバイトHDDを2台積むことにした。複数台のHDDを組み込むことで故障によるデータ紛失のリスクが下げられる。難易度が上がるが、OSインストールはメインマシンの光学ドライブを利用すれば何とかなるし、っと。

 また、ケース選びにも神経を使った。小さなmini-ITXケースに入る電源ユニットは限られてくるので、電源備え付けのタイプが選びやすい。マスタードシードの「JMAX JX-FX300B」なら、3.5インチHDDが最大3台入るうえ、5インチベイも用意されている。背面ブラケットもフルサイズのタイプが1基あるので、将来の機能拡張も可能。電源容量も220ワットとまずまず高い。あとはOSをホームサーバの定番「Windows Home Server」とし、1Gバイトメモリを2枚積んでスロットを埋めた。予算6万円と設定しながら3000円近くも余らせた“財布にやさしい”構成といえよう。

 この構成をみて、森田氏は「HDDは2Tバイトタイプを1台にして、光学ドライブも組み込みましょうか。さらにメモリを同規格のセンチュリーマイクロに替えるのがオススメです。まあ、あとは大丈夫ですね。将来RAIDカードなどを挿してケースのキャパシティギリギリまでHDDを増設しても、Atomマザーで220ワット電源なら十分足りますし」と素早く指摘した。か、完璧だと思ったのに……。

自作の格言――「電源とメモリには金をかけろ」

リーズナブルな価格で定評のあるインテル「D510MO」。ただし、オンボードチップのすべてがインテル製というわけではない

 マザーボードの変更はなくD510MOをそのまま使うが、予算に余裕があればより理想的な構成が目指せるというアドバイスを受けた。「インテル製のマザーなんですけど、LANコントローラーはRealtek製なんですよ。そのヘンは注意が必要ですね。こだわる人だと、拡張スロットにインテル製LANカードを挿すという選択肢もアリでしょう。コントローラーによって速度が変わるというわけではなく、一定のパケットをどれだけ安定して送り続けられるかというところに関わってきます。もちろんそのままでも普通に使えますけど、予算が余っているなら定評のあるインテル製のLANカードを増設するのがいい。ボリューム用HDDはあとからいくらでも追加できますが、設定がからんでくるパーツの交換はいろいろと面倒ですから、ある意味、HDDよりも優先したほうがいいかもしれませんね」とのことだ。

 また、予算が十分にある場合のマザーボード候補として、スーパーマイクロの「X7SPA-H」をプッシュしていた。価格は2万6800円。Atom D510をオンボードするのはD510MOと同じだが、RAID機能を備えるICH9Rチップを採用しており、SATAポートを6基搭載している。「2基のLANコントローラーもインテル製で、信頼性がかなり高いです。今回の構成だとSATAを6ポートすべて使うには、ケースも変更する必要がありますが、2.5インチHDDを導入する手もあります」。

 そして、最初の変更点であるメモリだが、元の構成どおりにDDR2-800の1Gバイトタイプを2枚挿しするものの、ここで採用されたのはセンチュリーマイクロの「CK1GX2-D2U800H/ELP」だった。価格は7854円。この変更は森田氏が最も力説した部分でもある。「自作PCの格言に『電源とメモリには金をかけろ』というのがありまして。どちらも、エラーが発生すると致命的になるパーツなんですよ。今回の構成では電源は変えられませんが、メモリは品質に定評のあるセンチュリーマイクロにしました」と説明する。

 その理由をかみ砕いて解説してくれた。「PCのなかで一番エラーが起きやすいのはメモリなんです。そして、電気的なエラーや発熱によるエラーなどが発生すると、勝手にマシンが落ちたり、最悪の場合は動かなくなったりします。そうしたトラブルを極力避けるには、できるかぎり品質の高いメモリを使うこと。チップだけでなく、基板や抵抗、ハンダまでピンキリですが、センチュリーマイクロはどれをとっても高品質なうえ、メーカーによる品質管理もしっかりしていますから」。24時間稼働が当たり前のサーバーマシンだからこそ、よりこだわりたい部分なのだ。

スーパーマイクロ「X7SPA-H」。流通量が少ない貴重なマザーだ(写真=左)。センチュリーマイクロ「CK1GX2-D2U800H/ELP」(写真=右)

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